最後のチャンスかも

先月2日の天皇杯の試合後、完敗した浦和レッズのサポが大暴れした。数日後クラブが何人かの処分を発表したものの、暴力はなかったと発表した。が、撮影された動画からは、とてもじゃないけどそんなふうには見えなかった。

 

 

昨日、日本サッカー協会が、関わったとされる17人に対して国内で開催されるあらゆるサッカーの試合のスタジアム観戦の無期限禁止、もう1人に対して5試合スタジアム観戦禁止、という処分を下したのは良かった。それとは別に、クラブに対する処分はあらためて議論され発表されるようだ。

 

 

とにかく、レッズ(クラブ)は暴れるサポに甘い。あたしたちがシーズンチケットを買ってスタジアム観戦していた頃は、ここぞという試合で選手を鼓舞する観客席を使ったグラフィックは素晴らしかったし、浦和ボーイズ（10年前くらいに人種差別的横断幕を出して、クラブが処分されたことを受けて一旦解散した、浦和レッズのサポーター集団の一つ：その後再結成されて今に至る）のチャントのタイミングはスタジアム応援の醍醐味の一つではあった。ただ彼らの中には、椅子に座ったまま観戦するあたしたちのようなサポーターを「お地蔵さん」と呼び、チーム愛に優劣をつけるかのような姿勢を隠さない人もいたし(一席当たりのクラブへの金銭的貢献度はこっちが何倍も大きいので、アホじゃね？と思ってたけど)、負けたら選手に罵声を浴びせるし(あたしは自分の信念として、絶対ブーイングしないことにしている)、実際にガンバサポとの小競り合いも目撃したことがあるし、決して気持ちの良い経験ばかりではなかった。負けたら暴れる、勝ったら相手サポを罵倒する、サッカーを不満の吐口としてしか使ってないのか？って感じですごく嫌だった。それに対して、断固とした態度を取れないクラブには心底がっかりしていた。

 

目撃した小競り合い⇩

割り切れない - kebaneco日記

 

レッズは親子3代で観に来ている一家も多い。隣の2席が前回の試合は祖父母、今回はおじいちゃんと孫、そのまた次はお父さんと息子、みたいに一家でいろんな組み合わせでシーズンチケットを共有して観戦してる人たちだったので、試合の前などのちょっとしたおしゃべりで色々と教わったりもした。騎馬警察が警備しないとならないような一番荒れている時期のプレミアリーグを知ってるあたしには、夢のような場所だった。サッカーの練習の帰りに観に来てる子がいたり、お父さんの影響で連れられて来て疲れて寝ちゃった子なんか、ほんと微笑ましい。そんな様子がそこここにあった。

 

 

名古屋だって決して新しいチームではないので、いろんな世代が純粋にサッカーを楽しむためにスタジアムに足を運んでたはず。そういう観客の前で、試合に負けて相手方サポから挑発的な言葉があったからとはいえ、施設を壊したりピッチに降りて暴力行為に及んでいいはずはない。

 

 

一部の過激なサポは浦和の悪しき伝統で、根絶すべきだと思っている。今まで彼らのせいで無観客試合になったこともあったし、クラブが制裁金を課されたこともあった。それでも改まらない。今回はもうラストチャンスじゃないのかと思う。クラブがもっと毅然とした態度で、暴力行為や差別行為を処分する方向へ向かって欲しい。クラブへの思い入れの表現として、暴力や暴言は激しく歪んでいる、よって歓迎しないということを、いい加減クラブがはっきりとさせる時だと思う。クラブは、北側ゴール裏に陣取るサポだけではなく、常識的で穏やかで時に熱くなる圧倒的多数の普通の人が支えて来たはずだ。その人たちが気持ちよく試合を観戦できないとしたら、それはクラブの責任だ。