放送大学で、学んでいます

大学を出ているので、編入で全科生になりました。心理学を中心に学びまして、今は、再入学により、再び学びを始めました。

フロイト全集を読みたい

2013年08月21日 | 放送大学雑感

フロイトの「精神分析入門」は、40年ぐらい前に読んだし、文庫ではあるが、「夢判断」なども斜め読みしたものが、探せば出てくるであろう。しかし、日本教文社版だと、およそ21巻におよぶフロイトの著作の一部にしか過ぎない。精神分析にせよ、分析心理学にせよ、フロイト自身の書物やユング自身の書物は、全体から見ると、ほとんど読んでいないことになる。フロイト全集が、新訳で岩波書店から出ている。図書館で借りて読もうと思う。ただ、この手の翻訳書は、そうすらすらと読めないし、分からない単語も出てくるであろうし、誰かに聞けば分かるというものでもない。そこで、まず、日本人の手になる概観書を読むことにした。監修:西園昌久、編集代表:北山修「現代フロイト読本 1」 みすず書房、2008年を買った。

現役の分析家(日本には、30数名おられるらしい)により、重要著作43編が、様々な側面から解説されたものである。読み方として、北山先生は、自由連想法のように読んでいくこともよいようなことを書かれているし、以前、ラジオ番組(「きたやまおさむのレクチャー・アンド・ミュージックbyNHKFM)でも、そのようなことを話されていたように思う。読みかけたけれど、このラジオ番組でも聞いた「treib」という語彙を巡る英訳に関する話題も書かれていた。フロイトの著作が、ジェームズ・ストレイチーに依ってなされた際に、「instinct」という単語になったために、本来の訳語であるはずの「欲動」が「本能」に置き換わったのだそうだ。そういう背景を知りつつ、「死の本能」などいうことについて思い巡らしてみると楽しいかもしれない。