再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

1990年比25%削減の実現性

2009-09-13 08:30:16 | ニュース

今回も民主党のことを書きます。

彼らの政権公約(マニフェスト)では、温暖化ガス排出削減の2020年中期目標を1990年比25%削減としており、先日、鳩山代表がその目標を世界に向けて正式に表明しました。

首相就任後の国連総会でも、同種のスピーチをするということです。

国内では、産業界を始めとして、この実現性に疑問を呈するコメントが多数出されており、国民負担の増大と企業競争力の減退につながるというのが、反対論の主旨です。

確かに現政府案の90年比8%減(排出権クレジットや森林吸収を含まず)と比べて、圧倒的に厳しいものです。現時点では、京都議定書の約束である90年比6%減(排出権と森林吸収分5.2%含む)すら、その実現が危ぶまれているのです。

あと10年で25%減ではなく、すでに12%程度増加した状態なので、合計すると40%程度の削減となります。もちろん、排出権や森林吸収分など含めてのことでしょうが、それでも生易しい値ではありません。

ただ私の個人的な意見としては、この宣言は正しいと思います。また、決して長い目で見れば、国益を損なうものではないと信じています。

実は地球全体で見れば、日本の排出総量は、たった4%程度にしか過ぎません。つまり、日本がどんなに削減しようとも、地球温暖化を止めることなどできない程度なのだという事実です。

つまり、地球温暖化問題においては、わが国は小国にすぎません。だからやってもやらなくてもいいという投げやりな意見もあるかもしれませんが、本当にそれでいいのでしょうか。

小さな割合に過ぎないからやらないのではなく、世界の温暖化議論のまとめ役をやるために、まず自ら努力をしていく。リーダーとしての最低の姿勢は、困難なことに対して、常に率先垂範であるべきだというのが、私の信条でもあります。

世界の国々にわれわれの背中を見せる。

この気概こそが、小国のわれわれにこそ、今求められる矜持と覚悟なのではないでしょうか。

その結果として、温暖化対策先進国として、世界各国から尊敬され、模範とされる国としての未来の日本像が見えてくるのではないでしょうか。

そうあった欲しいと願っておりますし、そうあるために今できることにまい進したいものです。


「見える化」の効用は?

2009-07-18 12:24:48 | ニュース

カーボン(CO2)やエネルギーをマネジメント(管理)するためには、まずは現状把握である。さらに、その把握の程度は、できるだけ正確かつ定量的であることが望ましい。

こうした現状把握のベースとして、「見える化」というイメージ的な言葉が使われることが多くなった。

「エネルギーの見える化をします!」

これが当社の最初の営業トークではあるが、必ずその後に顧客から言われることは、「見えた後どうしてくれるの?」という、ある種当然の疑問である。

見えただけでは、なにも変わらず、省エネもCO2削減も進まない。見えた後に、何らかの行動を起こすことで初めて、その見えた効用が発揮できる。

この「見えた後」のサービスメニューこそが、当社のようなエネルギーサービス会社の最大の差別化要因となってくるであろう。

最近、大規模工場を複数所有する所謂大企業に対して、「原単位管理手法」なる「見えた後サービス」を提案している。すでにこの手法をベースとして、ある大手企業の全社的なCO2削減プログラムづくりも着手している。

このサービスを一口で説明するならば、要は「マクロ原単位(工場全体)とミクロ原単位(工程毎の原単位)の両方で現状を分析し、ムダ・ムラ・ムリの三無をなくすこと」となる。

すでに大手の工場では、かなり詳細な「見える化」はできている。すなわち、各種工程毎のかなり詳しいデータ収集システムが導入済みだ。しかし、それらの大量のデータが果たして十分に活かされているか、というとまだまだ改善の余地があるようだ。

このことは、名のある一流企業であっても、現場の実態は五十歩百歩なのではないか。この原単位管理を徹底的にやる仕組みを全社的に構築していくこと。これこそが、絞り切った雑巾と言われる生産系施設におけるもう一段の省エネなのではないか。

最近、この当初立てた仮説が確信に変わった


省エネビル推進標準化コンソーシアムがスタート

2009-07-11 10:50:58 | ニュース

710日金曜日に、経済産業省資源エネルギー庁主催の「省エネビル推進標準化コンソーシアム」がスタートした。

このコンソーシアムの源流は、昨年度の「省エネ化と『省エネ産業』の展開に関する研究会」(同資源エネ庁主催)における提言にある。

そこでは中小規模のビルや公共施設における省エネ化推進のためには、ITの活用によるエネルギーデータの簡易収集と適正制御を安価で可能にすることが必須であり、そのためには関連業界におけるエネルギー諸データに関するさまざまな次元での標準化が不可欠であるとの認識で一致した。

ちょうどIT業界の今日までの発展の歴史をこれから構築していくべき「省エネ産業」に類似性を見ることができる。つまり、囲い込みからオープン化により、市場自体が恐ろしいスピードと規模に拡大した。同時に、その競争を勝ち抜いた強力なプレーヤーが出現した。

そのIT産業における激しい競争の歴史は、これからの省エネ産業にも不可欠のものとなろう。

標準化という言葉は、なかなか悩ましい一面がある。特に、メーカーなどにとっては、その競争力の源泉を削がれるような感覚にもなる。一方、標準化により競争すべき分野の先鋭化と深化を伴うことになり、中長期の目線では真の競争力強化につながることにもなる。

そして、このパラドックスを克服できる企業だけが競争に勝ち抜き、より高度な省エネサービスを提供できるようになる。結果として世の中の省エネが進み、低炭素社会構築にまた一歩近づける。

この正の好循環を生み出す力こそ、この「標準化」戦略にはある。

私はそう確信しており、本コンソーシアムの今後の活動成果と展開に期待している。もちろん、当方も相応の貢献をしていかねば、そこから生まれる真の果実はもらえないのだ。


ヴェリア社の新しい取組み紹介

2009-05-02 06:48:33 | ニュース

52日、GWの真っ只中に、当社(ヴェリア社・VEGLIA Laboratories)の宣伝を二つさせていただきます。

第一は、昨今話題の「グリーン電力証書」について、当社も取扱いを開始しました。東京都の条例において、グリーン電力証書はカーボンオフセットクレジットとして正式に認められ、その上1.5倍カウントというプレミアムも付くとあって、注目が集まっております。

第二は、日本ユニシス様が昨年来開発を進めてこられた「カーボンマネジメントシステム」の実証試験について、正式にその概要を発表されました。そのシステムの中では、当社のエネルギー計測検証システムであるEIAシステム」をご採用いただいております。

どちらも、今後の顧客のカーボンマネジメント戦略(CO2の削減行動)の中で、ご活用いただけるメニューであり、普及促進を期待しております。

ご興味のある方は、当社HPhttp://www.veglia.co.jp/)より、内容をご確認いただき、お問い合わせをいただければ幸いです。

それでは皆様、良いGWをお過ごしください!


省エネ企業に国際規格?

2009-04-11 18:08:21 | ニュース

先週の46日(月)の日経夕刊の一面に、「省エネ企業に国際規格・エネルギー効率化条件・日米欧合意」という報道がされました。

この国際規格とは、ISO(国際標準化機構)が企業の省エネルギーに関する取り組みについて、国際標準規格を創設するというもの。

有名なISO14000シリーズは、「環境マネジメントシステム」に関する国際規格であり、今回の省エネに関するものは、ISO5000シリーズ」となるようである。

おそらく国内の省エネ法対応や自主行動計画順守で相当鍛えられてきた省エネ優等生の日本企業にとっては、このような規格ができたからといって、とりわけ問題なくクリアできるであろう。

日米欧などの主要25カ国が、この新規格の創設に合意したとのこと。発案国はどうもアメリカとブラジルらしい。

なぜ省エネ後進国のアメリカが主導的な役割を果たそうとしているのか不思議であるが、省エネの重要性に気づき、戦略的に本気でやり始めたとしたら、省エネのトップランナーを自負している日本としても、あまり悠長に構えてばかりはいられないかもしれない。

会計基準しかり、内部統制しかり、ビジネスにおいて、すべてアメリカンスタンダードに日本は振り回されてきた。

とにかく基準づくりやその後の仕切り役は、アメリカの得意とするところであり、新ルールができてから、アタフタと対応する日本という構図をこの省エネルギーに関してだけは取りたくない。

省エネは、日本の誇りであり、常にその自負と責任感を持って、世界のお手本、ベンチマークであり、そしてトップランナーであり続けなければならないのである。