




あらすじは、書くと長くなりそうなので、リンク先でご覧願います。
代々受け継がれた(と思われている)呪いに翻弄されるベネデッティ家の人々の長い長い物語。愛するヴァルタンは、フランス兵と、イタリア人大学生の2役を演じており、流暢なフランス語とイタリア語を拝聴(!)できます。
タヴィアーニ兄弟監督作品。
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ベネデッテイとは、祝福されたという意味なのですね。ベネデッテイと聞いて思い浮かんじゃったのは、ミケランジェリなんですが、彼の出身地はトスカーナではないですよねぇ。ま、本作とゼンゼン関係なくて当たり前なんですけれども。ミケランジェリもある意味、ちょっと呪われた人かも、、、と思っちゃうくらいドタキャン魔の変人だったし(でも、私は、彼のライヴをドタキャンではなく、チェリビダッケの急病で聴き逃したのでした、、、いまだに残念。その後チェリーは間もなく亡くなりましたし)、レジスタンスで闘っていた過去もあったし、ちょっと通じるものはあるかも。
それはともかく。
本作のお目当ては、もちろん、ヴァルタンです。彼がヨーロッパで俳優やっていた頃の作品ですので、若い! 美しい! 見て良かった。フランス育ちだからフランス語が流暢なのは分かりますが、イタリア語もネイティブみたいに聞こえます。英語しゃべってるとこしか見たことなかったんで、何だか新鮮でした。やはり、彼はヨーロッパの方が雰囲気は合っているような、、、。
タヴィアーニ兄弟監督作なので、ちょっと期待したんだけど、内容的にはかなりイマイチでした~~。雰囲気は良いんですけどね。
そもそも、ベネデッティ家の呪いの根源となった最初の伝説(フランス軍将校のジャンとエリザベッタの恋物語&軍用金盗難被害によるジャンの銃殺)がですね、なんだかな~、なんですよ。ジャンとエリザベッタの恋が始まるのが、ものすごく唐突感バリバリで、「は? なにそれ(ポカ~ン)……」でして。でもって、ジャンをヴァルタンが演じており、なるほど、伝説の美しいフランス軍将校というのは分かります。が、エリザベッタは、、、演じているのはガラテア・ランツィという女優さんですが、どうもこう、、、老けて見えるというか、一目で恋に落ちるにはちょっとテンションが上がらない感じで、、、。う~ん、ヴァルタンの相手にしては地味過ぎる。
しかも、ジャンがアホ過ぎで、銃殺されてもまったく同情できない! 軍用金の取扱責任者なのに、軍用金を乗せたロバをその辺につないだまま、エリザベッタとどっかの草むらでよろしくやっている、、、。そら盗まれるだろ。しかし、これでエリザベッタは妊娠して、ベネデッティ家の呪われた歴史が始まる訳です。
ガラテア・ランツィは2番目の伝説にも2役ということで出てきて、正直、見ていてちょっと混乱してしまった。兄役も2役で、1番目のエピソードと同じ俳優さん(これまたクドい顔で、正直苦手、、、。マジな話、ちょっと正視できなかった)で、1番目の伝説との間に100年くらいの間隔が開いているってのを理解するのに時間を要しました。
2番目の伝説も身分違いの恋。またかよ、、、って感じで、この話はかなり退屈でした。毒キノコで兄を毒殺する場面もなんか中途半端。
で、3番目の伝説、というか、ここからは伝説じゃないんだけど、ヴァルタンがまたまた登場。ヴァルタン演じるマッシモは、かなりのヘタレです。苦労知らずでええとこのぼん、という感じ。キアラ・ガゼッリ演じるレジスタンス女とのラブシーンは、キアラが美少女なんでなかなか画になっていました。大胆なヌードも見せています(キアラが)。ヴァルタンはチェロなど弾いて、それがいかにも嘘くさくない弾き方で、やるなぁ~、と嬉しくなったり。
そして、現代。マッシモとキアラの子ルイジの2人の子、兄と妹。この2人が、ベネデッティ家の呪い、、、というか、恐らく、老いたマッシモの独白を聴いて涙した妹には、ベネデッティ家の祝福が、笑っていた兄は帰りの車の中でこっそり金貨を1枚握りしめてさえいることからベネデッティ家の呪いが受け継がれる、、、というような意味かな、と思いました。ま、ゼンゼン違うかもですが。
とにかく、ストーリーのスケールはものすごく大きいのだけれど、一つ一つの伝説というかエピソードに魅力が薄く、描写も散漫な感じがして、おまけに説明不足な点も結構あるので、見ていて睡魔に襲われること必至。
タヴィアーニ監督というと、イタリアの土着性とかよく言われますが、私がみたタヴィアーニ作品は、『太陽は夜も輝く』にはそれはほとんど感じられなかったし、『塀の中のジュリアス・シーザー』はまた全然毛色の違う作品だったし、本作はそれらに比べればなるほどイタリア臭のするものですが、、、土着性とまでいわれるとちょっと違うかな、という感じでしょうか。
やはりタヴィアーニ監督作品のエッセンスは『父/パードレ・パドローネ』『サン★ロレンツォの夜』にあるのでしょう。これらを見ないと、彼らの作品についてとやかくいうことは出来ないんだろうな、と、本作は思わせる作品でした。
でもまあ、若くて眩しい美しさのヴァルタンを拝めたので良しとします。
ヴァルタンはヨーロッパで活躍していた方が良かったんじゃないかなぁ。
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