夫はツライよ - 妻は最高裁判事!?
2018.06.24(liverty web)
(2017年12月号記事・再掲)
夫はツライよ
妻は最高裁判事!?
妻が夫を裁く――。現代では見慣れた光景かもしれない。しかしこれが、日本の男たちをダメにしていたら?
(編集部 河本晴恵)
自分でもここは短所だなと思うところを、はっきりと指摘されると
「分かってるよ!」と思う。(飲食業・50歳)
「あなたはいくら努力してもダメね」
と言われたのは辛かった。(アルバイト・74歳)
母親の味方をしたら、「マザコン!」と言われた。
その言葉は、自分の中でずっとリフレインしている。(医療職・50歳)
「あなたの意見は?」
と聞かれて、自分の意見を言うたびに怒られる。(事務職・50歳)
「何かに憑かれてるんじゃない?」
と言われるときついです……。(事務職・43歳)
「あなたはこういう人だから」
と、上から目線で批評しないでほしい。(事務職・35歳)
ツライ夫たちの告白
よその家庭のことは、なかなか見えないもの。
妻の「裁き」の瞬間についてこっそり聞いた。
結婚して数年経つ記者だが、ある日夫に、「男の気持ち、分かってないよね」と言われた。えっ、私、何かしましたか?
そういえば、最近はテレビでも、「夫の帰宅拒否」が取り上げられている。家で安らげないと感じる男性は少なくないようだ。いったい、どういう時にそう感じるのか。実態を調べてみた。
男たるもの……
聞き取りを始めたところでまず直面したのは、男性たちの「黙秘」だった。一般論は出てくるものの、具体的な話はなかなか出てこない。普段、奥さんの話はしないのだろうか?
「男同士で、嫁さんの悪口は言いそうで言わないんだよね。男としてどうかなと思われそうだから」(製造業・68歳)
外で戦う以上、家庭の弱みは見せられないということか。
なかには、「話すと嫌な気持ちを思い出すので、勘弁してください」(飲食業・62歳)との声もあった。
話してストレスを解消する女性たちとは、事情が違うらしい。男性が何かにつけて飲みに行きたくなる気持ちが分かるような気がしてきた。
そこで編集部で、「人助けだと思って、力を貸していただけないか」と全力で依頼することに。すると、ぽつぽつと、男性たちが重い口を開いてくれた。
◆ ◆ ◆
稼ぎたいのはやまやまだが
まず、「給料が少ない」「出世しない」といった仕事能力の否定につながる言葉は、夫を深く傷つけるらしい。確かに、「稼ぎ」についての妻の厳しい追及は刺さるという声は多かった。
都内で医師として働く男性(50歳)はこう話す。
「一時期、失業していてお金に困っていたのですが……。妻に『お金がない』とガンガン言われたのはきつかったです」
営業職の男性(52歳)もこんな思いを明かしてくれた。
「『○○さん家は大型テレビを買ったんだって』『車を買ったんだって』『ハワイ旅行に行ったんだって』という話は刺さりますね。夫の愛情をお金に換算して、他人と比較されると、『頑張りが足りない』と言われているようで辛いです」
おそらく妻は、何も考えずに感じたまま言っているだけだろう。もちろん言い方や状況にもよるが、こんなふうに受け取られることもあると聞いて驚いた。
お金の使い方も問題になる。
「立場上、会社の後輩におごらなければいけないこともありますし、ネクタイやスーツなども接する相手に見合ったランクのものを身につける必要があります。そのあたりの感覚を理解してもらえなくて。ムダ遣いだと怒られます」(同)。
帰ってすぐは……
また、妻から「太った」「髪が薄い」など、容姿のことを言われると傷つくらしい。今年の夏も暑かったからか、複数の男性が嘆いていたのが臭いの問題だ。
「家に帰ってすぐ、『足洗って』と言われると、ちょっと……と思います」(飲食業・50歳)
外で『戦って』帰ってきたのに、鎧を脱いだ瞬間に刺されるように感じるとの声もあった。
とはいえ、デリケートな臭いの問題などについては、「身内に指摘された方がありがたいのは事実」だという。指摘の内容の問題よりも、言い方やタイミングの問題かもしれない。
タイミングについては、「家に帰るなり、いきなり相談を持ちかけるのはやめてほしい」(営業職・52歳)との声もあった。「帰ってすぐ」は御法度のようだ。
また、いくつか見られたのは、妻に会話の主導権を持っていかれるというケースだった。
「私が話していると、妻はスマホをいじり始めます。それで突然、自分の話を始めるんです。俺って妻にとってどうでもいいのかな? と思っちゃうんですよね……」(事務職・35歳)
これは身に覚えがある。記者が話を奪ってしまい、夫が遠い目をしていたことを思い出した。
言葉の銃弾が降ってくる
他に、妻に対して「そんなところをいちいち詰めてくるのか」と戸惑う男性たちもいた。一般的にも、「この前も言ったでしょ」「なんでできないの……」と「詰められる」と夫は落ち込むというが、実際はどうか。
「豆電球を一個つけっぱなしにしていても、ものすごく怒られます」(飲食業・50歳)
「ゴミの分別を間違ったりすると怒られます。『くだらないことで……』と思いつつ、その場で謝って終わりにしていますが」(小売業・67歳)
妻から「あなたの意見は?」と聞かれ、自分の意見を言うたびに怒られていたという、事務職の男性(50歳)はこう語る。
「よく聞くと、どうやら欲しいのは意見ではなく、同意だったみたいです。でも、妻は自分でも同意を求めていることがはっきり分からなかったのかもしれません」
妻が夫を"論評"することに対する意見もあった。
「『あなたってこういう人よね。育ちがああだから、今こうなんじゃないの』と、上から目線で分析されると、『何様?』と思います」(事務職・35歳)
現代の学校教育で教わる機会はほとんどないが、妻が夫の上に立とうとすると、夫はやる気をなくすらしい。
姑の肩を持ったら……
自分の親や兄弟の悪口も、妻に言われたくないことの一つだ。
「嫁姑問題もあって、自分の母や兄など、家族のことについて、『あれはどういうことなの』などダメ出しをされるのは辛かったです。私が母親の肩を持ったら、『マザコン!』と言われました」(医療職・50歳)
妻としては、「私よりお母さんが大事なの?」と言いたいのだろう。ただ、間に挟まって責められる夫としては、どうすることもできない。
手が付けられない怒り
妻の怒りの感情にも、お手上げのようだ。
「感情的にキーッと言われると、怖いし、こちらは何も言えなくなる」(事務職・66歳)
「怒って黙り込まれると本当に怖い。文句の念波だけが伝わってくる」(事務職・35歳)
自分も、怖いと思われたことがあったのだろうか……。感情的になった時の女性は、思った以上に怖いらしい。
妻を幸せにしたいけど
夫が言われて最もショックな言葉。それは「あなたと結婚しなければ良かった」だという。それでは、その裏返しで、「あなたと結婚して良かった」と言われたい、ということだろうか。
「妻が喜ぶ顔を見られたら、仕事でも何でも死ぬ気で頑張ろうって思えます」(医療職・50歳)
「プレゼントをして、喜んでもらえなかった時はショックでした。どの夫も、妻が思っている10倍くらい、何とか妻を幸せにしたいと思っていると思いますよ」(出版業・56歳)
そんな夫の気持ちを想像したことがあったか―。振り返ってみて、胸が痛くなった。
「妻がいてくれるから」
自分は「昭和の男」タイプだという経営者(61歳)はこう語る。 「男は単純でアホだから、ちゃんと人間として生きているのは、奥さんがいてくれるからだと思う。奥さんに先立たれた人は、大概ものすごいダメージを受けていますから」
どうやら妻は、想像以上に夫に大きな影響を与えているらしい。言葉や振る舞いが、ここまで影響していたとは、驚きの連続だった。「言ってくれなきゃ分からない。どうして言ってくれないのか」と思ってしまったが、おっと、ここでまた責めてしまっては仕方がない。
◆ ◆ ◆
なぜ、"最高裁判事"になってしまうのか?
妻たちの本音
「夫はツライよ」エピソードを、年代の違う3人の妻たちにぶつけてみた。
夫を裁いてしまうのはなぜなのか。
Aさん(51歳)
会社員の夫とは共通の趣味で出会った。結婚18年目。パートとして働く。2児の母。
Bさん(47歳)
経営者の夫とは学生時代に知り合う。結婚21年目。会社員として働く。2児の母。
Cさん(38歳)
会社員の夫とはボランティア活動で出会う。結婚15年目。パートとして働く。2児の母。
―男性の「嘆き」をご覧になって、いかがでしたでしょうか。
A: けっこうキツイことを言われていますね。「帰った直後にダメ出しされる」……。
B: 切ないですね……。
C: でも、よく話してくれましたね。男友達とは話すのかな。
A: 新橋辺りで?(笑)
C: 「妻が話を聞かない……」。うーん、テレビでニュースを見ている時の夫のコメントがイマイチだったりすると、私が話をかぶせちゃうこともあります(笑)。
B: それは厳しいね(笑)。
C: 口には出さなくても、「あなたそれだけ?」という思いが乗ると、けっこうキツいのかも……。でも夫も、話を聞いてないことがあるよね。「忍法、聞き流しの術」(笑)。
A: 実は、昨日の夜、今日出かけることを夫には伝えていたんだけど、今朝、「お、どこ行くんだ」ってまた聞かれたの。
B: うちも実家に帰る日を伝えていたのに、当日になって「どこ行くの?」って聞かれたことがあります。伝えた時には、夫は返事をしていたんですけど。
A: 疲れて帰ってきてるからね。結局、お互いに話を聞いてないもんだな、と思うよね。
お互いの期待がぶつかる
C: 「プレゼントを喜んでもらえなかった……」。もしかしたら、好みじゃなかったのかもしれないけど、ご主人は奥さんが驚いて喜ぶ顔を見たかったんだよね。
A: 私もそういうことがあったんです。夫から誕生日プレゼントは何がいいかと聞かれて、「何でもいいよ」と言ったら、好みじゃないジュエリーをくれて。これは付けられないなぁと……。
B: 「『何でもいい』って言ったのに、なんで喜ばないの」ということになったりしますよね。
C: でも実は「何でもいい」わけじゃないんだよね。女って面倒ですね(笑)。
A: 次の年からは何が欲しいか具体的に言うようにしました。最近は、お互いの誕生日プレゼントは一緒に買いに行くようになりましたよ。
「感じてほしい」の限界
―ヒステリックになるのが怖いという声も多かったですね。
A: お皿をあえてバーンッと置いたりとか(笑)。やっちゃいますね。夫が気づいてないけど、「やって」と言うのもナンだし、「気づいてもらおうか」と思って。
B: 「感じろよ!」「分からない?」みたいな気持ちでね(笑)。
C: 言わなきゃ分からないだろうけど、少しは感じてほしくて。
B: 会社勤めでも、「言われなくても察して動く」ことを求められるじゃない? だから、妻としても大の大人に「これをやってほしい」とか細かく言うのは、失礼だと思って。
―夫も妻も、「察するのが当然」と思ってしまうんですね。
B: でも、実際は言わなきゃ分からないことはありますよね。うちは夫に、「ゴミ出しておいて」と頼むようにしたら、「はーい」と持って行ってくれて、意外と悪い気はしなかったみたいです。
A: それはBさんが同級生夫婦だからよ。うちは一回り上だから、対等ではないようにしないとプライドが傷つくみたい。
C: うちもけっこう年上なので。
B: 確かにうちは元々友達だったので、対等な感覚かも。
A: Bさんが、ご主人にケンカ腰で話しているのを聞くと驚きますね(笑)。うちの夫にそんな言い方をしたら、黙って部屋にこもってしまって話し合いにならない。結婚当初は"地雷"を踏んで何回もこもらせました(笑)。だんだんどこが地雷か分かってきましたけど。
C: そこはご主人の性格によって違うところですよね。
夫婦のピンチが絆を深める
B: 年上のご主人だと、やりにくいことってやっぱりありますか。
A: あるある。こちらが「何か不満があるなら聞こう」と思っても、話し合うことそのものを面倒くさがられるとか。
―では、夫婦のコミュニケーションが深まった経験は?
A: 家族のピンチの時に、かえって上手く行くかもしれませんね。子供が反抗期に入った頃に成績がガクッと下がって、夫婦で学校に呼ばれたことがあったんです。それまで夫は「子供の教育のことは妻にお任せ」だったのですが、「俺が出ないと」と思ってくれたみたいで。夫婦で真正面から問題に取り組む中で、コミュニケーションも増えましたね。その時、「ああ、やっぱり頼りになるな」と思いました。
―ご主人の素晴らしいところを言葉にしたりもしますか?
C: 子育てと似ているところはありますよね。でも、子供より気を遣うというか。
A: タイミングが難しいですよ。「男は褒めときゃいい」なんて言う人はいるけど、うちの夫は褒める場所を間違えると、かえってムッとするんです。
B: ご主人が褒めてほしい「的」に当てないといけないんだよね。
A: 友人に勧められて、一度、夫にしてもらっていることを改めて書き出してみたことがあるんです。そしたら私、号泣しちゃって。夫はすごくマメで、掃除も自然にしてくれるんですけど、私の方は「妻としての仕事をしていない」と責められているようで傷ついていたんです。
でも書き出すことで、やってくれていたことの方に注目することができて、ありがたいことだったと気がついた。私を責めるどころか、優しかったんだなって思ったら、裁き心は出てこなくなりました。
B: 昔、海外旅行に行った時にパスポートを盗られたことがあったんです。帰りの空港で気づいて、私は「どうしよう!」とパニックになってしまったんですけど、夫はすごく冷静で「大丈夫だから」と言って対処してくれました。
普段、私も夫にキツイ言い方もしていますけど、要所要所で私を守ってくれていて、「ああ、夫の方が立場は上だ」と思うんです。
C: うちの夫は平日週1回の休みがあるのですが、子供の勉強を見てくれるようになって、子供の成績がすごく上がったんです。他にも買い物につき合ってくれたり、料理をしてくれたり。休日はいつも家にいない、という人もいる中で、貴重な休みを家族のために使ってくれるって、当たり前じゃないなと、すごく感謝しています。
―責めたり裁いたりする気持ちも、いろいろなことを乗り越えるうちに、感謝に変えていけるんですね。今日はありがとうございました。
Aさん
夫を思って言うのか、裁きたくて言うのかで表現が変わりますよね。
Bさん
お互いに今何を考えているのか話す時間を作るようにしています。
Cさん
子供の話題は、夫婦できちんと話し合ういいきっかけになりますよね。
◆ ◆ ◆
COLUMN
夫を責めるのをやめて、がんが消えた
かつて「ステージ4」の乳がんを患っていた東京都在住の女性(68歳)。
治療の過程で、こんな経験をした。
乳がんが見つかった後も、そこまで深刻には考えておらず、治るものだと思っていました。でも、抗がん剤治療を2回受けてもがんが消えない。そこで3回目の抗がん剤治療の前に、以前から信仰していた幸福の科学の教えに基づいて自分の心を見つめることにしました。「病気の原因の約7割は心にある」と説かれていますが、まだそこに向き合っていなかったんです。
どこに問題があるのかな、と考えて、浮かんできたのは、一番身近な主人との関係でした。
夫との関係をふり返ると……
私は自分のことを「結構いい奥さん」と思っていたし、夫婦関係に波風は立っていませんでした。それに主人は、私が何にお金を使うことも、どこへ出かけることも、認めてくれていたんです。
でも、私が主人をどう思っていたか客観的に見つめると、「それが当然だ」と思っていた。それどころか、「夫は無口で何も言わない」と裁いていました。無意識に、いろいろ教えてくれたり話をしたりと仲の良かった兄と比べていたんです。
また、育ちの違いによって、子育ての考え方がぶつかっていたことに気づきました。私は両親や兄に甘やかされて育ったのですが、夫は7人兄弟の5番目。家族に迷惑をかけないで自立できるよう、厳しく育てられました。夫の方針で、わが家の子供も厳しく育て、自立させるようにしましたが、どこかで私は「子供がかわいそう」と夫に反発していたんです。
でも、子供たちは今や2人とも自立して、親孝行してくれています。振り返ればおかしな話ですが、そのことと主人の教育方針とが結びついていなかったんです。主人は正しかった。本当にありがたいことだな、と思えるようになりました。
そして3回目の抗がん剤治療を終え、検査結果を見たお医者さんはこう言いました。「全部なくなったね」。転移したがんも含め、全部消えていたんです。
病気になったことには、大きな意味があったと思っています。
◆ ◆ ◆
信じる妻は救われる!?
妻が裁き、夫は口をつぐむ。この状況を脱する道を探るべく、うまく行った事例を調べた。
滋賀県の平居由佳さん(38歳)は、働きながら家事も手を抜かず、手が込んだ料理を出していた。しかし、ある時「夫と心が通い合うのは、凝った料理を出した時ではなく、自分が笑顔でいる時だ」と気がつく。
由佳さんは、帰宅する夫を笑顔で出迎え、料理も夫の健康を気遣い、「何が食べたいか」を考えて作るように心がけた。夫はそれまで以上の笑顔で喜んでくれるようになったという。
埼玉県に住む大森美都里さん(40歳)は、夫が頼みごとを聞いてくれない、と悩んでいた。しかしふと、「自分は夫の頼みを聞いていたか」と振り返って気づいた。夫が「俺は気持ちを伝えているのに、お前は教えてくれない」と言っていたと。
美都里さんは照れながらも、夫へのメールで「愛してるよ」「ありがとう」と愛情を表すことに。夫は嘘のように、要望に応えてくれるようになった。
互いの素晴らしさを信じる
東京都の佐藤一郎さん(仮名・50歳)と愛さん(仮名・42歳)は、子供が生まれた頃からたびたび壮絶なケンカをした。
ある時は一郎さんが愛さんにひっかかれ、左腕に20センチほどの爪痕がついた。「仕事着が半袖なので、職場で『猫でも飼ってるんですか?』と聞かれました(笑)」(一郎さん)。
玄関にゴミを置いていたのに、一郎さんが出さなかった。ケンカの原因はこんなささいなことだ。しかし、愛さんはことあるごとに、一郎さんに、「はぁ?」「バカなんじゃないの」などと、どぎつい言葉をぶつけた。
幸福の科学の信者だった一郎さんは、「全ての人が善なる心を持っている」という教えを改めて信じようと決めた。
「きつい言葉が妻の本心だと思って腹が立っていたのですが、『言葉が逆になっているだけで、本当は楽しく過ごしたいはず』と信じて、彼女の良いところを見るようにしました。すると私も言葉を受け流せるようになりましたし、妻も変わったんです」
幸福の科学に反対だった愛さんは、同世代の女性と仲良くなったことがきっかけで入会。教えを学んで実践する中で、行動も言葉も穏やかになっていく。
「私が何を言っても揺るがない夫を見てすごいと思っていましたし、口下手で不器用だけど、言ったことはやりきる信念の人であることはずっと尊敬していました。ただ、負けたくなくて……。私の愛情表現が間違っていたんですね」(愛さん)
不器用な一郎さんも、愛さんの良いところをはっきり言葉にして褒めるように努力した。今では、ケンカをしても互いに「ごめん」と謝れるようになった。
稼ぎがない時に……
都内に住む北村瑞穂さん(40代)の夫は大学を卒業後、大手劇団に入団した。しかし、結婚翌年に契約は打ち切りに。それでも俳優の夢を追う夫を、瑞穂さんが稼いで支えた。
「稼げる方が稼げばいいという気持ちでした。演劇の素質はあったし、この人はただ者ではない、何かある、と思っていました」
ところが芽が出ないまま、夫は30歳を越えた。瑞穂さんは「もういいんじゃない。その道じゃないのかもね」と声をかけた。夫は納得し、飲食店に就職。独立した今は人気料理店の経営者として成功を収めている。
当初の夢はかなわなかったものの、妻が夫の可能性を信じていたからこそ、次の成功の扉を開くことができたのだろう。
大切なのは、現実ではなく、その奥にある可能性を信じることなのかもしれない。
INFO
大川隆法総裁法話
『嫁の心得』
――山内一豊の妻に学ぶ――
結婚にあたって、異なる文化を押しつけ合うだけではうまくいかないとして、「柔軟な心」や「新しいものを学ぼうとする心」「調整を加える智慧」「ある意味で諦めること」などの大切さが説かれた。
幸福の科学の支部・拠点・精舎・布教所で公開
お問い合わせは、以下の連絡先まで。
・幸福の科学サービスセンター
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