先週末に、中学高校と6年間共にした友人が急死した。海外出張先での心筋梗塞だ。
彼との最大の思い出は、高校1年の夏休み、二人で行った北海道旅行である。SL(蒸気機関車)オタクの私に一緒に1週間付き合ってくれた。
学割周遊券を使って、一度も宿泊施設を利用することもなく、すべて急行夜行列車で経費削減。したがって、夏の暑い時にも関わらず、風呂も1度も入ることなく、ただSLの最適撮影場所だけを目指してただただ線路を歩いた。
なぜ、好きでもなかったSL撮影に付き合ってくれたのか。その本心をいつか聞こうと思っていたのに、とうとう聞く機会を逸してしまった。
「俺も行くよ!」 「SLだけだよ」 「ああいいよ!」
こんな短い会話だけで決まり、青函連絡船に飛び乗った。
棺の中の彼の顔は、とても静かで穏やかだった。心残りもあっただろうに、まだやりたいこともたくさんあっただろうに。
きっと天からのお迎えに、「ああいいよ」と気軽に乗ってしまったのかもしれない。今回もまた理由を聞けなかった。
でも、「特急はつかり号」での出来事だけは、二人だけの秘密にしておこうな。
合掌!