
日野原重明著 春秋社 P91より引用
ISBN4-393-36465-1
老いを楽しむこと
ーーーー人生の三つの季節
人生には三つの季節がある。他から
受けて生きる人生、すなわち父母、先
生から教え保護されて成長する時代。
社会的な活動に参与する時代、ひとは
この時期に家庭という社会の一単位を
守る。あるいは会社で仕事をするとい
う形で、社会とともに生きながら社会
を支える時代に入る。そして三つ目、
自由に生きる段階。定年後の人生、自
分の時間を自由に使える時代である。
ーーーー健康でなくとも
完全に健康でなければよく生きるこ
とはできない、立派なことはできない
と思い込んでしまうことは危険である。
ーーーー使わないとーーー
使わないためにダメになることを廃
用症候群という。頭を使わないからぼ
ける。手足を使わないから関節がダメ
になる。やはり、頭でもからだでも上
手に使い、先生や誰かの指導を受けな
がら努力するということが、必要では
ないだろうか。そういう努力のできる
人が、老いても人生に希望を見いだせ
るであろう。
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▼定年後は自分の時間を自由に使える
ことができる。それだけでもストレス
からは開放される。しかし自由すぎて
自分でコントロールすることが安易に
な方に流されてしまうことが多い。よ
ほど考えて行動しないとあっという間
に年月は過ぎ去ってしまいます。
健康も全く予想もしなかったことが
起こりうるのも高齢になってからです。
若いときの無理が少しずつ身体の中に
蓄積されてある日突然不気味な顔をの
ぞかせる。うろたえますね。そんな時
は。病気もあって当たり前と開き直れ
ばよいわけですが、なかなか自分を納
得させるのに時間がかかります。
いつもの散歩は欠かせません。自然
の移り変わりが今まで以上に目の前に
現れます。気づかなかったことがいろ
いろ発見出ます。これはうれしいこと
です。
