文化庁が2002年から立ち上げた「現代日本文学の翻訳・普及事業」の関連行事として講演会があった。この事業そのものもとても面白いものなので、いずれブログのエントリーとして取り上げたいと思ったのだけど、今日は明日の仕事の準備があるので面白ネタだけご紹介。
2人いた演者の1人はアメリカの非営利出版組織のDalkey Archive Pressでアソシエイト・ディレクターをしているChad Postさんという男性で、翻訳出版がアメリカでおかれている現状などを報告した。
「アメリカ人はとにかく翻訳物を読まない。大手書店チェーンなどは翻訳本だとわかると売れないから翻訳者の名前を表紙のデザインから外せとか、果ては著者の名前が発音しにくくて売れないから変えろ、とかいうんだ。」とアメリカで翻訳文学がいかにマイノリティーかという話をしていた。それだけで十分一同目が点になれた。翻訳文学が推薦書籍リストに入ってなかったことがないという義務教育時代を送る日本人にとっては俄かには信じられないって感じ。そんなスピーチのなかで彼が使った資料がこの写真のリストだ。
これは過去6年間に英語に翻訳された本が何冊あったか?を原書出版国・原書言語別に統計を取ったものだ。上から下に向かっていくと、アルゼンチン、ボスニア&ヘルツェゴヴィナ、ブラジル、クロアチア、チェコ、フランス、ドイツ、スイス、イタリア、メキシコ、オランダ、ポルトガル、スペインなどが目に入る(すみません小さくて見えませんよね・・・)。
彼のポイントとしては、最多のフランス語文学だって過去6年で52タイトルしか英訳されておらず、一年あたり9作品にも満たないという計算になる、いかに文芸作品の翻訳が進んでいないか=翻訳出版がアメリカで振るわないかわかるだろう、というものだった。まぁアメリカ人って自分の国のことしか興味ないからね~。ニュースなんか見ててもそれが良くわかる。
面白かったのは、質疑応答の時。質問があると手を上げた人が、中国といった本来書籍が数多く出版されているであろう国がリストに無いのはなぜか?サッカーのワールドカップの本選に出ないと載せてもらえないのか?という質問をして、満員だったホールの笑いを誘った。
Chadさんにも大うけ。笑いながら「調べた人の限界っていうことで、ワールドカップとは無関係です。中国語の文芸作品がどれだけ英訳されているかについては不明です」ってものだったけど、単に「中国作品の英訳本数は?」と聞くよりもはるかに効果的、なかなか楽しいぞ!と思った。文学とサッカー、結びつける二つのものが一見遠ければ遠いほどこの種の冗談っておしゃれだよね。
2人いた演者の1人はアメリカの非営利出版組織のDalkey Archive Pressでアソシエイト・ディレクターをしているChad Postさんという男性で、翻訳出版がアメリカでおかれている現状などを報告した。
「アメリカ人はとにかく翻訳物を読まない。大手書店チェーンなどは翻訳本だとわかると売れないから翻訳者の名前を表紙のデザインから外せとか、果ては著者の名前が発音しにくくて売れないから変えろ、とかいうんだ。」とアメリカで翻訳文学がいかにマイノリティーかという話をしていた。それだけで十分一同目が点になれた。翻訳文学が推薦書籍リストに入ってなかったことがないという義務教育時代を送る日本人にとっては俄かには信じられないって感じ。そんなスピーチのなかで彼が使った資料がこの写真のリストだ。
これは過去6年間に英語に翻訳された本が何冊あったか?を原書出版国・原書言語別に統計を取ったものだ。上から下に向かっていくと、アルゼンチン、ボスニア&ヘルツェゴヴィナ、ブラジル、クロアチア、チェコ、フランス、ドイツ、スイス、イタリア、メキシコ、オランダ、ポルトガル、スペインなどが目に入る(すみません小さくて見えませんよね・・・)。
彼のポイントとしては、最多のフランス語文学だって過去6年で52タイトルしか英訳されておらず、一年あたり9作品にも満たないという計算になる、いかに文芸作品の翻訳が進んでいないか=翻訳出版がアメリカで振るわないかわかるだろう、というものだった。まぁアメリカ人って自分の国のことしか興味ないからね~。ニュースなんか見ててもそれが良くわかる。
面白かったのは、質疑応答の時。質問があると手を上げた人が、中国といった本来書籍が数多く出版されているであろう国がリストに無いのはなぜか?サッカーのワールドカップの本選に出ないと載せてもらえないのか?という質問をして、満員だったホールの笑いを誘った。
Chadさんにも大うけ。笑いながら「調べた人の限界っていうことで、ワールドカップとは無関係です。中国語の文芸作品がどれだけ英訳されているかについては不明です」ってものだったけど、単に「中国作品の英訳本数は?」と聞くよりもはるかに効果的、なかなか楽しいぞ!と思った。文学とサッカー、結びつける二つのものが一見遠ければ遠いほどこの種の冗談っておしゃれだよね。
へー、そんな国に未来は期待できませんねぇ。。。
ところで、聞き手の心に残る話術&ユーモアってお人柄がでますよね。是非見習いたいものです
でもって、「笑いを取る」って大切なことよね、でもその場の空気を読めないで闇雲にやろうとすると激しく浮くでしょうけど。なのでその場の空気を一挙に和ませることをいえる人には、いつも座布団一枚あげたくなるkebaです。