kmitoh 春夏秋冬

水生生物雑記帳・男鹿半島幻想・接写と拡大写真

魚の卵:(S)ティラピア:産卵後、親の体の一部に取り入れて保護される。

2014-10-14 10:10:14 | 魚の卵


 ティラピア親魚の口の中にはまだたくさんの子供が入っている。




 産卵床を作っている。大きい方が雄。

 ティラピアの雄は底の砂をよせて、円形のくぼみを作り、雌を誘う。

 産卵受精後、雌はその卵を口にくわえ保護する。
 孵化した稚魚は口の外へ泳ぎだすが、
しばらくの間は、危険を感じると親の口の中に逃げ込む。




 タツノオトシゴの仲間は、雌が雄の体内に産卵する。
 そして、孵化した子供は、雄から産まれてくる。


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魚の卵:(N)オニオコゼ:分離浮性卵

2014-10-13 13:00:25 | 魚の卵


 受精後1時間40分。卵径1.3mm。




 孵化仔魚 3mm




 雄が雌を追尾。




 オニオコゼのアルビノ(色素が欠けたもの。目も赤い。)


 ふつう、複数の雄が追尾行動したあと、産卵・放精する。
 
 胸鰭の下側2本の軟条は遊離していて、普段は脚の働きをしているが、
追尾行動の前にはそれを手のように使い、雌の腹を抱いたりする。


 オニオコゼは背鰭に毒の棘をもっている。
刺網にかかってきたのをはずすときに刺された人や、
海の中では見分けにくい姿と色のため、気づかずに踏んでしまう人もいる。

 男鹿では普通種。大きいもので25cm。


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魚の卵:(P)ハナオコゼ:卵帯(らんたい)

2014-10-11 16:41:53 | 魚の卵


 卵帯はかなり透明である。




 卵帯を手ですくい上げた。




 卵帯模式図




 魚の卵は、ウニのように全体が分割していくのではなく、
一部分が分割していく。
 2分割、卵粒の大きさは0.7mm×0.6mm。




 孵化仔魚 1.3mm。受精後52時間。




 孵化仔魚




 孵化後4日、卵黄がなくなった仔魚。1.9mm。

 写真説明の発生時間は、水温26-28℃での記録。



■ハナオコゼの産卵行動



 雄が雌の腹をつついて刺激を与える。




 雌が泳ぎ始め、雄が雌を追いかける。




 泳ぐ速度が速くなってる。
やがて、メスが体を回転すると同時に卵帯を産卵し、雄が放精する。
 写真はその瞬間で、雌から卵帯が放出されているのがわかる。


 卵帯は、カエルの卵粒を極小さくし帯状に張り合わせたものに近い。
 卵の形状からではなく、魚の外見から名付けられたのだろうが、
ハナオコゼの英名は「カエル魚」とか「ヒキガエル魚」などである。



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魚の卵:(N)ハリセンボン:分離浮性卵

2014-10-10 16:24:25 | 魚の卵


 卵径1.7mm







 孵化仔魚




 仔魚





 ハリセンボンは、フグの仲間では少数派の分離浮性卵である。
 
 産卵は雌1尾を、複数の雄が追尾して行われる。

 ハリセンボンの針の数であるが、実際に棘をかぞえたら、
16cmのもので、371本であった。 より大きな個体でも400本前後しかないようだ。
 普通、30cmの大きさにまで成長する。

 秋田県男鹿では、水温が下がる初冬に、多数岸に打ち寄せられることがある。


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魚の卵:(P)アンコウ:卵帯(らんたい)

2014-10-10 12:49:10 | 魚の卵


 採集したもので種不明。
 孵化間近い状態だった。







 卵帯模式図。
 ゼリー状の帯の中に卵粒が入っている。




 孵化仔魚





 アンコウは体が大きいから、その卵帯も大きく、
幅50cm、長さが5mもある。

 ほとんど透明なため海に浮いていても目立たない。
しかし、発生が進むと卵の中の子どもは黒ずんでくる。

 卵帯全体は海水よりわずかに重いが、
わずかな流れにのって漂っているのが普通の姿だろう。

 孵化が近くなると卵帯はもろくなり、
卵粒はひとつひとつに分離していく。
その卵粒は浮性卵である。


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