流れよった流木についていたエボシガイ
エボシガイ
別の種類のような気がするエボシガイ
エボシガイの仲間は小さな熊手のような蔓脚(まんきゃく)で、
プランクトンや浮遊有機物をかき集めて餌にしている。
エボシガイはカニやエビの仲間であるが、自由に泳げるのは
ごく初期の段階に限られ、すぐに流木などについて固着生活をする。
その後は、付いた流木などと運命をともにする。
流木は流れまかせだから、そこには同じように流れまかせの
餌となるプランクトンも集まっている。
タカアシガニについていたエボシガイの一種。
矢印の部分についていた。
カニは鰓(えら)で呼吸をする。
鰓は、わたしたちがカニを食べるときに食べ残す部分である。
呼吸は、鋏(はさみ)脚の付け根の孔から水を取り入れ、鰓を通し、
口のところから排水する。
タカアシガニには数種類のエボシガイが付着していることが多いが、
写真はそのひとつで、水の取り入れ口と、体の中にある鰓についていた。
カニが呼吸のために汲み上げる酸素を含んだ海水とともに、
エボシガイの餌となるプランクトンも流れてくるのだから、
たいへん快適な場所だろう。
しかし世の中よいことばかり続くわけでもなく、
殻(から)や鰓についていたエボシガイは、
脱皮とともに捨てられてしまう。
沖縄で放流され、男鹿で捕獲したウミガメの背甲に
ついていたエボシガイの一種。
ウミガメとともに最適の環境へ移動できるともいえる。
ハナオコゼの口に寄生したエボシガイの一種。
ハナオコゼは、体の色模様と突起物でカムフラージュし、
ほとんど動かずに近づいてきた魚やエビなどを瞬間的に捕食する。
だから、餌そのものでは競合はしない。
考えようによっては、エボシガイはカムフラージュ用の小道具ともいえるが、
ほんとうのところハナオコゼにとってはどうなんだろう。