
最近の日本のニュースで、若者(あるいは中高年層)の転職の多さが話題になっているが、「年功序列」の賛否にとらわれず行動している人々が多くなってきている。また、新規採用、転職にかかわらず、「多様化する採用面接」とか「AI 面接」など採用する側、採用される側のスタンスが議論されてきている。
米国では昔から、広大な土地のせいか、戸籍がないせいか、移民の国のせいか、狩猟民族のせいか、家族構成の要因か、何かよくわからないが、住んでいる土地への愛着心は日本のそれ程でもない。したがって、仕事の転職は日常茶飯事(=everyday occurrences)である。
アメリカのベストは、仕事をどんどん変えながら「キャリアアップ」することである。アメリカ人たちの履歴書を見せてもらうと一目瞭然(=obvious at a glance)である。日本だったら2枚で終わるところアメリカは3~5枚、多い人は10枚にも達する。最近は個人情報うんぬんで、非常にうるさくなってきているので、今は全くそれはないが。
リタイアした自分も、以前からその様な考えを持っていた訳ではない。ただ主な転職に関して言うと、以前のブログにも少し書いたが、生涯に絶対に忘れられない3人の「恩人(=a feeling of moral indebtedness)」がいる。この3人の共通点は、組織あるいは会社のトップで、見ず知らずの青二才(10代後半から20代)であった自分に、①初対面で、②1対1で、③短時間で即その場で、④無条件で職をくれたことである。今では絶対にあり得ないことだ。通常だと面接試験とか筆記テストとか長い長いプロセスを考えるが、それらは全く無しだった。それは「ラッキー」と言うか、「運がよかった」と言うか、あるいは「奇跡」と言うか....、いや、やはり「奇跡」であろう。自分としては全く信じられないことが3度も起きた。そして、⑤3人とも大きな組織の中で地位が高いので、平の自分が就職後に、この3人とは会う・話すチャンスは2度とあるいはほとんどなかった。(50数年前に実際に起こった夢のような話である!)
最近、インターネットを駆使して、長年ほとんど覚えていないその方々の正確な顔・名前・地位がやっと若干判明したので、また、すでにお亡くなりになっていたのでご冥福をお祈りするとともに、「心からの感謝」の気持ちを表すためここに列記したい。
▢モーリス・プレストン中将(在日米国軍総司令官 & 米第5空軍司令官)
[Lieutenant-General Maurice A. Preston (1912~1983),
Commander-in-Chief of the US Forces in Japan,
and Commander-in-Chief of the 5th US Air Force]

▢三船敏郎社長(株式会社三船プロダクション & 映画俳優)
[Mr. Toshiro Mifune (1920~1997),
President of Mifune Production Co. Ltd.,
and movie actor]

▢パウエル総務部長(駐日アメリカ大使館情報局総務部長)
[Mr. ----- Powell (-- unknown --),
Chief of the General Affairs Dept.,
US Information Service at the US Embassy in Tokyo]

まあ、「転職」には人それぞれの考え方の違い、経済・家族構成の制約などなど、色々事情はあると思う.....。自分のスタンスはどうだったかを今思い出してみると、「どんな仕事でもいい、どんな部署でもいい、入れてもらえればそこで自分の最善の努力をする。(=一番下からの挑戦)」、「最初の給料はいくらでもいい、入った後で考え、何とかやりくりする。」で、その組織・会社に入りたい熱意は人一倍あったと思う。(1970年代はPC・Eメール・スマホも発明されていなく、何でも「やりとり」は手紙か固定電話のみ。)なので、上記3人の方々への自分の熱意は伝わったと思う。
■YS