海竜社
曽野さんの本は活字が大きいから
読みやすい。
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101 「金はあってもなくても
人間を縛る」
特別に偉大な人間でない限り、金は
あってもなくても人間を縛る。金のあり
すぎる人は、金の管理に多大な時間
と心理と労力を割かねばならないであ
ろう。と同時に、金がなさすぎると、僅
かな心理も増幅して感じるようになる。
(中略)
金持ちが不幸になるケースは、聖書
にでも出てきそうな、教訓用のつくり
話しではなく、実際に多いのである。
もしあの家にもう少し金がなければ、
あの人はあれほど退屈に苦しむことも
ないし、小さなことにくよくよと悩むことも
なく、病気さえよくなってしまうのではな
いかと思うことが多い。
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とかくお金というのはあればある程、出費
も多いように思う。いっそのことなければ
楽になるかというとそうでもない。余った
お金は余ったように使われてしまう。その
金でひと儲けしようとあらぬことに手を出
してしまう。世の中にそんなうまい話があ
るはずがないのに信じてしまう。浪費はする
ものではないと思う。