副島隆彦『老人一年生 老いるとはどういうことか』(幻冬舎、2017年)は、還暦を越えてくると、その体験談共感がもてる。
仕事柄、デスクワークが主なので、肩が凝る、腰が痛い、目が疲れる。残業が肉体的に難しくなる。体に、高血圧だとかいった生活習慣病を持っている。
まるで、夏目漱石の「道草」のように、親戚が、私の人生を侵食し始める。
親戚は、厄介者であるのは、漱石と同じである。
世の中の常識を知らない人も多い。
連帯保証人などは、多少、新聞や雑誌を読んでいれば、そうそう人に頼めるものではないし、頼まれたくもないものである。
租税等の徴収制度にも、連帯納付義務などを定めておいて、親族の負債の支払を求めてきたりする制度がある。
もうすぐ初盆であるが、人間関係に齟齬を兆しても、保証人には、絶対ならなかった父の方針は、私も受け継いでいる。
「老人になる」と、体に「痛い」ところも出てくるし、そのことで、「老化」を意識させられる。
本書は、エッセイのようなものなので、科学的な根拠はないが、なるほどと頷かせるところがある。