日本では食用養殖淡水魚は、料亭、居酒屋、一部のレストラン、調理品の通販に出回っている程度で、スーパーで普通に売られている食料品になっていません。生産量が少ないからだと思います。
生産量が少ない原因は、大量死の原因になる病気の発生を防ぐ技術が未発達だからと思われます。消費者側から見れば生産は安定供給が非常に重要です。淡水魚の供給がとまった結果、流通業者、加工業者が仕事がなくなるとか、消費者が代替を見つけることができないなどの問題が発生してはいけません。
歴史のある鳥の飼育でもインフルの流行で、大量死がおこり、卵の値段が高騰しています。飼育業者は、共済制度や行政の支援で、なんとか事業立て直しを図っていると思います。
流通業者も卵探しで苦労していると思います。消費者は卵の消費に慣れているので困っています。
この鳥に比較すると淡水魚養殖ははるかにむずかしいようです。業界が小さく、被害はもろに養殖業者に来ます。大量生産に打って出る勇気が湧きません。
最新の科学技術の応用をコスト高の原因と見て、自然の恵みに依存する古典的養殖技術が本当に経済的か疑問です。病気が発生しない間は経済的ですが、いったん発生して被害を受けると、事業継続が不可能な状態に陥ります。自然の恵みを利用する場合、病気の発生を心配しないで済むかというとそんなことはありません。自然の恵みを利用しているだけに病気を防ぐため苦労していると思います。予想外に生産コストを上げる原因になっているのではないでしょうか。そこまで苦労しているのに病気発生ではたまりません。
思い切って自然環境をやめ、人工環境に代え、病気発生の原因を絶つ方が、初期設備投資は大きいが、維持管理コストは下がり、病気防止の苦労が減り、大量安定生産が可能になるのではないでしょうか。
日本で発酵食品が発達しているのは発酵菌を完全に人工環境で管理しているからだと思います。品質が安定した発酵食品を安定して大量にスーパーなどに出すことができています。発酵菌を淡水魚にする技術を開発すればいい訳です。
組織培養というバイオテクノロジーを使っていきなり蛋白組織を工場生産する前に魚の形を持った淡水魚を工場生産する技術を開発することは意味があると思います。
なお、日本の淡水魚関係の国や県の水産試験場は自然の恵みを利用した養殖技術の域を出ていないと思います。新技術に挑戦する研究者がいないと思います。プラントメーカーの方が新技術に挑戦しやすい立場にあるのではないでしょうか。
中国ティエンシャン(天山)山脈から流れ下ってきた10℃以下の冷水を利用して種々の淡水魚などの大量養殖に成功し、数千トンのオーダーで市場に流すことができているとのニュースが流れましたが、自然の恵みを利用した養殖です。10℃以下に水温が安定しており、病気の発生の心配が少ないようです。現在は日本でも淡水魚の養殖は寒冷地の方が有利だと思います。冒頭に述べたように大量生産はまだできていません。
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