M子さんが先日北の家族を購入してくださった
ひさびさのお嫁入
再度北の家族を紹介させていただきます。
北の家族は
4x6版 2段組の 415ページ
の長編・・・・・道新の文学賞の候補にも
なったが
長いとかの理由で落選した。
あとがきより より
これは北海道の冬が生み出した物語である。
20歳の時、私は北海道の現在の伊達市を出て
以来40年東京で暮らした。
中略
そんな冬が東京で暮らしてみると一番多く、心に
思い出された。心に思い出されるだけでなく、何を
やっていても、どんな人間と接していても、そこで自分
が執る行動や思考の底には、北海道の冬が潜んで
いることに気付いた。
いつかそのことを見詰めた小説を書いてみたいと思い
始めた。30歳代に最初の稿を起こしたのだが、直ぐに
自分が一番やっかいなところから始めてしまったことに
気付いた。
略
育った土地の自然風土が、どれほど人の心に関ってくる
ものなのか、40年の東京生活はことあるごとに、私に教
えてくれた。
少年の頃暮らした北海道の四季、とりわけその冬を通し
て感じたものを完全に忘れてしまわないうちに書き残して
おきたいと願い続けて、何とか終りまで書くことができた。
略
冬は私に考えることを求め、雪は私に想うことを教える。
私の頭は夏には働かず、木の葉が落ち、木枯らしが吹き
始めると眼を醒まし、雪が降り出すと沈潜する。
略