読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

士族の娘-新・御宿かわせみ- 平岩弓枝 オール読物12月号

2007-12-08 22:06:42 | 読んだ
11月号が「華族夫人の忘れもの」で、今月は「士族の娘」ということで、明治期に定められた「身分」というか族称を題材としている。

今回は「士族の娘」の矜持が主題である。
江戸期には二千石の旗本の娘であったが、明治維新でいわゆる没落し今は商家に住み込んで働いている娘が「士族」ということをすごく誇りにしている、そのことが事件となってしまう。

現代においても何かを心の支えとして生きている人はいる。その支えとはその人にとっては大きなものなのだが、他の人からみればそれほどでもない。

であるが、通常はその人の心の支えというものをある程度尊重し暮らしている。
しかし、何かの弾みでその「尊重」を一気に「侮蔑」に変えてしまうことがある。

今世の中で起きている事件はそういうことが多いのではないか。
そして、前よりもその「尊重」することが薄れ、なおかつ「主張」が強くなって、人と人との軋轢が増えたり大きくなったりしている。

そういう事件に出くわしたり、聞いたりすると、こちらの気持ちは暗澹となってくるのである。

今回、麻太郎も源太郎もそういう気持ちになったのである。

追伸
それにしても、花世はすごい。花世の出番を増やしてもらいたい、と思ったりしているのである。

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