財務論(5):社長(CEO)とCFO
財務論の最後に、社長(CEO)と財務担当責任者(CFO)について私見を述べたい。
理想的なベンチャー企業の創業は、夢と志を共有できるCEOとCFOがコンビを組むことである。
この二人は、車に例えるとアクセルとブレーキ。このバランスが実に大切である。
つまり、社長は自らの夢に向かって、どこまでも貪欲且つがむしゃらに高みに向かって突き進む。財務責任者もベンチャーである以上、チャレンジ精神は旺盛でなくてはいけないが、やはりお金にはシビアであるべき。
社長の夢と志は十分に理解した上でも、時にはその暴走を食い止めることも必要である。そうした冷徹な目と判断力を持ったCFOを抱えたベンチャー企業は、必ず成功すると言っても言い過ぎではないだろう。
ただ時には、CEOとCFOが経営判断で真正面からぶつかることもあるかもしれない。そんな危機を乗り越えるためにも、両者が表面的ではなく心の深いところで信頼し合うこと、そしてお互いに尊敬の念を抱くことができる関係を維持することが必要になるだろう。
家族でも友人でもなく、プロのビジネスパーソンとしてCEOとCFO。
お金の問題である財務論も、やはり最後は人の縁に帰着するものである。
さて昨年の11月からスタートした本連載企画も、動機論、理念論、営業論、組織論、財務論の順番で、私自身の拙い実体験から得た知見を披露してきた。
次回からは、数回にわたり総括論として本連載のまとめに入りたい。
(次回に続く)
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