今回も民主党のことを書きます。
彼らの政権公約(マニフェスト)では、温暖化ガス排出削減の2020年中期目標を1990年比25%削減としており、先日、鳩山代表がその目標を世界に向けて正式に表明しました。
首相就任後の国連総会でも、同種のスピーチをするということです。
国内では、産業界を始めとして、この実現性に疑問を呈するコメントが多数出されており、国民負担の増大と企業競争力の減退につながるというのが、反対論の主旨です。
確かに現政府案の90年比8%減(排出権クレジットや森林吸収を含まず)と比べて、圧倒的に厳しいものです。現時点では、京都議定書の約束である90年比6%減(排出権と森林吸収分5.2%含む)すら、その実現が危ぶまれているのです。
あと10年で25%減ではなく、すでに12%程度増加した状態なので、合計すると40%程度の削減となります。もちろん、排出権や森林吸収分など含めてのことでしょうが、それでも生易しい値ではありません。
ただ私の個人的な意見としては、この宣言は正しいと思います。また、決して長い目で見れば、国益を損なうものではないと信じています。
実は地球全体で見れば、日本の排出総量は、たった4%程度にしか過ぎません。つまり、日本がどんなに削減しようとも、地球温暖化を止めることなどできない程度なのだという事実です。
つまり、地球温暖化問題においては、わが国は小国にすぎません。だからやってもやらなくてもいいという投げやりな意見もあるかもしれませんが、本当にそれでいいのでしょうか。
小さな割合に過ぎないからやらないのではなく、世界の温暖化議論のまとめ役をやるために、まず自ら努力をしていく。リーダーとしての最低の姿勢は、困難なことに対して、常に率先垂範であるべきだというのが、私の信条でもあります。
世界の国々にわれわれの背中を見せる。
この気概こそが、小国のわれわれにこそ、今求められる矜持と覚悟なのではないでしょうか。
その結果として、温暖化対策先進国として、世界各国から尊敬され、模範とされる国としての未来の日本像が見えてくるのではないでしょうか。
そうあった欲しいと願っておりますし、そうあるために今できることにまい進したいものです。