昨日を そして今日をありがとう

Demain il fera jour.
遠回りして歩きましょう 
素敵な景色に遇えるかも・・・

ある手紙の話・・・

2009-11-29 | 思いつくまま・・・


先日、所属しているボランティア団体の研修会に出掛けてきました。

これから迎える高齢化社会のなかで、介護されないと生活の出来ない人が
どんどん増えると予想されます。

誰もが、いつまでも元気で我が家で暮らしたいと思っていることは
いうまでもありません。

それには、元気なうちに体や脳が衰えないように
無理の無い運動や頭を使わなくてはいけないということで
簡単な体操や、ゲームのやり方を教えていただきました。

そしてその後、特別養護老人施設の代表のかたのお話を聞きました。

驚いたことに、100人足らずの収容人数に関わらず、待機者の数が
なんと600人もいらっしゃるとのだそうです。
介護認定を受けて入居申請をされてから、約4年の間またなくてはならないそうです。


これからの時代、ホームヘルパーさんの手を借りながら
自宅で親の介護をされる方がどんどん増えることになるとのことでした。

そんな時、家族はどのような心持でいたらいいのか。
ご自分の経験を元に、感じたことをお話してくださいました。

その中で、介護する側の声は聞こえてくるけれど
介護される側の方はどんな気持ちでいらっしゃるのかという質問にたいして
以前、NHKでも紹介されたことのある手紙を読んでくださいました。

胸が痛くなりました。
今の自分が感謝の気持ちを忘れていることに、気づかされました。

高齢者の介護の問題は、色々な要素が絡み合っていて
誰が悪い、何処がよくないとひとつに決められない問題です。

この手紙を読んだ方が、何か思ってくだされば嬉しいと思い
紹介させていただくことにいたします。
(歌になって、CD化もされているそうです。}
                                    

手紙~親愛なる子供たちへ~


年老いた私が ある日 今までの私と違っていたとしても

どうかそのままの私のことを理解してほしい

私が服の上にたべものをこぼしても 靴ひもを結び忘れても

あなたにいろんなことを教えたように見守ってほしい

あなたと話す時 同じ話を何度も何度も繰り返しても

その結末をどうかさえぎらずにうなずいて欲しい

あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本の温かな結末は

いつも同じでも私の心を平和にしてくれた

悲しいことではないんだ 消え去ってゆくように見える私の心へと

励ましのまなざしを向けて欲しい

楽しいひと時に 私が思わず下着を塗らしてしまったり

お風呂に入るのを嫌がるときには思い出して欲しい

あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて

嫌がるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを

悲しいんではないんだ 旅立ちの準備をしている私に

祝福の祈りを捧げて欲しい

いずれ歯も弱り 呑み込むことさえ出来なくなるかもしれない

足も衰えて立ち上がることすら出来なくなったら

あなたが か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように

よろめく私に どうかあなたの手を握らせて欲しい

きっとそれだけで それだけで 私には勇気がわいてくるのです

あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように

私の人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい

あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと

あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい

私の子供たちへ

愛する子供たちへ



                                    

うちの長男がまだ幼い頃、テレビから流れる介護問題についての
ドキュメンタリーを見ていたときに言ったことを思い出しました。

「人間って、だんだん赤ちゃんになっていっちゃうの?
 だったら、体も赤ちゃんになっていったらみんなに可愛がってもらえるのにね。」

うちの母は、まだ現役でとても元気ではありますが
やはり、同じ話をなんどもしたり、立ったり座ったりが辛くなっています。

介護の経験はないものの、こうして少しずつ年老いていくのだと
改めて思い知らされたような気がしました。

いつの間にか、一人で大人になったような気持ちになっているのですね。
自分も親になり、息子達のことを一人で大きくなったような顔をしちゃって
なんてぼやいていましたが、それはそのまま自分のことでもあったのです。

毎日顔をつき合わせていると、つい言葉に出しそびれてしまう感謝の気持ち・・・
大切にしたいものです。



                                    
今日も訪問ありがとうございました!








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22 Comments

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傷むねー (kokiyu)
2009-11-29 08:07:16
手紙 読んでて、目が潤みました。
私も介護の経験はありませんが、ウチの両親が祖母の介護をしていた時のことを思い出しますー
母は決して優しく愛想の良い介護者ではなかったかもしれないー
父もよく祖母を叱っていたー
あの時の、常に緊迫した実家の空気は忘れられませんー
でも、それでも一度として”床ズレ”を祖母に起こさせた事はありませんでした。
そんな私の両親に、祖母はモンクばかり言っていた・・・

介護する方も、介護される方も、お互い感謝の気持ちがないと、
介護は辛いだけの物になってしまいますね。
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おはようございます。 (Neko★)
2009-11-29 11:04:43
誰もが望む最後って、努力も必要ですよね・・・
切なく読ませていただきました。
ありがとうございます
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胸に響く言葉 (杜瀞蕗さん棲家)
2009-11-29 11:33:54
すばらしい、老いゆく人としての言葉です。
涙が出てたまりません。
今年、母の三回忌です、いい言葉が胸にしみます。
唱にしたいですね。
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ありがとう☆★☆ (Rancho)
2009-11-29 11:56:45
pinkyさん、心に染み渡りました。
ジーンときました。

素敵なお話を聴かせていただいて、
pinkyさんにありがとう~です。
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何れは・・・ (サケの故郷)
2009-11-29 15:03:22
本当に何れは誰でもが辿る道なのに。
主人と何時も「子供たちに迷惑が罹らないように元気でいようね」と話していますが。
理想と現実は、一緒じゃないと知っていますから・・・悲しい。
詩はとでも素敵で心に打たれました。
本当に赤ちゃんに帰るなら姿も可愛くなれたら良いね。
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手紙 (薩摩)
2009-11-29 17:46:28
こんばんは~
過日NHKの歌謡チャリティショーで「手紙~親愛なる子供たちへ~」を始めて耳にしました。
老いていく親から、子供達への思いを率直な歌詞で歌われて何か近い将来を改めて認識しました。
私も福祉施設のボラ活動、おもちゃ病院のボラ活動等楽しみながらやらせていただいています。
やはり人間は大勢の方々と語り合い、極力頭を使うことが大事なようです。そのためにも適当に家庭菜園は肉体運動にも良いような気がします。
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沁みます (ma-na)
2009-11-29 19:05:08
心が痛むような手紙です。
一人で育ったような顔をしてますから・・・。

私の人生の始まりにしっかり付き添ってくれた人たちの
人生の終わりに少しだけ付き合う。
いつまでも元気でいて欲しいと願いますが
いつかは、親の介護をする日がくるのでしょうね。
そのときこの手紙の言葉が役に立つと思います。
ありがとう。
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こんばんわ (小父さん)
2009-11-29 22:59:51
素敵な文を読ませていただきました。

私のまわりにも介護が必要な人を幾人も見ます。家族のたくさんのエネルギーを必要として、生き抜いておられます。

先日亡くなった従兄弟は約20年間ベッドに寝ていましたが、
元々はエンジニアなのに自ら高度な福祉の勉強に打ち込んで
ひとりで車椅子で新幹線に乗ってまでスクーリングや試験に出かけていました。

姉もそうだし、義母も要介護状態です。
自分にいったい何ができるか?家族がどこまで
忍耐強くおれるか?そんなことも問われるのでしょう。

「手紙~親愛なる子供たちへ~」は、
これからの日本の指針のようでもあります。

幼い子供を育てるのも、老人に接するのも同じ愛情が必要ですね。
普通は誰にでも備わっているものなんですね。
しかし、最近報道で見るものは信じられない
両者への虐待が多いです。

“昨日を今日をありがとう”って本当に素敵な
タイトルですね。
気づいていませんでした。
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素敵なお手紙 (さらさ)
2009-11-30 10:03:56
有り難うございました。
すっかり忘れていたことを思い出したような気持ちです。いつか兄が言った言葉を思い出しました。きっと兄も誰かに聞いて祖母の介護をしていた母に言った言葉なのですが・・・
「子供叱るな我が来た道、年寄り叱るな我が行く道」何気なく聞いていた言葉なのですが・・・少しでも思いやりを持って接して行きたいと思いました。こんな気持ちを思い出させてくれたお手紙に感謝。そしてご紹介下さったpinkyさんに感謝です。
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☆ kokiyu 様 (pinky)
2009-11-30 10:43:58
介護する側される側、お互いの思いやりで穏やかな日常がおくれるのなら努力しなくてはいけないと
つくづく感じさせられました。
kokiyuさんのご両親は、お店を切り盛りされる傍らの
介護だったんですね。
それは、大変なことだったと思います。
それでも、懸命にやっておられたのでしょう。
頭が下がります。
感謝の気持ちを持ってはいても、なかなか言葉にだせないものです。
ときどきは、この手紙を思い出して気持ちを新たに、これからの生活を穏やかなものに出来たらと感じました。
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