読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

美味しんぼ105 続・食と環境問題 作:雁屋哲 画:花咲アキラ 小学館

2010-11-10 23:03:07 | 読んだ
この物語を読み始めて105巻。
最初はとてつもなく面白かった、続いて感心した、そして飽きてきた、がやめられない。

今回は「食と環境問題」について連作9話である。
食の視点から環境について考えている。

この物語が始まった頃からのテーマでもあるように思える。
しかし、この物語が始まった頃(1983年)から「おいしいもの」は無農薬有機栽培の野菜とか、精魂を込めて育てた牛や豚、天然で旬の魚であった。

最初はおいしいものはそういう素材でつくられたものとしていたが、年代が進むにつれて、素材そのものにこだわり始めた。

日本全国味巡りなどは、そちら方面に行ってしまったものだと思う。

そしてついに「食文化を守る」ということから「日本人の健康を守るには環境問題」というように膨れてきた。

そういう流れというものを否定するわけではないが、この物語のもう一つのテーマである「愛する者への心を込めた料理」が徐々に少なくなっているのが残念である。

社会問題を扱うのは、主人公の山岡やゆう子の年齢と社会的地位が上がっていること、そして何より「美味しんぼ」の社会的影響力が大きくなったことによると思う。

最初は反社会的というか、一介の新聞記者が特異な能力を発揮して「おいしいもの」を求め権力と対決するという状態であったのが、今では物語も著者も権威になってしまった。

形こそ反権力的であるが、なんだか違う物語になってきたように思えるのである。

といいながら、これからも読み続けていくのは、単に「終わり」が知りたいからなのである。

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