
ミズダコ

ミズダコの卵
卵粒は長さが8mmで一端に紐があり、
200から300粒が絡まり合った10cmの房として岩につけられる。
次々に房をつけて、総産卵数は数万粒に達する。

ミズダコ、孵化。大きさ1cm。
餌として入れたサバに吸いついて食べている。

ミズダコ、孵化。泳いでいる。

交接。
雄は右上から腕を伸ばして、精子の入ったカプセル、
精莢(せいきょう)を雌の体内に入れている。

雄の腕の1本(交接腕)には溝があり、
その溝を利用して精莢を運ぶ。

精莢。1mほどある。
精莢の仕組みについては
Octopuses & relatives(英文)
に書かれている。自信がないので訳さない。^^;

精莢が見えるが?
この写真は、気になることがあるので載せた。

交接腕が三叉していたミズダコ。
しかし、溝があるのは1本だけだった。
ミズダコは冷水性で、本州中部以北の太平洋と日本海、北海道などに分布する。
タコの仲間では最大種で、40kgにもなる。
秋田県では、水深200-300mに木箱をいれて漁獲するが、
冬から春先には接岸し、膝ほどの深さの岸辺でも見ることがある。
雄も小さなタコがいるから、産卵のためだけに接岸してきているのではないようだ。
ミズダコの生活史にはまだわからない部分もあるが、
冬に孵化し、2年後の冬に交接、そして雄は数か月後死亡、
同じころ雌が産卵し、餌もとらずに半年も卵の世話をする。
卵が孵化するとともに雌も寿命がつきる。
水槽では、孵化し始めると、親ダコは水槽の底に崩れ落ちて死んだ。
このような光景を、私は2度見ている。
孵化のときに、「もう役目は終わったよ」という
視覚的あるいは溶解物質でサインが出ているにちがいない。
眼腺ホルモンによって、あらかじめプログラムされた「死」が実行されるという。