昨日を そして今日をありがとう

Demain il fera jour.
遠回りして歩きましょう 
素敵な景色に遇えるかも・・・

あの日に帰って 秘密のデート~山下公園にて…後編

2010-10-16 | 小さな旅の思い出
【大桟橋国際客船ターミナル】
大桟橋国際客船ターミナルは
世界の人々を迎える横浜港の玄関口。「飛鳥Ⅱ」、「にっぽん丸」「ふじ丸」、
「ぱしふぃっくびいなす」や「トパーズ」、「クリッパー・パシフィック」など
の大型客船が多数寄港する。
ターミナルは2,000㎡のホールや24時間オープンの屋上広場など、さまざ
まな楽しみ方が出来るようになっています。


あの日に帰って 秘密のデート~山下公園にて前編

この日 大桟橋国際旅客ターミナルには 豪華客船「飛鳥Ⅱ」が出航の準備を整え
煙突からは 薄い煙をはいていました。

芝生の屋上広場は 見送りの人や飛鳥Ⅱを一目見ようとする人たちで賑わっていました。



「知り合いのおじさんが 数年前 夫婦で飛鳥に乗って世界旅行に行ったの。
 おじさんは 終戦を迎え中国から引き上げ船に乗って帰る途中 
 本国の土を踏むことなく不衛生な船中で病気で亡くなった人や
 自ら海に飛び込んで命を落とす人を見て もう二度とこんな惨めな思いはしたくない
 いつか世界で一番豪華な客船に乗って 世界一周旅行が出来るように
 死に物狂いで頑張るんだって心に誓って 日本に帰ってきたんだと言っていたの。
 夢が実現して それは嬉しそうだったわ。」

「へぇ・・・すごい人なんだね。 俺の人生の目標ってなんだったんだろう・・・」
「私は 今日あなたに会ったときに 幸せよって言うのが目標だったのかもしれない。」
「そうか。オレもそうなのかもしれないな。」

そう言いながら 少しの間 あの寂しげな眼差しで 遠くを眺めていました。

ぼ~っという汽笛の音が数回聞こえ 振り返ると飛鳥Ⅱがゆっくりと船出するところでした。




そして 出来るだけ長く一緒にいたくて ゆっくり歩いて来たつもりだったのに
いつの間にかまた 山下公園に戻って来ていました。

You Tube / Autumn Park松任谷由実


どちらかが先にこの世を去る日が来ても
大好きなまなざしを
私はずっとおぼえていたい…

…あなたと会えなくなる 運命は思いつかない
どうしても どうしても
今 私には思いつかない…

今日の日をありがとう
或る午後の 或る Autumn Park~♪ ~Autumn Parkより~

 Autumn Park 松任谷由実 歌詞情報 - goo 音楽 



 
 【赤い靴を履いた女の子の像】 
 

  山下公園は関東大震災の
  復興事業として横浜市の助役らが
  瓦礫などを使って海を埋め立て造成して
  1930年(昭和5年)3月15日に開園した公園です。

  赤い靴はいてた女の子像やインド水塔 姉妹都市
  サンディエゴ市寄贈の水の守護神など海外との
  豊かな交流を感じさせるモニュメントが多く
  設置されています。

 


「ねえ この赤い靴の女の子の名前がきみちゃんだったって知ってた?」
「え?知らなかった!昔は観光地には全く興味が無かったのに良く知っているのね。」
「ま 色々成長したってことかな?ははは・・・」
「そうなの?」
「接待でさ 横浜の観光案内みたいなことしなくちゃいけないことがあるからね。」
「この女の子って 実際は外国には行かずに病気で死んじゃったのよね。」
「そうなんだ 結核だったらしいけど。色んな説があるからね。本当のところはわからないのさ。」



   
【姉妹都市サンディエゴから寄贈された水の女神像】 

  ゆっくりゆっくり歩いてきたのに
  とうとうホテルニューグランドの
  前の水の女神の像の前まで来てしまいました。





  
【ホテルニューグランド 本館入り口】


 

  山下公園の真向かいにあり
  中華街に通じる横道を従えて1区画を
  占めている横浜のを代表するホテル。
  関東大震災で倒壊し廃業した外国人向け
  ホテルであったグランドホテルにちなんでいる。
  震災で横浜の多くのホテルが倒壊したのを受け
  横浜市の復興計画の一環として建設された。
  当初は今日で言う第三セクターとして発足。
  1927年開業時からの建築は本館として現存しており
  クラシックホテルの代表例として名高い。
  開業時から、チャーリー・チャップリン(映画監督)や
  ジョージ・ハーマン・ルース(メジャーリーグ選手)
  といったスター、皇室や英国王室といった賓客が
  数多く訪れている。
  また、1945年に来日直後の
  マッカーサーが滞在したことでも知られている。
  マッカーサーは第二次世界大戦前、新婚旅行
  でもこのホテルに滞在している。
  ホテル料理人の源流のひとつでもありドリアや
  ナポリタン プリンアラモード等の料理を生み出し
  日本人の食文化に大きく影響を与えたといわれている。
 




【ロケに使われた階段】 

「ねえ 三谷好喜の《有頂天ホテル》は
 ここが舞台だったし
 キムタクの《華麗なる一族》のロケ地
 だったの知ってた?」
「知ってる!鉄平が大晦日の日 家族の待っている
 《志摩観光ホテル》の階段を駆け上がるとこでしょ?」
「そうそう!お~!ニューグランドだって思ったよ。」

「ねえ・・・いつかここに一緒に
泊まろうねって言ったの覚えてる?」

「憶えてるさ・・・オレここに泊まってるんだ。」

「・・・」
「・・・」 


「ここのバーで一杯飲んで行かない?」

「ガーディアンね?」
「知ってるの?」
「ほら サザンの歌に出てくるじゃない!
 …マリンルージュで愛されて
 大黒埠頭で虹を見て
 シーガーディアンで酔わされて~♪って。」

Love Affair~秘密のデート・サザンオールスターズ

LOVE AFFAIR ~秘密のデート サザンオールスターズ 歌詞情報 - goo 音楽

「そうか!あの歌詞はここのバーのこと歌ってたんだ!」
「そうよ~! で 酔わせてどうするつもり?」
「一杯くらいじゃ酔わないくせに。」
「ははは・・・憶えてるんだ!」
「勿論さ。 今 ここのバーでドガ展と協賛していて
 スペシャルカクテルの《エトワール》ていうのがあるんだけど どうかな?」





【Bar ガーディアン||】ホテルニューグランドH.Pより
 


『シーガーディアン||』
石原裕次郎や松田優作といった
往年の大スターも、このバー
でグラスを傾けたのだそう。


【ドガ展フェア スペシャルカクテル :エトワール】
ホテルニューグランドH.Pより
 



【ホテルニューグランド】

 
 「・・・・やっぱりやめとく。
 《エトワール》葉魅力的だけど
 帰りたくなくなってしまいそうだもの。」

「そうか・・・・」
「ここから 一人で帰るわ。」
「駅まで送るよ。」
「送ってくれなくていいわ。その代わりあのホテルの窓から
 見えなくなるまで 手を振っていて。」

「わかったよ。じゃあ・・・」
そう言って彼は右手を差し出しました。
強く握手をしながら 
「また逢えるよな?メールのアドレスくらい教えてくれるだろ?」

ずっと繋いだままでいたかった手を振りほどいて
彼の手に バッグから取り出した名刺を握らせ
何も言わず駅へと歩きはじめました。
中華街へと曲がる角で降り返ると
ホテルの窓から 
彼は大きく手を振ってくれていました。 


 
【中華街門】
 

通りの角を曲がるとすぐに中華街の入り口が見えてきました。
そういえば 何度も横浜に来ていたのに 彼が中華料理が嫌いで
一度も来たことがありませんでした。
今も中華料理を食べられないのかな・・・

なんて考えていたらなんだかおかしくなって来て
笑っているのに 涙が溢れそうになりました。

すると携帯のメールの着信音がなりました。
慌てて開くと そこにはこう書かれていました。

「 Good luck and Good bye~ そして また逢おうな。」
…きっと また… 

 
エンドロールにはこの曲を流して欲しいな・・・
You Tube / Good luck and Good bye 荒井由実
Good luck and Good bye 松任谷由実 歌詞情報 - goo 音楽

                              
さて 既にお気づきの方も多いかとは思いますが
このお話は ひとり歩きのとちゅうの妄想です~♪

あの頃遠恋中だった横浜にいた彼は旦那様です。(笑)

30年来逢いたかった彼というのは 横浜の街そのものだったのかもしれません。

歌になる街 絵になる街 物語になる街 横浜だったのでした。

拙い私の文章に最後までお付き合いくださった皆様
 ありがとうございました!




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20 Comments

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ご無沙汰しております (LIPRIVER)
2010-10-16 07:52:48
久しぶりのコメントです。横浜、何か懐かしく見る事が出来ました。中華街に山下公園、素敵な街ですよね。そして、ホテルニューグランド、友人とバーへ行った事を昨日のように思い出しました。又、写真を見て行きたくなりましたね。そして、おじさんの頑張りには感動しますね。これからも宜しくお願いします。
返信する
わあ~~♪ (Neko★)
2010-10-16 10:01:38
一筋~~~
旦那様とは参った(笑)

赤い靴~♪も登場していただいて
秋のロマンスを堪能です~~(笑)
本にしません?
返信する
こんにちわ (小父さん)
2010-10-16 13:01:53
前回からの更新に日が経過しましたね。
今か今かと待っていましたよ(笑)

いやー、なんだか横浜の街をpinkyさんとデートできたみたいでドキドキしました。

映画《有頂天ホテル》も年末にみましたよ~、
キムタクの《華麗なる一族》は観ていないんだけど・・・。

いやー、スペシャルカクテル《エトワール》なんてお洒落ですねー!

>笑っているのに 涙が溢れそうになりました。

うまい!

しかし、背景といい事物の挿入といいBGMといいすばらしい構成です。
えっ!浅利慶太か倉本聰のところで脚本勉強していたってpinkyさんのことでしたか!?

だけど、まんまと引っ掛けられましたね。
なんだなんだ、おのろけだったんですね。
おごちそう様でした。
そして安心しました!(笑)
おかげで、すてきな横浜観光ができました。
返信する
初書き込みです。 (天邪鬼な紋狗悠之輔)
2010-10-16 14:37:17

こんにちは!!で茣蓙居ます。

ここには行かれましたですか??
同じ唄です。
聞き比べてください。

http://www.youtube.com/watch?v=gc5TZJxg4CE&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=lYERNUomQzk&feature=related

失礼しました。

返信する
やっぱり (bachama)
2010-10-17 09:09:55
妄想でしかないとは 思っていましたが

とても 面白く 読ませてもらいました

Pinkyさん 作家になれる

また こういった記事 お願いしますね

返信する
楽しかったあ~ (kokiyu)
2010-10-17 21:39:29
なあ~んだあ~。見事に引っかかってしまったわあ~。
でも、とってもステキなお話しでした。
そして現実はもっとステキですね。
pinkyさん、とってもロマンチック~。

ちなみにウチは、今の主人と高校からずっと続いていたワケではないのです。
卒業前に別れて、私は大阪で、主人は地元で
それぞれ全く違う生活を送っていました。
それから6年ー
地元に戻ってきた私と主人は再会して、たった3日で結婚を決めました。
縁があったと言えばそれまでだけど、
お互い6年間いろんな人と付き合って、結局、元の鞘に納まったー
といったトコロでしょうか・・・
返信する
☆コメントをありがとうございました! (pinky)
2010-10-17 22:21:53
LIPRIVERさんへ

お久しぶりです。
横浜は 何処を撮ってみても何か物語りになりそうな場所ですね。
ホテルニューグランドのバーに行かれたことがあるのですね。
さぞかしお話も弾んだことでしょう。

このおじさんは 80を過ぎた今も精力的に活動してみえます。
お会いするたびに頭が下がります。
こちらこそ またステキな写真を楽しみにしております。
返信する
☆コメントをありがとうございました! (pinky)
2010-10-17 22:26:04
Neko★さんへ

結婚するまで8年かかりました~!
一筋~・・・?だったのかな??(笑)

赤い靴をはいた女の子のお話は 
子を持つ母としては辛いお話ですよね。

でも ひとりで歩く横浜はロマンティックでした~!
返信する
☆コメントをありがとうございました! (pinky)
2010-10-17 22:26:37
小父さんへ

お待たせして申し訳ありませんでした。
東に旅した次は西へ西へと小父さんの庭をうろうろさせていただいてました(笑)

まあ!小父さんと横浜でデートですか?光栄です。
このホテルは 他にも沢山のドラマや映画のロケに使われているようです。
石原裕次郎の映画にも出てきたらしいです。
あ それと永ちゃんの歌にも「ニューグランドホテル」というのがあります。

《エトワール》飲みたかったのですが 流石にホテルのバーにひとりで入る
勇気はありませんでした。

横浜って ドラマティックな街ですね。
才能のある人にはいろんなイメージが沸くのでしょうね。

お褒め頂きありがとうございます。
それにしても 自分の語彙力の無いのにがっかりです。 
一緒に横浜観光をしていただいてありがとうございました。


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☆コメントをありがとうございました! (pinky)
2010-10-17 22:27:38
天邪鬼な紋狗悠之輔さんへ

はじめまして。
訪問ありがとうございます。

♪あなたと 2人で来た丘は港の見える丘~♪

今回は 行くことが出来ませんでした。 

同じ唄でもアレンジで全く違って聞こえますね。
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