退屈しないように シニアの暮らし

ブログ巡り、パン作り、テニス、犬と遊ぶ、韓国、温泉、俳句、麻雀、木工、家庭菜園、散歩、卓球
さて何をしようか

泣かないで、花を見なさい

2014-10-21 06:01:22 | 韓で遊ぶ

熱情
立春と雨水が過ぎた日、わが国に生きる木達の霊魂が集まって会議を開いた。
「もうすぐ春が来る。私たちの体の中で流れる水が、以前とは違って非常に温かくなってきました。冷たかった土も次第に温かくなっています。まさしく、私たちは再び万物が蘇生する春を迎えたのです。ですが、この春を迎えながら私たちはひとつの問題に直面しています。この問題が何かと言うと、、、、」
木の中で一番年をとっているケヤキの霊魂がくるりと取り囲んだ木達の霊魂を見て先に口を開いた。
「それが何かと言うと、去年も深刻にあがっっていた問題だが、、、」
ケヤキの霊魂が威厳を保つためにスーッとひげを撫でた後、話を続けた。
「毎年、葉も出る前に花から先に咲く木が及ぼす迷惑が深刻であるということです。春はそのものたちにだけ来るものではありません。人々に春を知らせることもまた、そのものたちだけではありません。ですが人々はレンギョウ、つつじ、クロフネツツジ、木蓮という花だけを見て春が来たことをまず知ります。このような事実は、私たち花の社会で公平ではなく真実ではないという指摘がずっと続いてきました。この地に春が来るということは、いくつかの特別な花の名声のためではありません。だから今年からはその花たちも葉よりも花が先に咲かせてはだめだと言うことを議決することになりました。よって、まず、レンギョウに聞きます。レンギョウはこの春が来たら葉よりも先に花を咲かせてはだめです。この約束を守ることができますか。」
「はい。」
レンギョウは花の咲く木たちの一方的な議決に不満がいっぱいだった。だが、仕方なくそうすると言った。
「木蓮はどうですか。この約束を守れますか。」
「はい。」
木蓮も仕方なく乾いた木の枝を揺らして約束を守ると言った。
ツツジもクロフネツツジもそうすると言うしかなかった。

とうとう春が来た。レンギョウとツツジと白木蓮とクロフネツツジはとても悩んだ。今までただの一度も花より葉が先に出たことがなかった彼らにとっては燃える熱い胸を抑えるのが苦しかった。しかし花の社会で議決された事項もまた守らなければならないというのが彼らの立場だった。
悩んでいる間に雨が降った。3日続けて春の雨が降った。レンギョウとツツジと白木蓮とクロフネツツジの体は、つぼみを開かないではいられないぐらい春の雨でいっぱいに満たされた。だから彼らは今年もただ葉よりも花が先に咲く熱情に浮かれてしまった。春雨がやんだ後、枝ばかりの木に葉よりも先に美しい花が咲き始めた。
「あら、春だわ。あのレンギョウ咲いたの見てみて。あら、いつあんなに木蓮が咲いたの。」
人々は感嘆を重ねながらやっと春を感じ始めた。そして一人の若い女性がその前を通りながらこう言った。
「あ、私も葉よりも先に花が咲く、そんな花のように熱情的な人生を生きたいわ。」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする