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天台宗勤行儀 その9 摩訶般若波羅蜜多心経(2)



是の故に、

空の中には、

色も無く、

受・想・行・識も無く、

眼・耳・鼻・舌・身・意も無く、

色・声・香・味・触・法も無し。



眼界も無く、

乃至、

意識界も無し。



無明も無く、

亦、無明の尽くることも無し。



乃至、

老・死も無く、

亦、老・死の尽くることも無し。



苦・集・滅・道も無く、

智も無く、

亦 得も無し。



得る所無きを以ての故に。






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『空』という悟りの境地から見れば、
世の中には 物質も無ければ 精神さえありません。

従って
眼・耳・鼻・舌・身体・心 といった器官も無く、

見る・聞く。嗅ぐ・味わう・触れる・感じる といった感覚もありません。



人が誰でも持っている 辛く苦しい煩悩も 実は虚構でしかなく、

生じたり 滅したりするものではありません。



苦の娑婆(この世の中)に生まれ、
病に罹り 年老いて 死ぬ、
そんな苦しみも 実際には無いのです。



この中の真理は何か、
どうすれば悟れるか
等ということに固執する必要はありません。

真理もなければ、それを知る智恵もなく、
したがって、それらを追い求める必要もありません。

すべて『空』なのですから。





今日は、ここまで!   


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天台宗勤行儀 その8 摩訶般若波羅蜜多心経(1)

摩訶般若波羅蜜多心経



観自在菩薩、深般若波羅蜜多を行ぜし時、

五蘊皆空なりと照見して、

一切の苦厄を度したまえり。



舎利子よ、

色は空に異ならず、

空は色に異ならず、

色は即ち是れ空、

空は即ち是れ色なり。



受・想・行・識も亦復 是の如し。



舎利子よ、

是の諸法は空相にして、

生ぜず、滅せず、垢れず、浄からず、増さず、減らず。






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摩訶般若波羅蜜多心経

(最上の智恵を知って 最高の幸せを得るために 最も大切な教えが説かれたお経)



観音さまが、完璧な智恵を体得するための修行をしてお悟りになったこととは、

「世の中のすべてのものごとには、
 何の実体も無く、ただ他の何かと比べて、或いは並べて、
 そこに虚構(虚像)を見、感じているに過ぎない」

ということです。



以下は、お釈迦様が、弟子たちの中で 最も聰明な舎利弗(舎利子)に向かって
お説きになられた説法です。



世の中のすべての物質と現象を『色』と言います。

この『色』には 形があるように思えるのですが、
実はそこには、実体が無いのです。

このことを『空』と言います。

でも物質が存在するという見方に対しての実体が無いという考え方ですから
『色』はそのまま『空』であり、
『空』はそのまま『色』であるということになります。

「色即是空・空即是色」です。

また、色ばかりでなく、
人の心の中の感覚、想い、意志、判断などの精神的な作用もやはり
『空』なのです。



すべてのものごとと、
それによって起こる人の心の動きは皆 『空』である
と知ることが
悟りの境地なのです。

ですから、
ものごとや人の心の作用は、
新しく生まれるということはなく、
無くなる(滅する)ということもなく、
汚いということもなく、
清らか(綺麗)だということもなく、
増えるということもなく、
減るということもないのです。





今日は、ここまで!








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天台宗勤行儀 その7  開経偈

  開教の偈

無上甚深微妙の法は、

百千万劫にも遭い遇うこと難し。

我れ 今 見聞し 受持することを得たり。

願わくは 如来の真実義を解したてまつらん。






  お経を唱えるに当たって(作者未詳)

これ以上ないほど高く・深く・広く・そして繊細 
且つ 大胆な真理を教えてくれる仏教に出会い、
そしてそれを知る機会を得るということは、

無限の時を生まれ変わりながら(輪廻を繰り返して)生きていても
なかなか適うものではありません。

でも、私は今、この時代のこの場所に生まれて、
仏教という教えを知り、学ぶための縁を得ました。

この縁を 特別な奇跡(チャンス)だと認識し、
この修行によって、仏さまのお説きになられた
真如・真理・真実というものを
完全に理解し、体得できることを
心から願うものです。






今日は、ここまで!


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天台宗勤行儀 その6  四句誓願

   四句の誓願

衆生は無辺なれども、誓って度せんことを願う。

煩悩は無辺なれども、誓って断ぜんことを願う。

法門は無尽なれども、誓って知らんことを願う。

仏道は無上なれども、誓って成ぜんことを願う。






   四つの誓い

この世界に生き物は無数にいるけれど、
そのすべての生き物の苦しみを無くし 安らかに生きられるように導いてあげることを誓います。

私たちの身心を乱し、悩ませ、正しい判断を妨げる心の動揺は計り知れないほどあるけれど、
そのすべての醜悪な欲望を断ち切ることを誓います。

真理の考えは 数限りなくあるけれど、
その7すべてを学び 体得することを誓います。

仏さまがお悟りになった智恵は 高尚で遠大なものですが、
一生懸命学び、真摯に日々生活し、必ず仏さまと同じ境地に至ることを誓います。






今日は、ここまで!


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天台宗勤行儀 その5  懺悔文

   懺悔の文

我れ 昔より造りし所の諸の悪業は、
皆 無始の貪・瞋・痴に由る、
身と口と意より生ずる所なり。
一切を 我れ 今 皆 懺悔したてまつる。






   心からの反省(普賢観経の偈)

私が過去に犯してきた数々の罪、
それに悲しみ・苦しみ・苛立ち・怒り・嫉妬・驕り・憎悪などの 醜い思いは、

すべて私の心の中に潜む 貪り・瞋り・愚かさが、

身体と言葉と感情に表れて 生まれてきたものです。

これらの罪悪のすべてを仏さまを前にして 一つ残らず隠さず報告し、
心から悔い改めます。






今日は、ここまで!


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天台宗勤行儀 その4   三礼

   三礼 

一心に、十方法界に常住する仏を 頂礼したてまつる。

一心に、十方法界に常住する法を 頂礼したてまつる。

一心に、十方法界に常住する僧を 頂礼したてまつる。






   三つの宝を敬い礼をする

すべての世界の すべての仏さまを尊敬して、
私の身と心の一切を お預けします。

すべての世界の すべての真理をまっすぐに見て、
正しい真理は何かを学び、その真理の世界に 身を委ねます。

すべての世界が 平和で活気にあふれ、
そこに住むすべての人々が 幸せで安らかに生きることを願っている人々を尊敬し、
その人々と共に人生を歩んで行きます。






※ 頂礼(ちょうらい)  心から礼を尽くすこと。

※ 十方(じっぽう)   東・西・南・北(四方)、東南・西南・東北・西北(四維(しい))=八方、上下

※ 法界(ほうかい)   時と共に変遷を繰り返す現象的歴史の世界にも、
             太古から変わらない真実がある。
             真理の世界のこと。

※ 常住(じょうじゅう) 目に見える存在は刻々と変化して行くが、
             真理そのものは永遠に不滅で変わることがないということ。





今日は、ここまで!


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天台宗勤行儀 その3

  摩訶般若波羅蜜多心経        まかはんにゃはらみったしんぎょう

観自在菩薩。行深般若波羅蜜多時。    かんじーざいぼーさつ。ぎょうじんはんにゃーはーらーみったーじー。

照見五蘊皆空。度一切苦厄。舎利子    しょうけんごーうんかいくう。どーいっさいくーやく。しゃーりーしー。

色不異空。空不異色。色即是空。空即   しきふーいーくう。くうふーいーしき。しきそくぜーくう。くうそく

是色。受想行識。亦復如是。舎利子。是  せーしき。じゅそうぎょうしき。やくぶーにょーぜー。しゃーりーしー。ぜー

諸法空相。不生不滅。不垢不浄。不増   しょーほうくうそう。ふーしょうふーめつ。ふーくーふーじょう。ふーぞう

不減。是故空中。無色無受想行識。無   ふーげん。ぜーこーくうちゅう。むーしきむーじゅそうぎょうしき。む

眼耳鼻舌身意。無色声香味触法。無    げんみーびーぜっしんにー。むーしきしょうこうみーそうくほう。むー

眼界。乃至無意識界。無無明。亦無無   げんかい。ないしーむーいーしきかい。むーむーみょう。やくむーむー

明尽。乃至無老死。亦無老死尽。無苦   みょうじん。ないしーむーろうしー。やくむーろうしじん。むーくー

集滅。道無智亦無得。以無所得故。菩   しゅうめつどう。むーちーやくむーとく。いーむーしょーとくこー。ぼー

提薩埵。依般若波羅蜜多故。心無罣    だいさった。えーはんにゃーはーらーみったーこー。しんむーけい

礙。無罣礙故。無有恐怖。遠離一切顛   げ。むーけいげーこー。むーうーくーふー。おんりーいっさいてん

倒夢想。究竟涅槃。三世諸仏。依般若波  どうむーそう。くーきょうねーはん。さんぜーしょーぶつ。えーはんにゃー

羅蜜多故。得阿耨多羅三藐三菩      はーらーみったーこー。とくあーのくたーらーさんみゃくさんぼー

提。故知般若波羅蜜多。是大神咒。是   だい。こーちーはんにゃーはーらーみったー。ぜーだいじんしゅ。ぜー

大明咒。是無上咒。是無等等咒。能除   だいみょうしゅ。ぜーむーじょうしゅ。ぜーむーとうどうしゅ。のーじょ

一切苦。真実不虚。故説般若波羅蜜    いっさいくー。しんじつふーこー。こーせつはんやーはーらーみっ

多咒。即説咒曰。掲諦掲諦。波羅掲諦。  た-しゅ-。そくせつしゅ-わつ。ぎゃ-ていぎゃ-てい。は-ら-ぎゃ-てい。

波羅僧掲諦。菩提薩婆訶。般若心経。   はらそうぎゃーてい。ぼーじーそわかー。はんにゃしんぎょう。



  回向文               えこうもん

願以此功徳 普及於一切          がんにしくどく ふぎゅうおいっさい

我等与衆生 皆共成仏道          がとうよしゅじょう かいぐじょうぶつどう






今日は、ここまで!


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天台宗勤行儀 その2

  三礼          さんらい

一心頂礼十方法界常住仏   いっしんちょうらいじっぽうほうかいじょうじゅうぶつ

一心頂礼十方法界常住法   いっしんちょうらいじっぽうほうかいじょうじゅうほう

一心頂礼十方法界常住僧   いっしんちょうらいじっぽうほうかいじょうじゅうそう



  懺悔文         さんげもん

我昔所造諸悪業       がしゃくしょぞうしょあくごう

皆由無始貪瞋癡       かいゆうむしとんじんち

従身口意之所生       じゅうしんくいししょしょう

一切我今皆懺悔       いっさいがこんかいさんげ



  四弘誓願        しぐせいがん

衆生無辺誓願度       しゅじょうむへんせいがんど 

煩悩無量誓願断       ぼんのうむりょうせいがんだん  

法門無尽誓願学       ほうもんじんせいがんがく 

無上仏道誓願成       むじょうぶつどうせいがんじょう  



  開経偈         かいきょうげ

無上甚深微妙法       むじょうじんじんみみょうほう

百千万劫難遭遇       ひゃくせんまんごうなんそうぐう

我今見聞得受持       がこんけんもんとくじゅじ

願解如来真実義       がんげにょらいしんじつぎ






今日は、ここまで!


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お葬式とご法事 資料

葬儀セミナー お葬式とご法事(年忌供養)



A.人はなぜお葬式をするのだろう?

 1.生まれる事と死ぬ事を発見 → 哀惜の念・死の恐怖 
                → 死後の世界・神や悪魔や霊魂etc.
 
 2.愛情と恐怖

 3.ネアンデルタール人・天若日子



B.お葬式の文字の深~い意味

 1.葬 ~ 遺体の処理方法、離れて置く ⇒ 葬式、葬儀、葬祭etc.

 2.弔 ~ 供養の方法、共にある ⇒ 弔問、弔辞、弔電etc.

 3.寿命 ~ 命をことほぐ、死者との会話

 * 喪・柩・冥・甕・奠・樒・涙・泣etc.



C.臨終 ~ 葬儀

 1.枕経・通夜・告別式・荼毘・葬列(穴回り)・納骨(仏教的墓の意味)
  ・墓直し・忌中払い(道場払い)・清宴

 2.棺道具 ~ 本位牌と野位牌、紙位牌、卒塔婆(七本塔婆、六角塔婆、十三佛塔婆)、
   墓標、四華、松明、膳、奠湯 奠茶、四十九餅と枕団子、杖、起龕 鎖龕(釘打・石)、
   血脈、剃刀(守り刀)、袈裟(棺掛け)、祭壇(喪屋と花祭壇)、
   高張提灯、四龍旗、六地蔵、生花と常花、遺物etc.

 3.戒名 ~ 院号・道号・戒名・位号 = 法号・法名(㊟ 宗派の違い多し)

4.お布施 ~ 三輪清浄(三輪空寂)の布施・・・施者と受者と施物の三つが清らかで、
        執着しない。
        坊主丸儲けとサラリーマン坊主

5.菩提寺 ~ 檀家と菩提寺と宗教・宗派  信教の自由とご縁



D.初七日 ~ 四十九日忌

 1.三途の川、針の山、・・・だから忌中払い

 参考 ~ 明治7年太政官布告第180号「服忌令」



E.百箇日忌 ~ 三十三回忌

 1.追善供養

 2.数の7と名の7



F.三十七回忌

 1.報恩供養

 2.人から神へ ~ 虚空蔵菩薩に導かれて

 参考 ~ 荒御霊・和御霊・歳神様



G.人にとってお葬式って何だろう?

 1・遺体の処理(物理的)

 2.霊魂の処理(宗教的)

 3.死を認識し、哀惜(愛情)と恐怖(不安)を整理し自己にけじめをつける(心理的)

 4.死の確認と通知(社会的)

 5.死から生を再確認(道徳的・教育的)

 6.儀礼を通して先祖の思いや願いを知り、
   故人と自分を取り巻く人々との交流から、
   事故を再発見し、感謝の念を持つ(文化的・宗教的・道徳的・教育的)





          ※ 優しさの表現

          ※ 心理としての宗教との出会い

          ※ 自己確認と成長への契機

          ※ 文化の継承




ご提案 ・無意味とか不要という前に、そのものごとの意味を知ってください

    ・エンディングノートは あった方がよいでしょう






今日は、ここまで!


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お葬式とご法事 その12

④ 葬儀社に 絶対 言っちゃいけない二つの事を
 葬儀屋さんに内緒で教えます。

  ひとつ「おまかせします」、
  ひとつ「皆さん並みにお願いします」。

  ゆっくり考えていいから、いろんな事を 
 主体性を持って 決めて下さい。


⑤ 菩提寺には隠さず何でも相談する。

  言いたい事は ハッキリ言う。

  ダメなものはダメだって言うから、安心して相談して下さい。






だいぶ時間が超過してしまったようです。

皆さん、本日は 長々と私どもの拙いお話にお付き合いいただいて
ありがとうございました。

それから、本日 このようなご縁をいただきました、
JA葬祭アグリホールかごはらスタッフの皆さん
ありがとうございました。

大変 光栄に思います。






一期一会という言葉があります。

一度きりになるかもしれない出会いを大切にしましょう
という事ですが、
そうではなくて、
また何時か何処かで、元氣に皆さんとお会いしましょう。

どこかでお会いしたら お互い声を掛け合いましょう。

「元気ですかー、元気ですよー」って。

それまでお元気で。



皆さんが いつまでもお幸せでありますように。

今日は 本当にありがとうございました。






今日は、ここまで!

あと、資料編が続きます


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