花*小紋日記

出張着付師kyoさんの奮闘記

温暖化と着物。

2021-04-22 11:16:11 | 着物
今年はあっという間に桜が終了し、4月というのに藤が満開になっています
すでにゴールデンウィークのような景色です

お着物の柄は季節にあったもの、少し先取りの物を着るのが良いとされていますが、数十年後には季節の花も変わってしまうかもしれませんね


さてさて、4月にご予約のお客様から

「暑いので、単衣(裏地が無い)のお着物でも大丈夫でしょうか?」

のご質問をここ最近何度かお受けすることがありました

着物は季節によって着る種類が変わってきます
厳密にいえば・・・

10月~5月 袷(あわせ)の着物 裏地がついている一般的な着物
6月・9月 単衣(ひとえ)の着物 裏地がついていないので涼しい
7月・8月 夏物(薄物) 絽(ろ)や紗(しゃ)などの種類があり、透け感のある素材

ということを踏まえると、単衣は6月、9月のお着物になります
最近は温暖化の影響で季節が全体に早まっている事もあり、5月から着用されるお客様もいらっしゃいますね

ただ、4月からとなると・・・・少々悩ましいところです
お着物の世界は、「季節・格式」をとても重んじる世界なんです。
その部分が敷居を高くして、着物を着るハードルを上げてしまうという困った一面もありますが・・・

個人的にはお着物は楽しんで着て欲しいので、4月の暑い日に単衣を着る事は大賛成です

ところが、世間ではそう思ってくれない着物通の方がいらっしゃるのも事実です

「4月に単衣なんて常識が無いわ

なんて、思われてしまう可能性もゼロではありません

そこで、提案したいのは・・・

 プライベートな気軽なお出かけでは、単衣でも問題無し
 結婚式、パーティ、お茶会などお呼ばれの場や着物に詳しい方がいそうな場には季節に合った着物を選ぶ


これは、小紋のお着物に対するTPOの考え方にも通じると思います

「七五三や入学入園、卒業卒園で小紋はおかしいでしょうか?」

という質問もお受けします

小紋のお着物はカジュアル(普段着)とされていますが、プライベートな行事ではOK、格の高いお呼ばれの場ではNG
完全プライベートかお呼ばれかを判断材料とするとわかりやすいですね


とは言え、ものすごい猛暑の日に結婚式など、どうしても着物を着なければならないケースはあると思います

「夏の結婚式は夏の着物を選ばなくてはいけないんでしょうか?」

というご質問も過去に何度か受けたことがありました

結婚式については基本的にどのシーズンも「袷」のお着物で問題ありません
式場内は涼しく温度が保たれているので、殆どの列席者は「袷」のお着物を着られています

問題は、往復を電車で移動される場合ですね
さすがに30度の気温の中、「袷」のお着物での移動は無理だと思ってください。
外を3分歩いただけで、大汗、そして熱中症の心配も出てきてしまいます

そこで、お勧めなのは式場やホテル内でのお着付けです
式場やホテルに美容室が入っている場合もありますし、出張着付けを利用して更衣室でお支度することも可能です

花*小紋にも更衣室でのお支度のご依頼が多く、都内のメジャーな式場やホテルの更衣室は殆ど制覇したかもしれません
荷物の持ち運びは面倒ですが、式場やホテルの中で着て脱いで帰れるのでおススメですよ

暑い季節にお着物を着るのは気が引けてしまう場合も多いと思いますが、困った時は是非出張着付けを利用してみてくださいね




花*小紋のインスタグラムは → こちら
素敵なお着物姿がいっぱいです



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