生垣

七月になった。

毎日があっという間に過ぎていく。

年をとるにつれて　時間は早く過ぎると聞いたが
今これよりも
もっと時間は　早く過ぎるようになるのだろうか。



写真の石塔は
近所の農家の屋敷と畑の境目にある。

このブロック塀は　以前は生垣だったが
手間がかかるのでブロックにしたのだろう。

大きな農家なので　
若いお爺さんとお婆さん
（決して矛盾した言葉ではない）
のふたりでは　手入れが行き届いていなかった。

この石塔のそばには
似合いの大きな杉の木があったが
切り倒されて　サッパリとしてしまった。

石に刻まれた仏様の有り難味まで
薄れたような気がした。



生垣は　農家には　まだまだ残っている。

大きな農家ほど　手入れが行き届いているように思う。

早い家では　５月の連休ごろに
第一回目の　剪定がされる。

義さんちは　最近やっときれいになった。

どこの家でも　感心するほど　真っ直ぐに刈り込む。

刈り込む事で　暑い季節の涼風を　家の中に取り込む。



今　苗植えに忙しい農家でも
今月の末の
天王さま（疱瘡の神様）の祭り、祇園祭までには
苗植えを一段落させて
一斉に生垣の手入れをする。

山車を引くのに　邪魔になってはいけない。

手入れをしてなければ　お祭りの年番（実行委員）から
指導が入る。

そんな家は　
秋口の剪定も　生垣に施さないかもしれない。



お祭りまでに　あらかた　苗を植え、
生垣の手入れをし、
家の中・外を片付け、
家を出た子供たちが　それぞれの家族を連れてくるのを
楽しみにして待つ。

嫁さんは　大変かもしれないが
これが一年のリズム、
楽しみ、
大切な節目になる。

お囃子の練習もそろそろはじまるだろう。

雷と共に強い雨が降ってきた。