◆9月28日 金川真弓&久末航 @世田谷区民会館
6月に日帰り強行軍で大阪まで金川さんのチャイコを聴きに行って、もう半年経つなんて、、、はやっ! このリサイタルも、3か月も前のこと、、、うぅ、サボっていて遅くなってしまった。
4月の読響バルトークを一緒に聴きに行った友人も、すっかり金川さんのファンになってくれて、このリサイタルも是非行きたい!と自らチケットをとってくれました。ので、席は離れておりましたが一緒に行きました。
【プログラム】
W.A.モーツァルト:ヴァイオリンソナタ第18番 ト長調 K.301
N.パガニーニ:「24のカプリース」から第1番、第10番、第24番
M.ラヴェル:ツィガーヌ
オリヴィエ・メシアン:主題と変奏
C.サン=サーンス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調
金川さんはいつもながらの堂々とした弾きっぷりに、一音一音に説得力のある素晴らしい演奏だったのだが、この日の白眉は、そらもう、、、なんつってもツィガーヌだった。もう、鼻血出そうだった、、、。
ツィガーヌは多くのヴァイオリニストが演奏しているので何人かライブでもCDでも聴いている。さすがラヴェル、ロマの音楽を感じる面白い曲だけど、何というか、あんまし聴いて感動するという曲でもなかったのだよね。でも、この日聴いた金川さんのツィガーヌは、もう、、、何だろう、完全に心を持って行かれてしまった感じ。感動するとかいう安っぽい単語で表したくない(けど、ボキャ貧で適切な表現が浮かばない)。とにかく、終わった瞬間に、マジで鼻血出るんじゃないかと感じたほどにのぼせてしまった。うわぁ、、、、、、、、ぁぁぁ、、、だった。
あと、サン=サーンスも凄かった。特に3楽章~4楽章。金川さんの演奏は言うまでもないが、今回初めて聴いた久末氏のピアノが素晴らしかった。音がクリアで美しい。4楽章のアレグロ、あのテンポでズレないってのが奇跡的だと思ってしまうが、まあ、それがプロなんだよなぁ、、、。
アンコールは、リリー・ブーランジェのノクターン、サン=サーンスの白鳥の2曲。何かもう、、、夢のような時間でございました。
一緒に行った友人は「金川さんてさぁ、、、人生何周目??ってくらい、何か音楽が深いよね」と終わってからため息交じりに言っていて、そうそう、それホントそう、、、と思ったのだった。
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この日は、リサイタルが15時からだったので、普段はほとんどそっち方面に行く機会のない駒場の日本近代文学館で開催されていた「編集者かく戦へり」という企画展を、お昼前に見に行った。
いやホントに、こっち方面に来ることってゼンゼンないので、京王線の新宿より西方向に乗ったのも何十年振り??ってくらい。井の頭線の駒場東大前駅で降り、閑静な住宅街を歩いて10分ほど。重要文化財(旧前田家本邸)の建つ鬱蒼とした林の中へ分け入り、、、
茂みを抜けた先に、目指す建物があった。
アプローチはいささか味気ない、、、
この階段を上がったところが入口で、あまり人気のない受付でハガキ入りの封筒を入館チケット代わりにいただき、さらに階段を上がって展示室へ。
左:ハガキ入りの封筒/右:チラシ裏面
……まあ、編集者の端くれとして、小説家と編集者の手紙のやり取りというのを一度見てみたい、小説家の直筆の手紙を見てみたい、という好奇心で行ったのだけど、思ったよりはマトモな文面(一応、挨拶とか普通に書いてあった)に、むしろ意外だった。もっと、編集者を詰ったり泣き落としにかかったり、、、なーんてのもあるのかしらん、という覗き趣味は見事に裏切られたのであった、、、ごーん。
宮尾登美子のお断りの手紙(何のお断りだったか忘れた、、、)とかも、内容は単刀直入でありながら文面は婉曲という、宮尾小説まんまなお手紙だった。
驚いたのは、吉村昭の字! あの緻密かつ骨太なノンフィクション小説を書いた人とは思えないチマチマした小さな文字。えーーーっ、と心の中の声が、、、。
あと、手紙の差出先で、あの坂本龍一の父親、坂本一亀宛が複数の作家のものとして展示されていた。さすが名物編集者。
中上健次はかなりの悪筆。まあでも、今回の展示にはなかったけど、石原慎太郎の悪筆に比べれば、誰の字でも美文字に見えるわ。石原慎太郎は、口も悪くて何言ってんだか、、、って感じだったが、その字はそもそも読めないもんな。
編集者と作家なんて因果な関係だろうから、もっとドロドロした書簡が見られるかと思ったんだけど、割とフツーやったな、、、と。特別、編集者として学びと感じることはなかったかな。
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で、駒場東大前から、世田谷区民会館のある世田谷線の松陰神社前までは、京王線で下高井戸まで行って世田谷線に乗り換え。世田谷線って、、、もしかして初めて乗ったかも??
松陰神社前駅。カワイイ
松陰神社前で友人と14時頃待ち合わせて、駅から5分くらいのところにあるiri coffee roastery というオサレなカフェ、、というかコーヒー屋さんへ。
コーヒー、美味しかったっす。プリンも、私の好きな固めので甘さ控えめ、goo。友人のダンナのグチを聞いて、いざリサイタルへ。
世田谷区民会館は、9月にリニューアルしたばかりで、そのこけら落しとして、このリサイタルが行われたのでありました。
さすが新しくてキレイ。ホールの音もなかなか良かった♪(上右:ホールの画像はお借りしました)
面白い企画展示に、友人との楽しいおしゃべりに、金川さんの素晴らしい演奏に、、、あー、楽しかった!
今年の推し活レポートはこれが最後です。来年も通うぞ~♪