明治粉ミルク、ステップから放射能の検出が報道されました。3月11日以降製造されたもののようです。全く消費者、それも乳児のことを考えていない商品です。それを検査せずに出荷するなどと言うことは、森永ヒ素ミルク中毒事件と同じ構造です。
明治乳業の製品は、同じ構造で作られ、出荷されていますから、ボイコットとまではいきませんが、すべて疑惑の目で見て行きましょう、製作日が問題ですし、また商品に放射能検査データを明示しているかが問題です。現代では、いつでも、どこでも、同じ原乳を運ぶことができますから、工場名では信用できません。時代と技術の進歩は恐ろしさを拡大しています。
私が、いわきの友人の木村眼科を訪問し、市民放射能検査所と津波の被災地を案内してもらった時に、聞いた話では、小名浜港では近海の魚が汚染されていて獲れないので、困っているが、魚は豊富でいつでも誰でも獲れるので、密漁して関西方面に持って行って市場出していることが判っているが、取り締まられていないとのことでした。
粉ミルクの原料の牛乳も同じことですから、製造工場はあてになりません。これは、過去に、ベラルーシで行われたことと同じです。測定データ付きの粉ミルクでないと安心できません、
でも私は、早期離乳推進論者ですから、生後2ケ月(体重5kg)から離乳準備食(果汁)を始め、生後3ヶ月(体重7kg)から離乳を始めることを勧めています。ポイントは、赤ちゃんが喜ぶことで、喜べばどんどん進め、喜ばなければゆっくり進めるのが基本です。
そうすると早いと6カ月、遅くても9ケ月で離乳が終わり、ステップミルクなどの離乳期のミルクは必要がなくなります。これは欧米方式で、世界の先進国で唯一離乳期を販売しているのは日本です。発展途上国では、離乳食が手に入らなくて、必要性は残りますが、先進国では必要のないミルクです。離乳食の方が遙かに、少量で濃厚に多種類の栄養分を補給できるからです。これはアメリカの20年前の離乳方式で、日本は20年以上遅れていますし、日本式と称して日本の戦争直後(66年前)の離乳方式に固執しています。なぜなのでしょうか。どうしても、業界と行政と学会の産官学の癒着を疑いたくなります。いつまでもミルクを飲んでいてくれた方がよいですし、少子化と母乳推進でミルクの需要が減っていますから。
ということで明治のステップミルクをはじめ、離乳期のミルクを止めて離乳食をどんどん食べさせましょう。しかし、離乳開始の遅い子は食べてくれません。そこに問題があるのです。離乳の早い子は堅い物も食べますが、遅い子は食べてくれません。この続きは、別にします。
12月17日の講演は川崎市、市労連会館で15時からで、その前の14時から「チェルノブイリハート」という映画を上映します。これも見た方が良いです。参加は自由です。
年内の講演予定は、あとパルシステム埼玉(川口市)ですから、組合員しか入れません。
早期離乳のメリットと遅い離乳のデメリットは別の機会に話します。
国土の20%がチェルノブイリ事故で汚染されたベラルーシの粉ミルクの制限値ぎりぎりいっぱいの値が出たことは驚くべきことだと思います。
森永ヒ素ミルク中毒事件資料館では、セシウム汚染ミルクについてのコーナーをつくり、見解を公開しています。
情報不足で、あまり確定的なことはかけませんが、仮に乾燥工程でセシウムを取り込んだとすれば、その工程が問題になるはずですが、その技術的妥当性の検討を含めた、その後の追跡報道などを、ほとんど見ることはありません。(西日本まで伝わってこないのでしょうか)
日本の麻痺状況は今後に深刻な影響をもたらしかねないと思いますが、過去の負の歴史を忘れた日本人は、なにか、考える基準を失っているようにさえ思えます。
長い歴史をたどってきた先生のような方々に、もっとがんばっていただかなければと願うばかりです。どうかくれぐれも、ご健康を大切にされ、息長く、社会に提言し続けてください。
森永ヒ素ミルク中毒事件資料館 岡崎