作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv35597/
以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。
=====ここから。
山中で車のトラブルに見舞われ、孤独な初老の男バルテルが営むペンションに立ち寄った巡業歌手のマルク。親しげに接してくるバルテルは次第に異様な言動を見せるようになり、マルクは監禁されてしまう。
=====ここまで。
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以前から気になっていた本作だけど、ちょっと手を出しづらく(だってタイトルが、、、)。でも、同じ監督の映画で昨年公開された「依存魔」が面白いとの感想がTwitterでいっぱい流れて来て劇場に行きたかったのだけど、なかなか都合がつかぬまま終映。
で、「依存魔」だけでなく、「変態村」「地獄愛」と併せて、“ベルギーの闇3部作”と言われているのだと知り、やっぱり制作年順に見た方が良さそうじゃない?と思い、いざ、DVDをレンタル。
というわけで、まずは第一弾の「変態村」から。
◆変態というよりは、、、
これは、変態村というよりは「狂人村」とかの方が内容的には合っていると思う。バルテルは、イッちゃってるおっさんだし、ここの村の人たち(なぜか男しかいないんだ、これが)も漏れなくヤバい。変態というと、嗜好の問題という感じだが、バルテルにしろ村人にしろ、頭のネジが外れている系。
とはいえ、そんな村人たちの中でも、バルテルのヤバさは頭一つリードしており、そんな男の営む宿に宿泊してしまったのが運の尽き。マルクが途中で逃げ出すチャンスは、、、まぁ、なかっただろうなぁ。道に迷い&車の故障、ってのは、こういうホラー(と言って良いのか)では定番だけど、その後の受難の酷さはなかなかのレベルだった。殺人鬼みたいなのも怖いけど、こういう監禁&性暴力もおぞましい。古くは、「コレクター」とかがあるけど、本作はそれともちょっと路線が違うような。
途中、村人たちが豚と交わっている(しかも集団で)シーンとか、居酒屋みたいな店で一斉にダンスを始めるシーンとか、、、ヘンなシーンがいっぱい。特にダンスのシーンは、あまりにも異様で可笑しく、声を上げて笑ってしまった。
どこまで行ってもマルクは救われず、ラストも何とも言えない異様な終わり方。あれは、一応マルクにとっては救いのある終わり方なのか? 自分を追いかけて来たおっさんは底なし沼に沈んで行ったけど、ふと見上げれば十字架に干乾びた人間の死骸が、、、。あれは、マルクの前の犠牲者だったのでは、、、。
……というか、バルテルは、妻グロリアに逃げられた、と言っていて、マルクをグロリアだと思い込んでいる、、、という描写なんだが、それが終盤になると村人たちもマルクをグロリアだと思っていて、ラストで底なし沼に沈んでいくおっさんは、マルクに「なぜ戻って来た? オレのことを愛していたか?」とか言うんだよね。しかも、その前には、マルクは村人たちに輪姦されるシーンまである。
つまり、グロリア(が実在していたのかどうかも謎だが)は、村人の共有だったのか? では、あの豚と交わっていたシーンは、もしや、、、??とか、良からぬ妄想をしてウゲゲ、、、となったり。
まあ、あんまし突き詰めて考える必要のない映画なんだが、考えちゃいました。
◆邦題がナイス。
本作は、何と言ってもその邦題のインパクトがなかなか良いと思う。原題は「Calvaire」で、ゴルゴタの丘。そこから派生して受難とか苦難という意味もあるらしい。
これ、そんな邦題つけていたら、絶対誰の目にも止まらなかったと思うのだが、敢えて「変態村」という、かなりタブーに近い邦題を付けたのが奏功したと言えるかも。どんなん??と思うじゃない、とりあえず。内容に忠実に「狂人村」とかにしていたら、やっぱしインパクトとしては弱くなっていただろうなぁ。なんかC級下らん映画、って感じしかしないもんね。
こんなタイトル、一昔前だったら、例えば窓口で「「変態村」1枚ください」とか言うのって、まあ、結構心理的ハードル高いけど、今ならネットでチケット買えるし。DVDも、カウンターに持って行くのは憚られるけど、ネット宅配レンタルならノー・プロブレムだし。
監督のインタビューを特典映像で見たけど、この人、かなり面白い。もう、ヤバい系の映画大好き!!っていう愛が溢れていて、ちょっと笑ってしまった。けど、好感持ちましたよ。やっぱし、これくらいの思い入れがないと、面白い映画なんて撮れないだろうから。
前述の、居酒屋のダンスシーンは、ネット情報によれば「イヴ・モンタンの深夜列車」のオマージュだとか!!! 「イヴ・モンタンの深夜列車」未見だけど、絶対あんなヘンなシーンじゃないと思うなぁ。
……というわけで、第二弾の「地獄愛」へと続きます。
グロリアは果たして実在したのか、、、