再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

G8で日本の主張はどう扱われたのか?

2007-06-13 08:46:41 | インポート

昨日、環境・エネルギーをテーマとして、「賢人会議」というセミナーに出席した(http://premium.nikkeibp.co.jp/em/report/08a/index.shtml)。有楽町のよみうりホールがほぼ満員という盛況ぶり。先日のG8ドイツサミットおよび来年の洞爺湖サミットにかけて、このテーマに再び注目が集まっているのだろう。

その講演の中で、「2050年までにCO2排出量の半減」を中心とした日本の主張が、欧州マスコミでは、あまり注目されていなかったという話があった。

安倍首相のスピーチや記者会見内容なども、ほとんど取り上げられていなかったそうだ。その後、官邸のHPでも、あまり情報発信がなされていないようである。

やはり、言語の壁は大きいのだろうか。私も環境やエネルギー問題のブログを立上げながら、日本語でしか自分の思うところを十分に主張できないことに、限界を感じることもある。

温暖化防止問題では、日本がリーダーシップを取るべきという意気込みはよいものの、やはりそのためには、自らの意見や主張を世界に向けて、常に発信する努力が必要だろう。同時に、世界の主張を読み取る努力もしなければいけないが、正直言って、英語版の論文や情報を敬遠しがちだ。

なにか非常にプリミティブな次元での限界を感じているのは私だけでしょうか?

ただ環境・エネルギー問題で、日本の持つ知見や経験は、絶対に世界に展開していくべきものだという確信もあるが。

その意味で、日本を「課題先進国」と位置づけられた小宮山東大総長のお話には、大いに賛同したい。


連載企画:FESCO十年の歩みを振返って(3)

2007-06-10 04:46:14 | 連載・FESCO十年

FESCOの基本戦略は機能したか?

FESCO創業時の基本的な事業戦略は、以下の3つであった。

第一に、トータルサービス戦略。第二に、バーチャル・コーポレーション戦略。第三に、アウトソーシング戦略である。

第一のトータルサービスとは、FESCOが顧客施設の省エネルギーに関する「総合ドクター」として振舞うこと。それまでの省エネ営業は、機器や手法が先にありきのもの。顧客の都合や状況は、おかまいなし。機器が売れればよく、工事が受注できればハッピー。

対して、総合ドクターである以上、あくまで顧客の目線で、ソリューション提供に重点を置くことになる。まさに、顧客指向型ビジネスである。

これは「言うは易し、行い難し」であった。この姿勢を貫くのは、事業利益をサービスの対価として十分に確保するという観点から、容易ではなかった。ただ私の想いとしては、「サービスはただ」という既成概念をなんとか払拭したかったのだが、それは時代共に徐々に受け入れられてきたのではないか。

第二のバーチャル・コーポレーションとは、インターネットをフルに活用して、さまざまな省エネルギーに関する知恵やノウハウを効率的かつ効果的に集めようというもの。時には、動画や写真などを用いれば、実際に現場に行かずとも省エネ診断ができないのか、と時間と空間を超えたかった。

この戦略は、97年当時のネット環境では、発想は良かったが明らかにハード機能が未熟であった。まだ、ネット接続がダイヤルアップであり、写真や動画などの重いファイルは、とても送れずフリーズの連続。10年経過した「Web.2.0」時代になって、やっと実現可能になった戦略である。

第三のアウトソーシングとは、より多様な省エネルギーの知恵とノウハウを安価に集約するために採用した考え方。二つの側面を考えた。「内的アウトソーシング」と「外的アウトソーシング」。

前者は、FESCO組織内部において、当初からさまざまな雇用形態を許容してきた。これは、事業の立上げ時には、かなり成功したと思う。最初からプロパー社員だけというのは、ベンチャー企業には重過ぎる。問題は個人のモチベーションであるが、そこは社長のリーダーシップが求められるところ。

後者は、FESCO自体が顧客のアウトソーサーとして位置づけてもらうこと。理想は、エネルギー管理全般のアウトソーシング受託であったが、わが国の事業所における自前主義の壁は思ったより厚かった。

次回からは、上記3つの各戦略ごとに、もう少し深く分析してみたい。


友人・建築家のブログ紹介

2007-06-08 09:03:16 | コラム

大学時代で建築意匠研究室を共にした友人が、ブログを開始しました。たまたま、「私が始めたよ」ともらした言葉に、刺激を受けたそうです。

私のような浮気性ではなく、真面目に「建築設計」を追及してきた尊敬すべき方です。今後も、すばらしい建築作品を世の中に創り出してくれると期待しております。

ブログ名:Community-ThinkTank 

http://community-thinktank.blogspot.com


「ポスト京都」へのスタート

2007-06-08 08:34:03 | ニュース

G8サミットがドイツのハイリゲンダムで開催されている。主要テーマは、サミットでは珍しく「地球温暖化防止策」である。特に、2013年以降、京都議定書の約束期間終了後、世界が向かう方向性を決めること。

日本が主体的に提案している「温暖化ガスを2050年に半減」というビジョンが、主要国の合意を得た「削減目標」となりそうである。

後は、中国やインドなど、途上国ではあるものの、現状も今後も排出量の大きな大国がこの目標設定に合意できるかどうかであろう。

そうなれば、世界全体としての温暖化防止問題への大きな一歩となる。

日本も今回は一定のリーダーシップが発揮できたと思うが、今後、より具体的にいかなる行動をしていくか。

環境立国」は、日本の100年の計として、間違いのない方向であると私も信じている。そのために、今できる最大限のことは何か?国民全体での盛り上がりと知恵の集積が求められている。

文殊の知恵を紡ぐ」という発想である。

ちなみに「文殊」とは、知恵を司る菩薩とか。


連載企画:FESCO十年の歩みを振返って(2)

2007-06-03 07:09:36 | 連載・FESCO十年

1997年、創業の時はいかなる年だったか?

1997年は、12月に京都会議(COP3が開催され、京都議定書が締結された年である。

FESCOの創業は、その半年前の5月末。

それからの10年間は、京都議定書にとっても、FESCOにとっても、平坦なものではなかった。

米国の議定書離脱、イラク戦争の勃発とそれに起因したかのような原油価格の高騰等は、10年前にはまったく予想外の出来事である。

また、中国を筆頭としたBRICS諸国の急速な経済発展が、国際的なエネルギー業界や産業のあり方を一変した。

こうした大きなうねりの中、FESCOの事業環境も大きな影響を受けた。

創業の理念でもある具体的な事業によって、「環境と経済の両立する社会づくりに貢献したい」という私の志は、今や世界的な人類共通の目標となりつつある。

当初から省エネルギーや環境問題では、資源に乏しく、他国にほとんどの資源を依存している日本という国こそが、世界のリーダーシップを取るべきであり、取れる立場にあると主張してきたが、まさに今現実化・具体化するべき時に来ている。

一方、FESCO自体のミクロな事業環境は、大きな誤算を生んでいる。例えば、化石燃料の高騰がコージェネレーションという省エネの「エースで四番」と言われた手法を駆逐し、その結果、省エネ支援サービスの中核であり、収益基盤でもあった「オンサイト事業(自家発代行業)」を見直さざるをえなくなった。電力小売への挑戦も、かなり苦戦を迫られることになった。

ただし、総合的な見地から省エネサービスを提供できる業態になるという方向性は決して間違っていない。むしろ、そのサービスの中身を事業環境に合わせて俊敏に変化させていく必要があるのだろう。