賀正
皆さま如何お過ごしでしょうか。私は一病息災のようで、一応元気でおります。ほぼ回復して来たようです。
昨年は3.11から大変な年になりました。すぐしたことは、母乳調査・母子支援ネッワークの発起人になり、アドバイザーをしました。その後、四月から暮れまで、日曜、休日は、ほとんど「子どもと放射能」の講演をし、平日に休みを取る状況で、疲労のため体調が一時悪くなりましたが、友人のアドバイスにより、元気を取戻しました。
CSTV、NHK第一放送などの出演、福島での「子どもの健康相談会」は5回出かけましたが、海外からのスカイプ取材は準備ができないため、お断りしました。
チェルノブイリの子どもたちだけでなく、日本の子どもたちの救援をと「未来の福島こども基金」をデイズジャパンの広河隆一さんと立ち上げ、代表になり、どこよりも、特に国に先駆けて内部被曝の問題に取り組み、まず福島市に市民が市民のためにする「市民放射能測定所」を作り、食品の放射能測定を開始し、続いていわき市にも作り、その後各地に広げていきました。福島市といわき市にはホールボディカウンターを贈り、内部被曝の測定を開始しています。公表、公開を原則とし、測定値を個人に教え、個人名は伏せて公開しています。国は慌てて、追いかけるように開始し、個人の意志を無視するようなやり方をしています。お蔭様で市民グループや生協、さらに民間企業までが乗り込み、飲食品や土壌の放射能の測定が各地で進んでいます。
また、いち早くクーヨン6月号に掲載、それから京大の小出裕章さんと共著で「原発・放射能 子どもが危ない」という文春新書も出版しました。「大阪保険医雑誌」や「食べもの文化」などにも掲載しました。まだ出版予定も2件、連載予定も1件、ほかにもあり、昨年に続き、今年も忙しい年になりそうです。
吹上診療所を辞め、堀ノ内病院でのんびり過ごす夢も消え、3月からは練馬のすずしろ診療所に行くことになり、そちらも忙しくなりそうです。誰か所長で来てくれる内科医はいませんか。小児科だけでなく、内科をメインに診療することは、負担になりそうです。どうなるかはこの2ケ月で決まると思います。3月1日から土曜日の午前中の診療は、すずしろ診療所になるのは、ほぼ確実です。それ以外の担当日は決まっていません。
また、まだ原発事故も収束せず、放射能も出続けています。子どもたちの避難や疎開も、チェルノブイリ並にすれば千校に及ぶため、政府は動きません。そこでせめて、ベラルーシでやっている年24日間の保養をしようとの動きがあります。それだけでも内部被曝した放射性セシウムの量が20%減少するからです。できれば、学校またはクラス単位での保養で、ベラルーシでは学校サナトリウムと呼んでいます。これも政府に先駆けてしたいのですが、この「希望」サナトリウムは小さなものから始めても、大変な費用がかかりますから、夢かも知れませんが、大きな夢を持って生きて行きたいもので、それがチェルノブィリでやって来たことだったからです。
頑張らないで、できる範囲から少しずつやっていきましょう。政府は官僚に牛耳られ、政治家は何をしているのでしょう。市民が動くことによって、政府を動かしていきましょう。取り敢えずは、小回りのきく市町村を動かしましょう。首長を揺さぶることです。
今年は、私にとっても皆さまにとっても、変化の年になりそうです。どうか皆さまにとって良い年になりますように。
2012年元旦