ロシアによるウクライナ侵略戦争により、今まで表舞台に出たことがなかった各国の諜報機関(ちょうほうきかん intelligence agency)、特に英国のMI6と米国のCIAの情報が脚光を浴びている。ロシア軍の軍事行動を偵察衛星、通信盗聴、AI(=artificial intelligence)などを駆使し把握、正確な情報をウクライナ政府に提供しウクライナ国土防衛に寄与している。
スパイ活動と言うと、第二次世界大戦後(World War II 1936~1945)の西側諸国(アメリカ合衆国を盟主とする資本主義・自由主義陣営)と東側諸国(ソビエト連邦を盟主とする共産主義・社会主義陣営)間の「冷戦時代 Cold War」に、スパイ戦争と言われるぐらい各国の諜報部員(secret agents)が世界中のいたる所で暗躍していた。特にロンドンと東京はスパイのねぐら(=nest)あるいはスパイ天国と呼ばれるほど自由に、そして大胆かつ大規模に行われていた(いる)。全く認知されない暗殺、殺人、拉致、行方不明などが闇に葬られた(る)。大勢の日本人が北朝鮮の工作員(スパイ)によって拉致されたり行方不明なっていることは、周知の事実である。
まさに、ハリウッド人気映画『007 ジェームズ・ボンド "007 James Bond" 』(シリーズ・合計25作 1962~2021)やトム・クルーズ主演の『ミッション・インポシブル "Mission :Impossible" by Tom Cruise 』(シリーズ・合計8作 1996~2024)などに出てくる映画シーンそのものである。
共産主義国・社会主義国が設置している大使館・領事館の職員のほとんど全員が情報収集、諜報活動に従事していることは認知されていることで、今回のロシア侵略戦争の報復措置として、日本の公安庁が特にマークしているロシア外交官らスパイ8人を大量国外追放したことは珍しい。
著名な諜報機関:
◇MI6 (=Military Intelligence Section 6 / =Secret Intelligence Service)「英国情報局秘密情報部」
1909年設立。人員:約3,200。
◇CIA (=Central Intelligence Agency)「米国中央情報局」
1947年設立。人員:約22,000。
◇FBI (=Federal Bureau of Investigation)「米国連邦捜査局」
1908年設立。人員:約35,000。米国内のみの捜査活動に制限されている。
◇FSB (=Federal Security Bureau of Russian Federation)「ロシア連邦保安庁」
1995年設立。人員:約50,000。プーチン大統領もこの組織のトップを務めた。
◇KGB (=Komitet Gosudarstvennoy Bezopasnosti)「ソ連国家保安委員会」
1954年設立。ソ連崩壊後にFSBに名称変更。プーチン大統領も諜報部員だった。
◇「(法務省)公安調査庁」
1952年設立。人員:約2,000。日本国内のみの捜査活動に制限されている。日本は海外諜報部員を持っていない。
1989年のベルリンの壁崩壊、1990年の東西ドイツの統一、1991年のソビエト連邦の崩壊、世界のいたるところでの戦争・軍事紛争、中国の台頭などなどにより、各国の諜報機関の役割、目的、焦点などが変化してきた。そして、ここにきてロシアによる軍事大暴走。世界の目まぐるしい状況変化に対応するためにも、情報機関の情報は増々重要になってくることは明白である。
■■YS参考ブログ■■
『諜報機関(ちょうほうきかん)【1】』(2018・8・31)
■YS