誰も書かない「ハリウッド・ハワイ・米国」の本音トーク

Information about Hollywood, Hawaii and the U.S. 

諜報機関(ちょうほうきかん)【1】 / Intelligence Agency

2018-08-31 | 政治




ワシントン・ポスト紙は28日、日本と北朝鮮の情報当局の高官が7月にベトナムで、米国に事前に伝えずに、極秘接触したと報じた。

The Washington Post reported that Japan and North Korea had a "secret" meeting in Vietnam in July without informing the U.S. The talks were held between Shigeru Kitamura, head of Japan's Cabinet Intelligence and Research Office, and a senior North Korean official in charge of reunification, Kim Song Hye.

このニュースが流れて一目瞭然(obvious at a glance) なのが、前のブログで述べたように、これはワシントン・ポスト紙によるスクープ(特ダネ)ではなく、アメリカ政府からの漏洩(ろうえい leak) ということである。なぜかと言うと、確かにポスト紙のような大新聞は世界のいたるところに特派員(correspondents) を派遣している。日本の5大新聞(読売、朝日、毎日、産経、日本経済)、テレビ局も同様である。ただ民間報道機関が世界の色々な場所で直接取材するのは、まず国によってはかなりの制限があり、また物理的・金銭的に言ってほとんど不可能に近い。この様な秘密が具体的な日時、場所、名前が明らかにされるのは諜報機関からの情報しかありえない。なぜ今、米国政府からのリークなのか?色々な政治的理由が考えられるが、一番は勿論、米朝関係の駆け引きの中での日本政府の行動に対する「怒り」、「牽制」、「警告」であろう。

ここで思い出されるのが、世界的に大ヒットしたハリウッド映画 『007 ジェームズ・ボンド』 シリーズの1962年から2015年までの26作品【"James Bond 007" film series (1962~2015) 26 movies】や、『ミッション・インポッシブル』 シリーズの1996年から2018年までの6作品【"Mission: Impossible" film series (1996~2018) 6 movies】である。これらの映画に頻繁に出てくるのが各国の諜報機関・スパイ組織の工作員(agents)。映画の中ではフィクションや、かなりド派手なアクション場面が沢山出てくるが、それらの組織は現存しており、実際かなり「危ない仕事」をしているのは周知の事実(a well-known fact) である。

有名な巨大諜報機関は、アメリカ合衆国の CIA (Central Intelligence Agency 米国中央情報局)、ロシアの FSB (Federal Security Bureau of Russian Federation ロシア連邦保安庁) 【ソビエト連邦の時代は KGB と呼ばれていた】、英国の MI6 (Military Intelligence Section 6 英国情報局秘密情報部) などがある。勿論、他の先進諸国であるフランス、ドイツ、オーストラリア、また政情不安定な地域のイスラエル、パキスタン、インド、そして日本の隣国、中国、韓国もかなりの額の予算と人員を諜報機関に費やしている。なぜなら国外の政治・経済・社会情勢を独自に、そして正確に把握することは、その国の「国益」に深く関わるからである。

残念ながら日本は海外の情報を得る諜報機関は持っていない。【日本の公安警察は国内だけの業務に限られている。】【アメリカの FBI (Federal Bureau of Investigation 米国連邦捜査局) も米国内のみの治安業務にたずさわっている。】■YS



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なぜ、米国はエルサレムに大使館を移転したのか?/ Opening of U.S. Embassy Jerusalem

2018-05-15 | 政治




5月14日にイスラエル(Israel) のエルサレムにアメリカ大使館が開設された。

大使館を設置するという事は、その場所がその当事国の首都と認定するという事である。1995年に米国議会(U.S. Congress) で既にその決議がなされていたが、3大統領 Presidents (クリントン Clinton、ブッシュ Bush、そしてオバマ Obama)が国際紛争を恐れその実施を長年ためらっていた。■YS


参照ブログ:『エルサレム』(2017/12/9)


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トランプ大統領の訪日/ President Trump Visits Japan

2017-11-04 | 政治




<明日の5日、第45代アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏(The 45th US President Donald Trump) が来日する。

以前のブログ『アメリカ大統領選挙とTV討論会&大統領の訪日』 (2012/10/24) にも書いたが、第二次世界大戦 (World War II 1939~1945)・太平洋戦争 (Pacific War 1941~1945) 後に現職大統領が日本を訪問するのは1974年のフォード氏 (Gerald Ford) が初めてであり、その後、カーター氏 (Jimmy Carter)、レーガン氏 (Ronald Reagan)、ブッシュ氏 (George H.W. Bush)、クリントン氏 (Bill Clinton)、ブッシュ氏(息子) (George W. Bush)、オバマ氏 (Barack Obama) と続き、今度のトランプ氏だ。オバマ氏以外のすべての大統領訪日にたずさわった(計12回)が、勿論、メインは東京だが滞在日数が多い場合は京都、あるいはG7・G8のサミットの場合は地方都市がスケジュールの中に組み込まれる。

大統領・側近たちが乗った防弾仕様車の車列 motorcade (通常が7~8台)が、警察の白バイ・覆面パトカーにガード・先導され、一般道路を猛スピードで走行する光景はちょっと恐怖を感じる。防弾車両 shellproof vehicle は市販された普通車を一端すべて解体し、外まわりの鉄板の厚さを機銃・ロケット砲弾炸裂に耐えるものに変え、防弾ガラスは同じ個所に数発撃たれても貫通しない強固なものを窓枠にはめ込み固定して開かない様になっている。勿論、タイヤもパンクしない特殊なゴムを使用している。異なった状況下でこのような車を数回、運転したことがあるが何せ車両重量が通常の2倍以上あるので、あたかも古いトラックに乗っているような違和感がある。そして困ったことは、日本に多い高速道路・有料道路の料金所である。左側運転席の重いドアをわざわざ開け、車の外に出てぐるっと廻って料金を支払わなければならない。将来、このようなテロ対策の車が日本国内で使われない環境になれば良いのだが。

警官・機動隊の数もはんぱではない。米大統領訪日の際は全国から1~2万人動員される。検問点でのセキュリティ・チェックは厳しすぎるほどで、その点、日本の対策は大変素晴らしいものがある。ただ、日本は昔から世界でも1・2を争う「各国のスパイ天国」であり、比較的自由に国内外のテロリスト予備軍が動き回れる。そしてまた、この時期の北朝鮮の動向が気になる。何事もない訪日・訪アジア諸国を願う。■YS
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弾劾裁判/ Impeachment Trial

2017-05-24 | 政治




第45代米大統領 ドナルド・トランプ氏(Donald J. Trump) が就任してから4ヶ月、次々と疑惑が浮上してきた。米連邦捜査局 (FBI = the Federal Bureau of Investigation) のジェームズ・コミー (James Comey) 前長官の解任や、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相 (Russian's Foreign Minister Sergei Lavrov) との機密漏洩とされる事案などで米議会による弾劾の動きが出てきた。米司法省 (the US Department of Justice) は政権から独立した権限を持つ特別検察官 (Special Counsel) に元FBI長官ロバート・モラー (former FBI Director Robert S. Mueller III) を任命、ロシア疑惑解明に乗り出した。

大統領の弾劾とは「大統領をやめさせる制度」で、アメリカ憲法第2条第4節には「大統領、副大統領およびすべての文官は、反逆罪、収賄罪または他の重大犯罪および非行行為によって訴追され、かつ有罪の判決を受けた場合は、その職を免ぜられる」と規定されている。The U.S. Constitution: Article 2 Section 4; "The President, Vice President and all civil officers of the United States, shall be removed from office on impeachment for, and conviction of, treason, bribery, or other high crimes and misdemeanors."

米下院 (the House of Representatives) が出席議員過半数の同意により訴追を行い、米上院 (the Senate) がそれに基づき弾劾裁判を行う。大統領を罷免するためには上院の出席議員の3分の2以上の同意が必要。

過去、弾劾で辞めさせられた大統領はまだいないが、1867年のアンドリュー・ジョンソン、1974年のリチャード・ニクソン、1999年のビル・クリントンの3回ほど問題となった:

1) アンドリュー・ジョンソン(Andrew Johnson /第17代大統領 1865~1869)
  下院で訴追されたが上院で辛うじて弾劾をまのがれた。

2) リチャード・ニクソン(Richard Nixon /第37代大統領 1969~1974)
  民主党本部で起きた盗聴侵入事件、いわゆるウォーターゲート事件(the Watergate scandal)
  に始まった政治スキャンダルで、下院の司法委員会は司法妨害、権力乱用、議会侮辱を理由として、
  訴追勧告を決定。この勧告に従い下院が訴追決議する前に大統領が辞任したため、弾劾裁判は
  開かれなかった。

  余談だが、このウォーターゲート事件で世界的に有名になったのがわが駐日米国大使(2001~2005)
  だったハワード・ベーカー氏 (Howard H. Baker, Jr.) である。当時、上院特別委員会副委員長
  として事件を追及した際の質問、「大統領は何を知って、それをいつ知ったのか。」 "What did
  the President know, and when did he know it?" は大変有名である。広島と宮島視察
  訪問同行の際、食事などを一緒にさせてもらったが、大変温厚な紳士だったことが思い浮かぶ。
  2014年6月に亡くなられたことを最近知った。『ご冥福をお祈りいたします』

3) ビル・クリントン(Bill Clinton /第42代大統領 1993~2001)
  不倫スキャンダル、いわゆるモニカ・ルインスキー事件(White House Intern Monica
  Lewinsky) で下院による訴追決議の後、上院での弾劾裁判の審議がされたが、無罪判決を受けた。

  これも余談だが、我々の知っている例の白い建物の『ホワイトハウス』では大統領ほか職員は
  そこでは仕事をしていない。その建物が使われるのは、重要な法案を署名するとか、何かマスコミに
  アピールするようなイベント・行事が行われる時のみである。実際の執務室群はその建物の地下に
  ある広大なスペースである。地下のまさにそのスキャンダル現場に研修で一度だけ入ったことがある‼

現在、米議会(the US Congress) の勢力は:
下院[定数435]は、共和党238、民主党193、欠員4
上院[定数100]は、共和党52、民主党46、無所属2
なので、共和党のトランプ大統領は弾劾の恐れはないはずだが、共和党内部には結構反トランプ議員も多いので事態は予断を許さない。■YS


    
  
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大統領令/ Executive Order

2017-01-28 | 政治




ドナルド・トランプ新大統領(President Donald Trump) が就任してから未だ1週間だが、次々と重要な「大統領令」に署名をし続けている。★「大統領令(Executive Order)」とは: 議会の承認や立法を経ずに直接、連邦政府や軍に発令する命令で法律と同等の効力をもつ強力な権限(the full force of law)。ただし、連邦最高裁判所が違憲判断を出したり、連邦議会が反対する法律を作って大統領令に対抗することはできる。

主な発令に:
■TPP・環大平洋経済連帯協定《Trans-Pacific Partnership Agreement》からの離脱
 (The withdrawal from TPP negotiations and agreement)

■パイプラインの建設促進で、カナダから米国に原油を輸送する「キーストーンXL・パイプライン」とノースダコタ州に石油パイプライン「ダコタ・アクセス」の建設
(To advance the construction of "the Keystone XL Pipeline" and "the Dakota Access Pipeline")

■不法移民対策の強化(Border Security and Immigration Enforcement Improvements)
 □メキシコ国境沿いの壁の建設(The construction of a US-Mexico border wall)
 □一部の都市が不法移民に対して強制送還などに協力的ではないとして、それらの都市への連邦補助金の廃止
(The stripping of federal grant money to sanctuary cities)
 □5,000人の国境警備隊の増強(Hiring 5,000 Boarder Patrol agents)
 □不法移民・滞在者、犯罪人などの強制送還(Deportations of illegal immigrants, criminals, etc.)

■オバマケア撤廃を目指す
医療保険制度改革(通称・オバマケア ObamaCare) による経済的負担を軽減

非常に無謀な命令の数々だが、新大統領と同じ年代で、最近まで米国民だった自分としては若干、理解できるところもある。この半世紀の米国の社会を振り返ってみると、一口で言うと人々が『アメリカ人としての自信』をなくし、生活に余裕がなくなり、『良きアメリカの時代』を完全に失っている感がある。大きな理由は(1)第二次世界大戦以降、世界中の地域紛争・戦争に介入しすぎたこと、(2)移民、不法入国者に寛容しすぎたことである。それらによって『世界での米国の地位』、そして米国の経済・社会秩序は以前と比べるとかなりひどくなっているからである。オバマ前政権と180度違った政策が世界でどこまで通用するのか、世界がどの様に変わるのか、日本の対応は...これからが大変不安である。◇YS

参考ブログ
「米国とメキシコの国境・不法移民」(2016.2.24)
「なぜ米国が世界で嫌われるのか?」(2012.7.28)
「アメリカ合衆国という国を理解するには?」(2012.4.27)
「米国の都市ーメンフィス、サンアントニオ、サンタフェ、ティファナ(サンディエゴ)」(2010.1.28)
「不法在留外国人」(2009.4.17)

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2016 アメリカ大統領選挙戦(U.S. Presidential Campaign)

2016-02-15 | 政治





4年に一度のアメリカ大統領選挙の年が、またやって来た。今年の11月8日に全米で投票が行われるが、その前に民主党と共和党の代表候補者選びが1年がかりで行われている。連日、日本の新聞・テレビ等でも報道はされてはいるが、その選出システムがかなりややこしいのと、多様民族国家の米国の選挙活動でアメリカ人の思想を分析するのはかなり難しい。【参照ブログ:『米国の大統領選挙&2大政党制』 (2012/1/16) ・『アメリカ大統領選挙とTV討論会&大統領の訪日』(2012/10/24)】これからどうなるか誰にも全く予想出来ないだろう。

■現時点では民主党の (Democratic Party) の
バーニー・サンダース米上院議員 (Bernie Sanders; US Senator/Vermont)
ヒラリー・クリントン前国務長官 (Hillary Clinton; Former Secretary of State/New York)
■共和党 (Republican Party) の
ビジネスマン、ドナルド・トランプ (Donald Trump; Businessman/New York)
テッド・クルーズ米上院議員(Ted Cruz; US Senator/Texas)
マルコ・ルビオ米上院議員 (Marco Rubio; US Senator/Florida)
ジェブ・ブッシュ前フロリダ州知事 (Jeb Bush; Former Governor/Florida) らが代表候補者選出を一歩リード。
□YS
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アメリカ合衆国とキューバ関係 ・ 国交正常化へ / Normalization of the U.S.-Cuba Relations

2015-01-02 | 政治

先日、オバマ米大統領が54年間も敵対関係(more than a half-century of enemy) にあった隣国キューバとの外交関係の回復 (the restoration of full diplomatic relations) を突然発表した。歴史に残る大変すごい出来事である。

アメリカ合衆国のわずか南145㎞に位置するカリブ海 (the Caribbean Sea) のキューバ島[面積は日本の本州の約半分]は発見されてからスペインの植民地 (colony) となり、1898年の米西戦争(スペイン・アメリカ戦争 / Spanish-American War of 1898)で米国が勝利。後の1902年に米国依存の独立国 (independent state) になった。1959年革命政権 (revolutionary regime) が誕生しフィデル・カストロ (Fidel Castro Ruz) が首相に就任。冷戦時代のソ連に急接近し正式な外交関係を結び社会主義国となった。それ以来、米国と敵対関係にある。2008年健康上の理由でカストロは引退し、現在は弟のラウル・カストロ (Raul Castro Ruz) が議長(国家元首・首相)になっている。人口は約1100万人。

両国の関係で最も有名なのに『キューバ危機 』(Cuban Missile Crisis)がある。1962年10月14日~28日の大事件で、米ソ間の冷戦の緊張(the tension of Cold War) が、核戦争(nuclear war) 寸前まで達した危機的な状況が起こった。簡単に言うと、当時のソ連(the Union of Soviet Socialist Republics) の首相ニキータ・フルショフ(Nikita Khrushchev) とフィデル・カストロとの合意でソ連がキューバに弾道ミサイル(ballistic missiles) を配備することになった。それに危機感を感じた米国がキューバ周辺の公海上の海上封鎖(a naval blocade over international waters) 及びソ連船の臨検(official inspection) を行うことでソ連船のキューバ入港を阻止しようとした。この緊張した状況の中で、ジョン・F・ケネディ米大統領(President John F. Kennedy) とフルショフ首相が何とか交渉しその結果、この最悪のシナリオは回避された。このキューバからのソ連核ミサイル配備の撤退によって、米ソ間で合意されたのは ① (ソ連の脅威となっていた)トルコからの米核弾頭の撤退 ② 米国は挑発的にキューバを侵略しない ③ 米ソ間の「核ホットライン」の設置などである。

政治的、経済的、そして社会的に色々な思惑が (views and opinions) があって、キューバ国内・米国内はもとより世界中で賛否両論 (the pros and cons) が飛び交っているが、平和でキューバの人々がもっと豊かで幸せに暮らすことができればこの動きは歓迎されるべきである。

話は変わるが、アメリカ大陸 (American continent) におけるスペインの影響力 (influential power) は大きくスペインの植民地化は15世紀から17世紀にかけて活発だった。現在、アメリカ合衆国は勿論、キューバを含む中南米諸国33ヶ国の内、18ヶ国でスペイン語が公用語 (official language) として話されている。他の12ヶ国は英語圏で、ブラジル(ポルトガル語)、ハイチ(フランス語)と スリナム(オランダ語)の3国のみが独自の言葉を使っている。

□YS
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憲法 (Constitution) [&参議院議員選挙]

2013-07-21 | 政治
*** ***** ***

日本の参議院議員選挙の投票日。選挙キャンペーンの争点の1つとなるべき筈の憲法改正問題がほとんど議論されずじまいだった。経済問題、「ねじれ国会」解消のみが新聞・テレビで取り上げられるような毎日の様だった気がする。大変残念である。

現在も機能している世界最古の憲法であるアメリカ合衆国憲法(the U.S. Constitution) は226年前、独立宣言から十数年後の1787年に制定された。ジョージ・ワシントン(George Washington 初代アメリカ大統領)、ジョン・アダムス(John Adams 第2代大統領)、ジェームズ・マディソン(James Madison 第4代大統領)、ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin 政治家・物理学者)、その他多数が憲法の起草者として名を連ねるが、彼らがはっきりと認識していたのは「予測される国の成長に応じた変化に対応して憲法を持続すること、それと同時に誤った考えを入れたり性急に修正したりしないようにそのような変更は容易であってはならない」ということだった。

現在までに、この憲法には27回修正・改正(amendment) がなされている。

余談だが、米国研修の際にワシントンDCにある the National Archives (米公文書館)を訪れる機会が何度かあった。だだ広い玄関ロビー中央のショウケースに納められた憲法の原文を見ると今までに経験したことがないような身震いがした。合衆国建国初期の39名のそうそうたる米政治家たちの直筆の署名がしてある公文書はこれ以外にはないからだ。

周知のとおり日本国憲法は、連合国軍占領中に連合国軍最高司令官総司令部(General Headquarters, the Supreme Commander for the Allied Powers = GHQ/SCAP) の監督の下で1946年に公布された。従って起草文は米国の憲法も参考にした20数名の米国人司令部スタッフによって書かれ日本政府の合意のもとでつくられた。

そして、この日本国憲法はこの67年間、一度も修正・改正がなされていない。

この間、日本の社会は大変大きく変わった。米憲法起草者たちの英知にあやかるわけではないが、この時代に最も適合した法律の下で人々が平穏で安定した世の中で幸福な日々が送れれば最高である。憲法改正問題の議論の活発化、長期の円熟した議論の末の結論を期待する毎日である。#YS

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アメリカ大統領選挙とTV討論会 & 大統領の訪日 / US Presidential Campaign & TV Debate ・ US Presidential Visits

2012-10-24 | 政治
★★★★★★★★★★ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ★★★★★★★★★★ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆





■いよいよ11月6日の米大統領選挙 (U.S. presidential election) が迫ってきた。再選を狙う現職の民主党バラク・オバマ(Barack Obama - Democratic) か、あるいは共和党のミット・ロムニー (Mitt Romney - Republican) か、現時点では五分五分の状況にある。両候補者はつい先日3回のテレビ討論会 (TV debate) を行った。「たった3回」といっても、アメリカでのテレビの影響力は想像を絶するものがある。経済不況、雇用・失業問題、外交政策の違いなど色々なことが論議された。が、結局のところ、ただ単純に候補者のテレビのイメージが勝敗を支配するのではないかとも言われている。化粧のしかた、背広やネクタイの色、ジェスチャーなどの形振り(なりふり)などなど、一般の大衆にはそちらのほうがわかり易い。(日本の大衆も似たり寄ったりかも。)

任期満了の4年ごとにテレビ討論会が行われるのだが、過去、様々な候補者がテレビのイメージづくり対策に苦慮してきた。有名な話が最初にこのイベントに登場した1960年のジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy - Democratic) とリチャード・ニクソン(Richard Nixon - Republican)。怪我で病み上がりで痩せこけていたニクソン候補に対し、ケネディ候補は健康そのもので力強く自信に満ちていた。おのずから7000万人のテレビ視聴者の支持はジョン・ケネディにながれていった。それ以来、年々テレビの影響力が大統領選挙に重要な役割を果たしてきている。米メディアが討論会の初回はロムニー候補圧勝、2回めはオバマ候補がやや優勢、3回目もオバマと大々的に報道したのも、その理由からだ。

近年で2期連続8年の任期を全うしたのは(米法律で大統領任期は2期に制限されている)、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush - Republican) 、ビル・クリントン(Bill Clinton - Democratic) 、ロナルド・レーガン (Ronald Reagan - Republican) 。さて、オバマにもそのチャンスがあるのかどうか?! どちらに転んでも胸がドキドキする。

■大統領といえば、就任後に同盟国である日本に早期に訪問するのが最近の傾向だが、第二次世界大戦後(1939-1945)、最初に日本を正式訪問したのは30年近く経った1974年のジェラルド・フォードだった。米総領事館の報道担当官としての役得で、大統領訪日の際はそれ以来毎回、京都・大阪・東京・沖縄のいずれかでホワイトハウス・スタッフ、あるいは大統領護衛のシークレットサービスと一緒働くことになった。[オバマ大統領の訪日の際はすでに定年退職している。]

《大統領訪日時期》
ジェラルド・フォード(Gerald Ford 1913-2006)
     1974年11月18~22日
ジミー・カーター(Jimmy Carter 1924- )
     1979年6月24~29日(東京サミット出席のため来日)
     1980年7月9~10日(葬儀出席のため)
ロナルド・レーガン(Ronald Reagan 1911-2004)
     1983年11月9~12日
     1986年5月2~7日(東京サミット)
ジョージ・H・W・ブッシュ(George H. W. Bush 1924-2018)
     1989年2月23~25日(葬儀)
     1992年1月7~10日
ビル・クリントン(Bill Clinton 1946- )
     1993年7月6~10日(東京サミット)
     1996年4月16~18日
     1998年11月19~20日
     2000年6月8日(葬儀)
     2000年7月21~23日(九州・沖縄サミット)

[実は、クリントン氏がアーカンソー州知事時代、全米では全くの無名だった。アーカンソー貿易使節団で3度大阪を訪問して、2度記者会見を担当したのも何かの縁だったのだろう。]

ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush 1946- )
     2002年2月17~19日
     2003年10月17~18日
     2005年11月15~16日
     2008年7月6~9日(北海道洞爺湖サミット)


[エピソード 1]毎回そうだったのが、大統領が日本に来る2~3週間前から準備が始まる。1番労力を消耗するのが訪問先の現場作業。特に大変なのが、日米首脳会談以外のプライベイト・観光のスケジュールだ。特に「くたびれた」のが京都の神社・仏閣、庭にある飛び石の数、所要分数、セキュリティなどなど、毎日毎日一日中、同じ事のくりかえし、そして日本側との交渉。当日、何も問題なく上手くいって当たり前で、雨の際はすべて予定変更になってしまう。

[エピソード 2]大統領夫人 (First Lady) の同行お忍び訪問は、ジミー・カーター大統領のロザリン夫人、通訳、シークレットサービスと自分の4人で重要無形文化財(人間国宝)の友禅作家の家に行った時だった。京都の典型的な家、いわゆる「うなぎの寝床」で間口が狭く奥行きが非常に長い家屋で、ちょうど真ん中くらいの八畳間に豪華な着物が掛けてあった。「これは夫人への贈り物ですか?」と聞いたら、「いや、これは1000万円以上するので勘弁してください」と家の人の言葉。無知とはいえ大変失礼な質問をしたと後から後悔した! 作家の案内で着物のデザインから染めの工程、出来上がりまでの一時間30分の見学。

[エピソード 3]大統領機は通常2機で飛来し、1機は大統領一行に、もう1機はワシントンD.C. の大統領同行記者団の70~80名にあてられる。この新聞記者・テレビレポーターは日本の報道機関とは区別され、取材面でかなりの優先・特典が与えられている。アメリカの3大TVネットワーク(NBC、CBS、ABC) と CNN の看板ニュースキャスターを見つけると胸がときめいたものだ。

[エピソード 4]沖縄サミット(2000年7月21~23日)の先進9カ国首脳会議でのハプニング。歓迎夕食会の舞台でサミット・イメージソングを歌手の安室奈美恵と20数名のダンサーが披露した。そこまでは良かったのだが外務省の車両手配の不手際で、9名の首脳(米ビル・クリントン、日・森喜朗、露ウラジーミル・プーチン、英トニー・ブレア、仏ジャック・シラク、独ゲアハルト・シュレーダー、加ジャン・クレティエン、伊ジュリアーノ・アマート、欧州委員長ロマーノ・プローディ)がその会場にくぎづけ。皆、何もすることがなくただ会場をブラブラ。クリントン大統領なんかは、歌手・安室やダンサーの女の子たちと記念撮影。自分も便乗してクリントン氏と握手。結局30~40分以上も何もなく、皆、手持無沙汰だけが残った時間帯だった。

仕事とはいえ、これらの貴重な体験をさせてくれた米国務省に感謝する。 #YS 

★★★★★★★★★★ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  ★★★★★★★★★★ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 
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米国の大統領選挙 & 2大政党制/ US Presidential Election System and The Democratic and Republican Parties

2012-01-16 | 政治




★★アメリカで今年最大の関心事といったら11月6日に行われる大統領選挙だ。と言うのも、もうすでに選挙活動が活発に行われているからで1年掛りの選挙戦はとうてい日本人には理解出来ないだろう。日本では大統領は国民の直接投票で選ばれると思われているが厳密にはそうではない。それは2大政党の歴史と複雑な選挙制度が絡み合っていて、いくら米国通と云われている教育者でも詳しく説明出来る人は数少ない筈である。★★

2大政党の支配・民主党と共和党(the Democtatic and Republican parties)
連邦議会議員ならびに州議会議員(national and state legislators)の選出方法の基準となっているのは「小選挙区制(single-member district system)」である。選挙区で最高得票数を得た候補者が選出されるシステムで1選挙区につき1政党の候補しか当選出来ない。従って、それを実現出来る大きな基盤を持つ2つの政党が台頭することになる。1860年以降、民主党と共和党が選挙政治を支配している。小政党、第3政党の出番はほとんどない。なぜなら主要政党と組まない限り長期的な存続は困難であるし、大部分の州では「相乗り(1人の候補者が他党の候補者名簿にも載る)」を禁じているからである。

選挙人団制度(the electoral college system)
国民は各州で特定の大統領候補者への支持を誓約している「選挙人(electors)」に票を入れるのであって、大統領候補者に直接投票するのではない。50州には538人の選挙人がいて大統領になるためにはその過半数以上(270票)を獲得しなければならない。各州の選挙人票は勝者独占方式で、州内の一般投票の最高得票数を得た党が州内の選挙人数すべてを獲得する。小選挙区制と同様、第3政党にはこの制度は不利である。新政党の名前を州内候補者名簿に載せるには色々な制約と費用の面で困難で、さらに大政党には連邦選挙運動法で特典があり、少数党の出現を難しくしている。ちなみに538の選挙人票の各州の割り当ては、その州から選出される連邦議会上下両院議員の合計数と同じである。(上院議員 Senators 100人、下院議員 Representatives 435人、そしてコロンビア特別区 the District of Columbia の選挙人の3人。)選挙人の選出方法は州によって異なるのも選挙制度を複雑にしている。

大統領候補者指名方式(distinctive nominating process of presidential nominees)
世界の民主主義国家の中でも米国は唯一、連邦議会および州政府の党派候補指名において予備選挙(primary election) に依存し、大統領指名候補の選出において、州レベルの大統領予備選挙を採用している国である。この指名方式により、有権者は予備選挙で一般選挙のための党の候補者を選ぶことになる。この米国独特の方式が「第3政党」にとってはさらなる構造障壁になっている。

★いや、米国の大統領選挙制度は大変ややこしい。YS#★
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