退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

울지 말고 꽃을 보라

2014-10-20 06:37:47 | 韓で遊ぶ

その青年が背負ってきた箱
戦争が終わった後、人々は貧しかった。皆、同じように貧しさこの上なかった。戦争に行って生きて帰ってきただけでも幸せなことだった。鴨緑江まで進撃したが、ヘルメットに鴨緑江の水を一度も汲んで飲むこともなく、中国軍に追われてきた時には死んだようなものだった。
しかし、戦争が終わった後も愛はあった。彼はある女子大生と愛し合う仲になって結婚を約束した。彼は自分の貧しさを考えたが女子大生はその貧しささえも愛していると言った。
彼女が大学を卒業して2年が過ぎた。彼は結婚するために彼女の家に行った。
彼女の両親が彼に聞いた。
「君の仕事は何だ。」
「まだ、はっきりと仕事だと言えるほどのものはありません。」
「仕事もなくて、他人の家の大事な娘を連れて行くというのか。」
「今、司法試験の勉強をしています。」
「今まで何回試験を受けたのだ。」
「3回受けて3回落ちました。」
「ならば、いつ合格できるのだ。」
「それは私もわかりません。ただ、一生懸命努力しているだけです。」
「もう一度言って見ろ。いつ合格できるんだ。」
「それは、はっきりと言えません。」
彼女の両親は口をつぐんだ。顔に気に入らないという表情がありありとしていた。
「君の両親は何をしている。」
「戦争で二人共に亡くなりました。」
「ほほ、それは気の毒だ。だが、私は君に家の娘はやれない。」
彼女の父はこれ以上聞く必要もないという風に断固として断った。
「あまり悲しく思わないで。」
彼女の母親が本当に気の毒だと言うようにやさしく付け加えた。

彼は失望したがあきらめなかった。毎日のように彼女の両親を訪ねて行った。至誠、天に通じると言うが、とうとう許すという言葉をもらって結婚式の日取りが決まった。
しかし、新婦の家に結納の箱を持っていかなければならない日が近づいてくると、彼はまた悩んだ。やっと許しを得て結婚することになったが、箱の中に入れる品を買うお金がなかった。最低でも青と赤のチマチョゴリ用の布地を入れなければならないと思ったがそんな身の上ではなかった。
悩んでいる間に箱を持って行かなければならない日が近づいてきた。彼は大きな旅行かばんを隣の家から借りて、そのかばんだけを持って一人で新婦の家に行った。
「箱を持ってきました。箱です。」
彼は新婦の家の門をゆすって大きな声で堂々と叫んだ。新婦の家では新郎の友達が何人か来ると思っていたが、新郎が直接箱を担いでくるとびっくり驚いたようだった。
彼は箱を床に下ろした。新婦の母親と親戚がそのかばんを開けた。かばんの中には何もなかった。
「あれ、この人、どういうことだ。空じゃないか。」
「はい、そうです。」
「君は私たちを馬鹿にしているのか。いったいこんなやり方がどこにある。」
「そんなことではありません。義父さん。たとえこの箱が何も入っていないように見えても、その中には新婦を愛する私の心がいっぱいに入っています。」
「ほほ、こいつ、話だけは上手いな。」
「私はいつまでもこの箱の中に愛をいっぱいに満たすつもりです。」
「ほほ、おまえ、その言葉を一生忘れるな。」
コメント
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