経済データの改ざんをテレビで告白する共産党幹部【澁谷司──中国包囲網の現在地】
2025.02.01(liverty web)
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アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
故・李克強前首相は生前、中国では「全国6億人が月収1000元(約2万円)」で暮らしていると明かした(*1)。それが習近平主席の「ややゆとりのある(小康)中国」神話を崩壊させたが、近頃、中国共産党の統計データ改ざんが暴露された。
(*1)2020年5月29日付『中華人民共和国中央人民政府』
統計批判を監視・弾圧する中国共産党
李前首相の元同級生で、国際組織にいたことのある陶景洲(とう・けいしゅう)は昨年、中国共産党による統計データの信憑性の欠如を指摘する記事を「FT」紙に寄稿した(*2)。陶景洲は「文化大革命」後の1977年に北京大学法学部に入学している。
記事の中で陶景洲(とう・けいしゅう)は、「多くのオブザーバーがここ数年のGDPの公式数値は誇張されているのではないかと疑っている」と語った。もし、北京がしっかりしたデータを出さなければ、「永続的な誤った情報のサイクルに陥る」という。