10月14日は、"まいまい京都"のツアーでコロタイプ印刷で超有名な便利堂の工房を見学しました。

見せて頂いたのはコロタイプ印刷で作られた古い絵葉書ですが、どの写真も色褪せする事無く当時の写真が維持されているのが凄いです。



















"まいまい京都"では新企画のツアーです。




コロタイプは、今から約170年前にフランスで発明された写真古典印画技法です。
コロタイプの「コロ」はギリシャ語で膠(にかわ)を意味し、ゼラチンを使用する事に由来します。
感光剤を混ぜたゼラチンをガラス板に塗布して乾燥させ、版を作ります。
続いてネガフィルムをゼラチン版の上に置いて紫外線で露光すると、ゼラチン版に像が焼き付けられます。
その凸凹に油性のインクを詰めて紙に刷ると、コロタイププリントが完成します。


見せて頂いたのはコロタイプ印刷で作られた古い絵葉書ですが、どの写真も色褪せする事無く当時の写真が維持されているのが凄いです。
(フィルム写真だと100年も経つと映像が消えてしまいます。)

コロタイプ印刷の原理は知ってはいましたが、実際に印刷機のある工房を見学するのは初めてです。




山本所長が大変に熱心な方で、年代物の印刷機?を実際に動かして印刷し、工程を教えて頂きました。
モノクロは工程が少ないですが、カラー刷りとなると版画の原理と同じ工程で色を重ねて行きます。
奈良法隆寺の金堂壁面(焼損前)のコロタイプ写真や高松塚古墳で極彩色の壁面が発見された際のコロタイプ写真は便利堂が担当されています。



金堂壁面の撮影風景です。




高松塚古墳の石室内部を撮影した実際の写真機です。
石室内部は狭いのでファインダーを覗くスペースが無く、鏡を写真機に取り付け、映った映像を見て撮影されたそうです。






次に、山本所長の指導で実際にコロタイプ印刷のワークショップです。
アクリル板に転写された"雪の渡月橋"を印刷します。(本来はガラス板を使いますが、破損の危険がある為にワークショップではアクリル板が使われています。)
先ず、ネガがプリントされたアクリル板に水を満遍なく馴染ませます。
暫く時間を空けてスポンジで水分を取り除きます。
次にゼラチンをアクリル板に同じように馴染ませます。
約10分後にゼラチンを同じようにスポンジに吸着させます。
和紙をアクリル板の上に載せてローラーにかけて圧力をかけまて回します。
引き出された後は和紙をゆっくりと剥がせば完成です。

見事にコロタイプ印刷の写真が出来上がりました。
便利堂の工房見学とワークショップ、、、
コロタイプ印刷を勉強する貴重な経験でした。