誰も書かない「ハリウッド・ハワイ・米国」の本音トーク

Information about Hollywood, Hawaii and the U.S. 

マッカーサー元帥 (Commander in Chief of the United Nations Forces Douglas MacArthur) 

2015-02-18 | 歴史
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マッカーサー元帥と昭和天皇




「ゴードドドー、ゴードドドー」爆音 (roar)・地響き (rumbling of the ground) と共に3畳間の裸電球が揺れる。木の格子窓から覗くと、かなた遠方から砂埃 (dust) が舞い上がり、それが段々と近づいてくる。砂埃の切れ目から突然、進駐軍(のちに駐留軍と呼ばれる; occupation forces) の戦車 (tank) とジープ (jeep) の長い車列が目の前に現れる。沿道に出てきた人々は手を振ってチューインガム、チョコレートなどを車上の米兵 (service-persons) にせがむ...。それは3歳だった子供が毎朝見た光景で、いまだに昨日だったかのように鮮明に思い出される。1950年当時、五街道の一つと呼ばれていた甲州街道は東京都心の新宿でも舗装が全くされていない (unpaved) 土とじゃり道 (soil and gravel road) だった。敗戦間もなく傷心しきった人々が敵国の軍人を「歓迎・あこがれ (welcome/admiration)」のまなざしで受け入れたのは、やはり連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーの力量 (ability) があった。米軍部隊 (US Forces) が日本に上陸したときには、日本の男は奴隷 (slave) にされ、女は強姦 (rape) されるだろうとの噂 (rumor) が日本中に流れていたのに180度反対の状況に変わっていった。[まさか16年後に自分自身がその在日米軍司令部(通常は第5空軍司令部が兼務)で働くとは夢にも思わなかったが...。ブログ『沖縄の嘉手納・普天間基地&在日米軍』参照。]

マッカーサー元帥が唯一、日本人とのツーショット写真(two-shot photo) を撮ったのは「昭和天皇(Showa Emperor Hirohito)」とだけである。[ブログ『アメリカ大使館公邸』参照。]マッカーサーは意図的 (intentionally) に天皇家・日本人との間に距離を置くことによってにカリスマ性 (charismatize) を日本国民に植えつけることに成功した。終戦直後の昭和20(1945)年8月30日、厚木飛行場(神奈川県厚木市)にコーン・パイプ(corn pipe) を口にくわえ飛行機から降り立つ写真は日本のみならず世界中にマッカーサーの名前を知らしめた。(それで後にアメリカ大統領候補をねらったが、それには失敗した。)自分も小さい頃から、他の人々と同様に「天皇も『神 (God)』だが、元帥も他国から来た『神の神 (God of Gods)』だ」と信じ切っていた。日本国憲法の作成・施行、象徴としての天皇の存続、ソ連側の要求の拒絶(北海道分離案)、画期的な教育制度の改革(6・3・3制の誕生)、宗教の自由、農地改革、公職追放指令(吉田茂首相の誕生)などなど現在の日本の民主主義 (democracy)・繁栄 (prosperity) の基礎 (foundation) を築き上げた功績 (achievement) は計り知れない。ただ「マッカーサー」の名前も60代以下の年齢層には忘れられた存在になりつつある。 "Time flies, doesn't it?"

余談だが (In this connection, I may add that..)、マッカーサーが日本人政治家の中で最も高く評価していたのが第45、48、49、51代内閣総理大臣の吉田茂だった。そして元帥 (General) と総理大臣 (Prime Minister) の面談は75回も行われており信頼関係を強固なものとしていった。(それでも彼らのツーショット写真は存在しない!)その証拠に1964年にマッカーサーが亡くなったとき、吉田は高齢(85歳)にもかかわらず渡米して葬儀に参列した。実は吉田茂氏は明治時代中期(1894年)、日本中学校(前東京英語学校、現日本学園中学校)で学んでおり、英語力はズバ抜けていた。[くしくも (strange to say) 自分も日本学園中学校の卒業生!] ■YS




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宗教 (イスラム教・アメリカ合衆国とキリスト教) / Religion (Islamism; and Christianity in the US)

2015-02-05 | 歴史
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大昔の人たちには様々な大きな「謎 (mystery)」があった。自然現象や人間そのもの存在など多くの謎に答えを出そうとしたのが「神話 (myth)」であり、それによって宇宙、国、文化などの起源 (origin) が説明された。そして人間の死についての問いに答えようとしたのが今日の「宗教 (religion)」と呼ばれるものである。そして生き方によって死んでからの世界が異なるとすれば、どのように生きなければならなのか、ということでキリスト教 Christianity (西暦0028年伝道開始・現在の世界人口約22億人)、イスラム教 Islamism (西暦0614年伝道開始・同約13億人)、ヒンドゥー教 Hinduism (紀元前1000年成立・同約8億7000万人)、仏教 Buddhism (紀元前0428年成立・同約3億8000万人)、ユダヤ教 Judaism(紀元前0477年成立・同約1500万人) の5大教ほか多くの宗教が生まれてきた。そして科学の発達と共にかつての謎のいくつかが解明されてきた。

各宗教を一言でいうと、キリスト、ユダヤ、イスラムの3大教は元々『神 (God)』は同じ1つであり、「聖都 (the Holy City)」は3つともイスラエル Israel の中にある「エルサレム(Jerusalem)【国連によって定められた治外法権の場所】」である。ヒンドゥー教は『多神教 (polytheism)』。仏教では「仏」は仏陀(ブッダ)・お釈迦様を指し、悟りを開いた人間で、悟りの世界に入った段階で人間ではなくなり「特別な存在」となる。仏教の世界では西洋的な「神」の概念は存在せず、イエス・キリストが「父なる神」と崇める対象をあえて求めるなら、それは『天』としかいいようがない。

宗教の最終目的は「信者たちの平和と幸福」であるのに、現実はそれとはほど遠い宗教・民族戦争、紛争が頻発しているのが実情。いつまでたっても絶えない宗教・民族戦争、紛争の主な理由としては、①どんな教義を掲げても本質的には自分のところが最良であり、他は邪教という独善性がある。②自己勢力拡大のため妨害する宗教にはあえて闘争も辞さない。③自分たちの「宗教王国」をもくろんでいる。【以上、「図解世界5大宗教入門」監修者ひろちさや・主婦と生活社より抜粋】

それを象徴しているのが中近東諸国。この人種的、派閥的、宗教的に加え、政治的、利権的要素が複雑に絡み合い、ちょっとやそっとではこの地域での平和は当分望めそうもない。この中東諸国の人々の大半は「ムスリム(Muslim) 」(=イスラム教信者のこと)で、たまたま本国・米国務省の視察研修でサウスキャロライナ州チャールストン市(Charleston, South Carolina) にあるイスラム教のモスク mosque (=礼拝をする場所のこと)を訪問する機会があった。男尊女卑なのか?礼拝は男女の居場所が明確に分かれていて、男性の信者はモスクの前で、女性の信者は後ろの隅っこの位置か、別部屋か、自宅で行う。「図解世界5大宗教入門」によると、ユダヤ教ならびにイスラム教ではあからさまな女性蔑視こそしていないが「女性差別」はあると。そして男性の肉欲を刺激し快楽に溺れさせて正しい信仰心を失わせしめるものという認識があり、女性への敵視が蔑視に変わり差別につながったとしている。まったくイスラム教に無知だったので、ムスリムが行っている動作を見よう見まねでやってみることにした。ひざまずいて、おじぎをするというよりは、頭を地面につけ伏せて祈るのだ。慣れていないせいか何とも居心地が悪く違和感があった。

アメリカ合衆国について言うと、以前のブログ『アメリカ合衆国という国を理解するには?』に書いた通り、キリスト教という宗教を知らないとこの国の社会、習慣、人の物に対する考え方などなどを全く理解することが出来ないと言っても過言ではない。(ブログ参照のこと。)その証拠に人口約3億2千万人の内の77%にあたる約2億5千万人がクリスチャン Christians だからだ。キリスト教には様々な宗派 (sect) が存在するが、大きく分けて52%がプロテスタント (Protestant) 、23%がカトリック (Catholic) 、その他が2%と言われている。

宗教色が顕著に表れているのが、合衆国における公式な国家のモットーである "IN GOD WE TRUST" 『われわれはゴッドを信じる』がすべてのドル貨幣・紙幣(coins and currency) に印字されている。そして宣誓式(oath ceremony 大統領・政治家が要職に就任する際、あるいは米国民になる際)には直立不動の姿勢をとり、聖書の上に左手をおき、右手を挙げて『忠誠の誓い(Pledge of Allegiance)』を述べる。"I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all." 『私はアメリカ合衆国の国旗と、その国旗が象徴する共和国、の下に一つとなって分かたれず、全ての人に自由と正義が約束された国に忠誠を誓います。』と42年前に経験したことを思い出した。

余談だが、親しいアメリカ人の友人と会うと必ず出てくるのがこの宗教談話。そして必ず聞かれるのが「日本人の宗教について」。自分の答えはいつも "the mix of Buddhism, Shintoism, Confucianism and Christianity; And also, naturism" である。すなわち「ひとびとの日々の心得・慈悲の概念・社会のしくみは仏教、神道、儒教、キリスト教と自然崇拝を混合したもので、それらによって影響をうけている」と説明することにしているのだが...。正月、初詣、鏡開き、七草がゆ、節分(豆まき)、桃の節句(ひな祭り)、母の日、バレンタインデー、花祭り、イースター(復活祭)、端午の節句(こいのぼり)、七夕、お盆、中秋の名月(一五夜)、ハロウィン(収穫祭)、七五三、秋のお彼岸、クリスマス、クリスマスケーキ、年越しそば、除夜の鐘などなどの行事・慣習が沢山あり、現実的に日本では仏教、神道、キリスト教も冠婚葬祭宗教と化しているし、何でも必要なときに近くにあればよいし、近くにあるものなら宗教や教義が多少異なったところで意にかない御利益さえ与えてくれれば「良し」としているのだ。

多くの日本人が、自分は「無宗教」だとか「仏教」などと平気で言うが、本当のところどうだろう?「宗教にまったく無知なのでは?」 □YS


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