山陽新聞の夕刊コラム「一日一題」の第九回目が昨日掲載されました。2月から3月にかけての2ヶ月間、毎週火曜日の連載で、今回が最終回です。
今回の題材は、岡山での学術集会です。
今年の秋に岡山で開催予定の「JSNET2015岡山」を念頭に置いて書いていますが、広島でのStroke2015では、会場設備と分散に関して不評の声をお聞きしたので、岡山での開催にちょっと不安を覚えてしまいました。
地方都市で学会を開催させていただく意義と、学会のクォリティ、そして参会者の利便性との狭間で悩みを抱えながらの文章です。
それでは、昨日(2015.3.31)の拙文をご紹介します。
岡山での学術集会
皆さんは学会(学術集会)にどのようなイメージをお持ちですか。学会とは、学問や研究の従事者が、研究成果を発表し、その妥当性を議論する場です。先週は広島市で日本脳卒中学会Stroke2015が開催されました。
参加者が6千人を超える大きな会で、地方都市では十分な設備を持った単一会場がなく、複数のホテルや公共施設を使用しての分散開催となりました。残念ながら、設備的な問題と会場間の移動の不便さもあり、参加者の中には不評の声もあったようですが、脳卒中治療の最新の情報を勉強してきました。
私自身は、重要な指定講演を二つこなし、多くの先生方と交流できて、非常に有意義でした。また海外の友人に久しぶりに会うことができ、桜が開花した広島城を散歩しながら、一時の休息を楽しみました。広島の夜の街はプロ野球・広島東洋カープの開幕と重なったせいか、大にぎわいで、岡山との差を感じてしまいました。岡山もイオンモールができて、昼はかなりにぎわっているのですがね。
学会開催があると、都市には大きな経済効果があると言われています。全国各地からの参加者が宿泊し、合間には観光を、そして夜は飲食を楽しみます。私も学会で各地を訪れるのは楽しみです。学会を主催する機会を得ることはそうそうないのですが、岡山大では多くの先生が会長として、各種学会を開催しています。私も今年の11月に、日本脳神経血管内治療学会を主催する栄誉を得て、2千人を超える参加者の来岡を見込んでいます。
脳血管内治療は急速に進歩してきた最先端治療ですが、まだまだ発展が続いています。この革新技術を岡山での学会から発信したいと考えています。そして、全国からの参加者に学術のみならず岡山の魅力を楽しんでいただけるよう、企画を進めているところです。
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