再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

スクール・ニューディール構想への提言

2009-08-01 09:34:09 | コラム

21世紀の学校」にふさわしい教育環境の抜本的充実を図り、安全・安心で環境にやさしい学校づくりを進める。

これが文部科学省の進める「スクール・ニューディール構想」だそうだ。

この構想が「経済危機対策」の一環として行われることには、ちょっと違和感があるが、まあ細かいことは別として、この機に学校施設の重要性が見直されたことは喜ばしいことだ。

学校は、児童生徒のみならず、地域住民にとっても最も身近な公共施設であり、緊急災害時における重要な防災拠点にもなる。

そのような重要な公共施設の耐震化、エコ化、ICT(情報通信技術)化に取り組むことは、財政事情の厳しい折であっても、本来優先的に進められるべきものであろう。

景気浮揚策との一石二鳥を狙うというのは、妙案とも言えるかもしれないが、逆に景気が良かったならば一気にやらないのかと、政策責任者のポリシーを追求したくなるが。

この構想中のエコ化メニューは、二重サッシや断熱ガラス、節水型トイレ、省エネ機器導入による省エネ改修、校庭の芝生化などが挙がっているが、目玉はやはり「太陽光発電」の導入である。

この構想以外でも最近の太陽光発電は、一気に地球温暖化問題解決のエースの座に踊り出た感がある。固定価格買取制度なども、あれほど反対していた行政も業界もすんなりと了承し、今や太陽光発電はこの世の春を謳歌している。

このような現状から、100年に一度の大変な経済危機も、何事にも動きの遅い国にはたまには悪くないのかもしれないと皮肉を言いたくもなる。

さて、この太陽エネルギーであるが、実は発電のみならず、太陽熱エネルギーの利用という側面が忘れられているのがちょっと片手落ち感が否めない。

太陽エネルギーの利用効率から見ると、発電よりも熱利用がおよそ2倍の効率になることは良く知られている。

しかしながら、わが国では、1980年をピークに急速に太陽熱利用システムの導入が減速してきた。その原因には、いろいろと不幸な出来事があったものの、今こそもう一度太陽熱利用も含めた効率的で効果的な太陽エネルギー利用を考える時ではないか。

その意味でも、今回のスクール・ニューディールの基本メニューには、ぜひとも太陽熱利用システムも含めてもらいたいものだ。

発電と熱利用のベストミックスによって、学校校舎の屋上がパネルで埋め尽くされる日が一日も早く来ることを期待している。

ちなみに世界の太陽熱利用実績(エネルギー換算ベース)では、中国が約7割を占めているそうであり、その事実を最近知って驚いた。中国は太陽エネルギーのみならず、新エネルギー分野でも世界一になる日も近いのではないか。