京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

報恩寺(鳴虎) 京の冬の旅②

2022年01月15日 09時12分00秒 | 日記
 西陣 興聖寺を拝観後、近くにある"鳴虎"と通称名で呼ばれる事の多い「報恩寺」を訪ねました。








駒札にある様に室町時代中頃までは八宗兼学の寺院でしたが、後柏原天皇の勅旨により浄土宗寺院となり、豊臣秀吉の命により現在地に移転しています。



客殿(本堂)には鎌倉時代の仏師・快慶作と伝わるご本尊・阿弥陀三尊像がお祀りされています。





また、黒田官兵衛孝高の嫡男・長政が入洛した際には、ここ報恩寺を宿舎としました。
幕府の命で、入洛した際に持病を発病し幕府の御典医が遣わされましたが、こちらで亡くなっています。
客殿には長政と(如水)官兵衛の位牌がお祀りされています。








このお寺を有名にしているのは「鳴虎図」です。
中国・明の陶佾(とういつ)の筆によるもので後柏原天皇から寺に下賜されたものです。
毛の一本一本が繊細な筆使いで描かれていて、寺を訪れた秀吉が気に入り聚楽第に持ち帰ったところ、夜な夜な虎が鳴いて眠られなかったそうです。

虎が寺に帰りたがっていると思った秀吉はすぐに寺に返したと伝わっています。

十二年に一度、正月の三日間だけしか公開されない寺宝です。
今年は寅年でもあり「京の冬の旅」で1月8日〜16日までの9日間、オリジナルが公開されています。





また、報恩寺とゆかりの深い織田信長、豊臣秀吉の肖像画も展示されています。








 
本堂の南庭です。
黒田長政が宿舎とするだけに、かっては大寺院でした。







境内には平安時代後期の梵鐘(国指定重要文化財)が伝わり、室町幕府管領・畠山持国が陣鐘に用いたと言われ、全面に梵字が刻まれています。

「鳴虎図」のオリジナルの公開は16日までで、1月17日からは室町時代の作とされる大黒天像(重文)が公開されます。