退職記念旅行記の閑話休題。
旅行中にまず読んでいたのがこの物語。
NHKで黒木華主演で放送されているのを見て「じゃあ読んでみようか」と思ったもの。
ドラマはドラマで面白いが、さて原作はどうなのさ?ということ。
私が知らなかっただけなのだが、この物語は多くの人に読まれているとのこと。
では、それはなぜなのか?
ウィキペディアでは、山本周五郎の小説に感激して時代小説家になった、とあった。
山本周五郎に感動して書いたもの、であれば面白いと思う。
本作「八朔の雪」はシリーズ第1巻。
4つの物語が収められている。
狐のご祝儀-ぴりから鰹田麩(かつおでんぶ)
八朔の雪-ひんやり心太(ところてん)
初星-とろとろ茶碗蒸し
夜半の梅-ほっこり酒粕汁
大阪の名の知れた料理屋「天満一兆庵」の主・嘉兵衛と御寮さん・芳が、奉公人の澪をつれて江戸へ下る。
店が火事に遭い、江戸で店を開いている息子・佐兵衛を頼ってきたのだ。
しかし、佐兵衛は行方知れずとなっていた。
嘉兵衛は失意のうちに亡くなり、澪は御寮さんと二人で生きていく。
ここで、この物語を貫く一つの謎・お題がでてくる。
「佐兵衛はなぜ行方不明になったのか、今どこにいるのか」
澪は、源兵衛に見込まれた「舌」の持ち主で、通常女は料理人とはなれないのだが、天満一兆庵で料理人として仕込まれる。
その「腕」と「心根」を神田明神下御台所町の蕎麦屋「つる家」の店主・種市に見込まれて、つる家を手伝い、料理を作り始める。
この物語をつらくぬ「料理帖」は、澪が作る料理、大阪仕込みの料理をいかに江戸の人たちの好みにするのか、そして人の心を打つ料理とはなにか?
ということであろうと思われる。
更に、澪の幼馴染の行方、江戸一番の料理店「登龍楼」との闘い、謎の武士・小松原(澪をみて『見事な下り眉』といった)正体は
などなど、縦糸横糸がうまくかみ合って、一つ一つの物語が語られていく。
また「旭日昇天」とか「雲外蒼天」という言葉、登場人物たちそれぞれが持つ『過去』が、複雑に絡み合うのだが、山本周五郎調ともいう「人情」が、悲惨ともいうべき物語をオブラートにくるんでいるので、さわやかである。
そして、一話ごとに必ず泣かされるところがある。
この本は、主に列車の中で読んでいたのだが、涙をこらえるのに大変だった。
一人きりで読んでいれば涙を隠す必要などないのだが、多くの人のいるところで読むものではないなあ、と思った。
以前の私であれば、このような筋立て(つまり泣かせる)は『あざとい』といって敬遠していたところであるが、近頃は「なんでもオッケー」というか「あざとさ」を許せるようになってきた。
このあたりは、成長なのか老化なのかはわからないけれど・・・
まあいいんでないか。
ということで、第2巻以降も読み進めていこうと思うのだが、ドラマの黒木華は原作とイメージがぴったり重なり、本を読んでいても顔が思い浮かぶのであった。
旅行中にまず読んでいたのがこの物語。
NHKで黒木華主演で放送されているのを見て「じゃあ読んでみようか」と思ったもの。
ドラマはドラマで面白いが、さて原作はどうなのさ?ということ。
私が知らなかっただけなのだが、この物語は多くの人に読まれているとのこと。
では、それはなぜなのか?
ウィキペディアでは、山本周五郎の小説に感激して時代小説家になった、とあった。
山本周五郎に感動して書いたもの、であれば面白いと思う。
本作「八朔の雪」はシリーズ第1巻。
4つの物語が収められている。
狐のご祝儀-ぴりから鰹田麩(かつおでんぶ)
八朔の雪-ひんやり心太(ところてん)
初星-とろとろ茶碗蒸し
夜半の梅-ほっこり酒粕汁
大阪の名の知れた料理屋「天満一兆庵」の主・嘉兵衛と御寮さん・芳が、奉公人の澪をつれて江戸へ下る。
店が火事に遭い、江戸で店を開いている息子・佐兵衛を頼ってきたのだ。
しかし、佐兵衛は行方知れずとなっていた。
嘉兵衛は失意のうちに亡くなり、澪は御寮さんと二人で生きていく。
ここで、この物語を貫く一つの謎・お題がでてくる。
「佐兵衛はなぜ行方不明になったのか、今どこにいるのか」
澪は、源兵衛に見込まれた「舌」の持ち主で、通常女は料理人とはなれないのだが、天満一兆庵で料理人として仕込まれる。
その「腕」と「心根」を神田明神下御台所町の蕎麦屋「つる家」の店主・種市に見込まれて、つる家を手伝い、料理を作り始める。
この物語をつらくぬ「料理帖」は、澪が作る料理、大阪仕込みの料理をいかに江戸の人たちの好みにするのか、そして人の心を打つ料理とはなにか?
ということであろうと思われる。
更に、澪の幼馴染の行方、江戸一番の料理店「登龍楼」との闘い、謎の武士・小松原(澪をみて『見事な下り眉』といった)正体は
などなど、縦糸横糸がうまくかみ合って、一つ一つの物語が語られていく。
また「旭日昇天」とか「雲外蒼天」という言葉、登場人物たちそれぞれが持つ『過去』が、複雑に絡み合うのだが、山本周五郎調ともいう「人情」が、悲惨ともいうべき物語をオブラートにくるんでいるので、さわやかである。
そして、一話ごとに必ず泣かされるところがある。
この本は、主に列車の中で読んでいたのだが、涙をこらえるのに大変だった。
一人きりで読んでいれば涙を隠す必要などないのだが、多くの人のいるところで読むものではないなあ、と思った。
以前の私であれば、このような筋立て(つまり泣かせる)は『あざとい』といって敬遠していたところであるが、近頃は「なんでもオッケー」というか「あざとさ」を許せるようになってきた。
このあたりは、成長なのか老化なのかはわからないけれど・・・
まあいいんでないか。
ということで、第2巻以降も読み進めていこうと思うのだが、ドラマの黒木華は原作とイメージがぴったり重なり、本を読んでいても顔が思い浮かぶのであった。
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