読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

東京家族

2013-01-17 22:31:51 | 観た、聴いた
本日、東京家族の試写会に行ってきた。

試写会には、主演の橋爪 功さん、吉行 和子さんが舞台あいさつに登場。
こういう経験は初めてであったので「すごいなあ」と思ってしまった。
ただ、席を後ろのほうというか高い方にしたので、よく顔が見えなかった。

さて、東京家族である。
これは、小津安二郎監督の「東京物語」への山田洋次監督のオマージュであるという。

私は「東京物語」を幾度か観ている。
これは、小津安二郎の伝記ともいえる高橋治著の「絢爛たる影絵」を読んで、小津安二郎と女優・原節子に興味をもって1回。
その後は、ただひたすら原節子の魅力である。

で、今回の東京家族はこの東京物語の現代版である。(と、言い切ってもいいだろう)
ほぼ設定は同じである。
違うのは『物語』では原節子の役柄(平山紀子)が戦死した二男の嫁だったのが、今回の「家族」では蒼井優が演じる間宮紀子となり、生きている二男の恋人となったこと。
「物語」には三男と次女が登場したが(都合5人兄妹)だったのが3人兄妹となったことである。

物語の流れは同じ。
田舎から両親が上京してきて、もてなしたり、もてあましたりする。
まあ「親」というのはそういうものではあるので、長男・長女の態度にも大いに共感する部分があるのだが。

父親から必要以上に厳しく育てられた二男とその恋人は優しく接する。
これもなんとなくわかるような気がする。

それほど大きな事件が起きるわけではなく、淡々と物語は進む。
そして「母」の死。

物語と家族を比較すると、物語の子供たちは『大人』だったような気がする。
昔と比べると、全体的に「幼く」なっているのかもしれない、ということを思っていたのだが、今回映画を見てその感を強くした。

そしてもう一つ、みんな「優しく」なっている。
もっと言えば「厳しさ」が薄れてきているように思える。

舞台あいさつで橋爪さんが「笑えるところでは笑って」とフッていたせいか、笑い声もあり、もちろん鼻をすする音もあり、なんというか多くの人が『前のめり』で見ていたような気がする。

「これはあなたの物語です」
というのがこの映画のキャッチフレーズであるが、そのままには受け入れられない気がするけれど・・・
それは、この家族はみんないい人、過ぎるくらいである。
こういう家族は今はないんではないの?
と思いながら見てしまった。

一番印象に残った場面は、母(吉行和子)と二男の恋人(蒼井優)が指切りをするところである。グッときてしまった。
そして、吉行和子の「母」は優しくて我慢強くて上品な母であった。
だから、彼女が死んだとき観ている我々までもが涙・涙・涙だったのだと思う。

面白かった?と聞かれれば面白かった。
感動した?と聞かれれば感動した。
と答える。
そして、今度はお金を払って見に行こうか、なんて思っている。

「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする