楠正成は 2008年08月18日 | Weblog 楠正成は味方の墓だけでなくて、敵の墓寄せ手墓も作って死者の供養をした。 この一言で彼が尋常の人物でないことがわかる。同胞を殺した人間に対しては、普通の人ならば恨みを持つ。 しかし敵味方なく死者を弔う彼の姿勢には怨念を超越したものがある。彼は人間の宿業をきっちり悟って、平凡な人間がとどまり、徘徊する心の状態から一段高いところで脱却していた。 その部分が、ほかにもあろうが、歴史に名をとどめるだけの人物の質の高さを表していることになるのだろう