
佐藤富雄著
細江英公監修 KKベストセラーズ
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「表現者となって
社会と接点をもち続ける」
私の性格、それから「八十歳現役論」という
持論に全く相反する言葉があります。「隠居」
という言葉です。
仕事や世俗から離れてのんびり暮らす。心地
よさそうな響きでもありますが、要するに引退
する。社会とのつながりをなくす、ということ
です。もしかすると、のんびり暮らすのが長寿
の秘訣だと思われるかもしれません。ところが
社会とのつながりがなくなると一挙の老けこん
でしまいます。たとえば、隠居したお年寄りの
多い日本は、世界一の長寿国です。その一方、
アメリカ人はいわゆる隠居をせず、定年後も夫
婦で旅行や趣味を楽しみ、いつまでも社会との
つながりを保っています。そしてアメリカ社会
は、平均寿命こそ日本に劣るものの、寝たきり
老人の数では人口比にして日本の十分の一とな
っているのです。日本人とアメリカ人、どちら
が本当に「健康」で「若々しい」のか、説明す
るまでもないでしょう。その意味でカメラは自
分と社会をつなぐ、格好の媒体となります。
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今のカメラは高齢者にとても便利に使えるように
工夫されています。重さも軽くなって疲れません
何よりピント合わせが自動になっているのがうれ
しい。いい写真のとれた瞬間は何物にも代えがた
い気分を味わえます。ランナーズ・ハイと似た気
分になれます。写真の醍醐味です。また気分が外
に向かいます。旅行などもカメラを持っていけば
楽しみも倍になります。佐藤さんによると血管年
齢がカメラ愛好家おおよそ80パーセントが標準
年齢より1~7歳若く、残りの20パーセントが
年齢相応だったのです。カメラ愛好家は若々しい
ことが科学的に照明されたのです。