ホソユビヤモリの一種(Cyrtodactylus sp.) Bent-toed Gecko
最終日前夜、行くところは端から決まっていた。そう、ラヤ山だ。
いつものように沢をチェックしていくと、前回と同じ場所にまたトッケイが出ていた。お気に入りの餌場のようである。
トッケイのすぐ近くに、今度はホソユビヤモリが姿を現した。
ずいぶんとメリハリのあるバンドだが、まだ若いのだろうか。
思うところ、マレーホソユビヤモリ(C. pulchellus)あたりが妥当かと。こんなの載っていない、薄っぺらいハンドブック図鑑の役に立たなさを思い知った。
指下板がないのに垂直な壁に張り付いていたホソユビヤモリは、私達の存在に気付くと驚いてかそれとも意図的な回避行動か、沢水に落下した。そして、泳いで辿り着いた先がこの写真にあるコケの上だったというのが事の顛末。いかにもコケに乗せて撮りました的な写真だけれど、これがなんとも偶発的な事象によるものなのである。
頭だけを見ると、生まれたてのドラゴンか小型肉食恐竜のようにも見える。
しましま。
これは別の日に撮影した個体。上3枚(同一個体)との模様の個体差を見て欲しい。
沢の中には小さな滝があり、そのまた小さな滝壺には、アユモドキの体高を少し下げたようなドジョウの仲間(Protomyzon sp.)が密かに棲んでいた。こんなに閉ざされた環境でよく個体群が絶えないな、と関心。イワナみたいに雨で沢が増水した時にでも寄り集まるのだろうか。
【2010/08/07/マレーシア Langkawi,Malaysia】