心の旅紀行

人生は神と自我の二人三脚 kiko

中国は戦争による台湾統一の方針を捨てていない

2023年07月12日 | 世界

シーチンピン中国主席は従来の改革開放を捨て、独裁主義を固めるかと思ったが、近年の経済低迷に不安を強く感じたのか、世界2位の経済大国意識を強めたのか、貿易や投資などの分野で外国との協力に力を入れるためさらなる開放を呼びかけています。彼は、最近、新たな発展のパターンを構築し、構造的開放を促す上で、投資や貿易、金融革新といった主要な分野での外国との交流や協力に焦点を当てる必要があると述べています。

しかし、これで中国は戦争による台湾統合を棚上げにしたと思うのは誤りと思います。

アメリカ・ヨーロッパを圧倒する世界的経済交流基盤を拡大、盤石にし、中国が戦争による台湾統一に動いても、新興国や開発途上国は中国を批判非難しない、先進国も中国との経済交流が減ると国が成り立たない状態になることを恐れ、中国を批判・非難できないようにする戦略と思います。人民元高ですが、驚くような安価で現在も中国の製品を日本で買えます。日本も経済交流で中国に縛る戦略です。

ロシアのウクライナ戦争に対する新興国・開発途上国の動き、日本の動きは、法重視ではなく、自国経済優先で優柔不断です。アメリカ・ヨーロッパは、苦悩しながら、ロシアに正義なしとし、NATO再強化に努め、武器弾薬によるウクライナ支援を段階的に強め、ロシアに対しては経済制裁を強化しています。しかしこれはNATO加盟国の衰退の原因にもなります。

過去、アメリカ・ヨーロッパは、アフリカ、アジア、中央・南アメリカに対し帝国主義的に威張りすぎ、感情的に嫌われる状態に陥り、今は中国の拡大戦略に負けています。アメリカ・ヨーロッパは守勢です。NATOプラスなどで対抗力を上げたいと思っていますが、中国の生産力による世界制覇(一帯一路)は着々と進められています。

NATO加盟国は軍事力強化に注力していますが、経済力強化はちょっと手薄になっている感じがします。経済世界一のアメリカが控えており、国内生産復活に向け、補助金制度の拡充をやっているようですが、軍事力競争・武器弾薬生産にお金を回さざるをえない状況に陥っており、苦しい状態と思います。20年に及ぶアフガニスタン戦争、イラク戦争に疲れ、シリア内紛でも介入はうまく行かず、世界指導力を喪失し、アメリカ人は今は内向きです。

民主主義が独裁主義に負けるという局面で底力が再び出てくるかもしれないと思いますが、予測はむずかしい情況です。

なお、中国は問題ないかというと、実は内部に大きな課題をかかえていると思います。ロシアのウクライナ戦争を批判非難できない事情、世界秩序を重んじると言いながら重んじない矛盾、無理な生産重視、国民の自由・人権の抑制、いい子ぶって実は悪い子など不安要素がいっぱいと思います。

日本は総保守でアメリカ依存が続いています。自立できていません。太平洋敗戦の負の精神を捨てることができず、自主の精神が弱いと思います。生産立国ではなく、海外生産重視、金融立国になっていますが、多くの人が国内で生きがいのある仕事を見出せず、低労働対価に苦しんでいます。貧困化を防ぐには国内生産の立て直しが必要と思います。

GDP比2%の防衛予算は戦争する国のすることです。戦争しない日本がやることではありません。迷いの政治は日本衰亡の原因になります。平和主義に徹するのが日本の歩むべき道と思います。外国に無害な、環境と技術と生産を愛する、軍事では何も外国から期待されない島国であってほしいと思います。

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