この真冬にニューヨークの街から車で北西に9時間程走って北国カナダとの国境に隣接したナイアガラの滝のある Buffalo の街の周辺を仕事で廻って来ました。高い山が存在しない平原地帯は冬の北風が容赦なく吹き抜けます。積もったパウダースノウは風で舞い上げられて何度も何度も積もる場所を変えてゆきます。雪が上から降ってくるのではなくて横から或いは下から吹き付けてくる、この地方の冬は長く厳しく、春を迎えるのに長い時間を要します。今日、ニューヨークに帰ってきました。寒い地方に暫く出かけて帰ってくると冬のニューヨークが暖かく感じます。寒い季節にはより寒い場所に出かけて帰って来るというのが寒さを克服する為の秘密の行動学なのであろうか?
長い時間暖房の良く効いた車内で過ごす事に慣れてしまうとあまり暖かくないランクル60の室内は試練でしかありません。冬におけるランクル60の運転は住宅に例えると伝統的な日本の木造建築の様な感覚です。それに対して現在の多くの車は暖房の性能が良い、それはちょうどニューヨークの分厚いレンガ造りの家の中で強力な暖房を効かせて冬を過ごす事に似ている。フロリダではクーラーの強さと冷え具合のスピードが車選びのポイントの一つであるがアメリカの北国の冬では4WDの機能に平行して暖房の機能が求められるのは自然な事なのであろう。アメリカの寒い地方において車の存在はシェルターでもあるからだ。