バンクーバーオリンピックのスノーボード代表の服装問題が随分と大きく取り上げられている。結果として、その分野に疎かった私も興味を持ってその選手を知ることとなったが。
すでに彼はスノーボードのプロ選手として、国内外で活躍しているとのこと。まさか自分の立ち居振る舞いがここまで話題になり、マスコミや国民に叩かれるとは予想だにしていなかったことであろう。
確かに、一国の代表なのだから、もう少し自覚をもった態度と振る舞いをした方が良かったものの、あの程度のことが、あれほどの問題なのか、非難されることなのか。
彼なりの自己主張の形であろうことをもう少し許容してもいいのではないか。平均的かつ常識的な尺度から乖離した異質なものを許容できる余裕に乏しいように感じる。
日本国における独特な閉そく感は、こうした点にも如実に表れている。周りの目をいつも意識し、いつも気をつかいすぎる傾向が、社会全体の重苦しさを助長している。
周りへ物理的な迷惑をかけない範囲であれば、もっと異質を認め合って、おおらかに生きていけないものか。
むしろ、彼のプロフェッショナリティーこそ、尊敬に値するものだ。さらに、オリンピックに出場できるまでのアスリートは、われわれのような凡人には想像を絶する努力と苦しい世界があったに違いない。
そうした彼の人生の深層部に光を当てることもなく、ただ表層的な問題のみをあげつらう傾向が最近多すぎはしないか。
鳩山首相や小沢幹事長問題も、根っこのところ同じような構図にあるのではないか。
羨んだり妬んだり、けなしたり非難する文化から、尊敬しあい、いいところをほめあう、そしてお互いの苦労をねぎらう、もっと許容度のある社会にしていきたいものだ。
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