続き
8.膣の中は、口の中と同じように、常に粘液が出ていて、常在細菌や微生物がいて、外来の微生物を排除してくれますが、その仕組みが出来上がっていない女の子はでは、しばしば膣やその周辺(膣前庭)の粘膜や皮膚の炎症を起こします。下着が汚れたり、排尿時に痛がったり、かゆがったりします。治療すればすぐよくなりますが、またなることが多いようです。そこがその子の弱点でしょう。その代りに、他の病気になりにくいようです。
9.胃は一日2~3Lの胃液を出し、胃液は強酸性(空腹時のph1~3から、食事後のph5~6と変動)ですから、それを突破して生き延びられるのは僅かで、大部分の微生物は胃酸で死んでしまい、通過できません。かぜのウイルスも、インフルエンザウイルスも5歳以下の子どもでは通貨できますから、胃腸炎を起こし下痢をしますが、8歳以上では下痢をしません。かぜをひいたら消化のよいものを、と言うのは5歳以下の子どものことです。通過できるのは、胃腸専門の腸管ウイルスです。ピロリ菌は、胃内の常在菌ではないかと言われている程多くの人にいますが、病気になるとは限りません。それがストレスなどで抵抗力が落ちた時に、悪い働きをするのではないかと言う考えもあります。胃潰瘍や胃がんがピロリ菌だけのせいで、なるとは思われません。それにプラスアルファの要因があるのです。ピロリ菌がいても、胃潰瘍が起きていない人もいますから。
10.胃を通過しても、小腸上部では強いアルカリ性の消化液があり、防御しています。しかも、腸内には、多くの細菌が住みついており、外来の細菌などの微生物を排除しようとします。小腸上部には、少なくとも腸内容1g当たり1万以下ですが、小腸下部では10万から1千万、回腸下部でも1千万になります。
11.大腸では、腸内容1g当たり数千億(3千億から5千億)、その種類は100種類以上という。これらが、大腸内の外来の細菌や微生物の繁殖を排除してくれています。
出生直後の赤ちゃんの大腸には、菌はいないが、すべての赤ちゃんは48時間以内に、ヒトの常在菌である大腸菌が棲みつきます。大腸菌は人にとっては大切な菌です。しかし、時々病原性大腸菌も、腸内の自然の遺伝子組み換えで起きると言われ、存在し、体調の悪い時に発病します。便の3分の1は細菌で、大部分は嫌気性菌なので、外へ出て酸素にさらされと、死んでしまいます。
続く