kmitoh 春夏秋冬

水生生物雑記帳・男鹿半島幻想・接写と拡大写真

魚の卵:(N)コブダイ:分離浮性卵

2014-10-09 18:33:48 | 魚の卵


 卵




 孵化仔魚。
 コブダイはベラの仲間で、孵化仔魚はほかのベラ類と同じように、
卵黄が頭部より先に突出している。




 産卵は雄と雌とが並んで泳ぎ、上昇するときに行われる。
 手前が雄。




 産卵・放精。
 浅い水槽なので勢いで水面上に顔を出した。




 コブダイの幼魚。


 本州以南に分布し、雄は前額部が瘤状に肥大してくる。
 全長1m。


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魚の卵:(N)マダイ:分離浮性卵

2014-10-09 16:26:12 | 魚の卵


 卵径1mm。




 2分割。
 

















 
 孵化仔魚


 卵粒は分離して海に漂う。
 かなりの種類の海水魚が分離浮性卵で繁殖する。

 産卵後は、卵の世話もせず、産卵数で生存率を上げる方法で、
数億粒も産み出すマンボウなどが典型的な例である。

 海の魚ではたいへん成功している形式だが、
もし淡水魚がこの卵を採用すれば、大半は海に流れていって繁殖できない。


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魚の卵:(Q)ミノカサゴ:卵嚢(らんのう)

2014-10-08 16:51:54 | 魚の卵


 卵嚢とは、
ゼラチン質の中空のボール状で、そのゼラチン質の中に個々の卵が
たくさんはいっている。
 産卵したとき、数種類のミノカサゴが同じ水槽に入っていたので、
種類は特定できなかった。 このときの、卵嚢の大きさはごく小さな鶏の卵くらいであった。




 半分に割った卵嚢の略図。




 ハナミノカサゴ


 海水熱帯魚のミノカサゴ類は、長い背鰭と胸鰭そして毒の棘が特徴である。

 私は、かなり小さな個体にではあったが、毒針で指を刺されたことがある。
刺された直後、口で毒を吸い出したが、ずきずきと脈打ち始め、
見ている間に指が腫れ上がり 折り曲げることができなくなった。
その後、しばらく痛みが続いた。


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魚の卵:(L)ソウギョ:川の流れまかせ。

2014-10-05 10:39:56 | 魚の卵











 ソウギョ、アオウオ、ハクレン、コクレンの卵は大きな川を流下しながら孵化する。
 卵の性質は粘性のない水より重い沈性卵だが、流速によって中層を流れたりもする。
 流れまかせだから、大きな川でないと海まで流されてしまい、孵化できない。

 中国では産卵期に養殖用の魚卵を採集するために定置網を設置する。
 その場所は、1m/secの流速のところが、
網も壊されず卵も沈まないので適当であるという。

 ソウギョの卵は、産み出されると水を吸って5mmに膨らみ、
2日で卵黄をもった5mm仔魚が孵化する。

 多く魚種では、孵化仔魚の大きさは卵径の3倍ほどである。
つまり、卵の中で体を丸めているが、ソウギョの仔魚は体をゆったり伸ばしている。

 原産地は中国などであるが、1940年代に日本にも移入され、
現在は利根川水系で繁殖している。男鹿半島の八郎湖にも生息している。


■ソウギョの人工受精




 採卵。
 卵は絞り出すというより、勢いよく流れ落ちる。




 採精。
 針のない注射器を使用する。




 受精。卵に数匹分の精子をかける。


 採卵日・時間を考慮にして、雌雄ともにホルモン注射がしてある。
 また、採卵・採精のときには、親ソウギョウには麻酔がかけられているから、
写真のように抱いていることができる。

 受精させるときには、水を使用しない「乾導法(かんどうほう)」で行うので、
魚体から水をていねいに拭き取ってから、採卵・採精をする。


撮影協力:2001.6.7
  埼玉県農林総合研究センター 水産支所
  さいたま水族館

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魚の卵:(M)ナガヅカ:塊単独で産卵され守られる。

2014-10-03 16:51:20 | 魚の卵













 イメージ図


 産卵した卵塊を、体をまるめて包み込んで保護する。
 ナガヅカは山陰、千葉以北のやや深いところに生息する。
 蒲鉾の原料となるが、産卵期の精巣は食中毒の原因になることもある。
 全長60cm。


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