南斗屋のブログ

基本、月曜と木曜に更新します

加害者と一緒に飲酒した者に賠償責任を課す判決

2006年07月28日 | 未分類
 飲酒運転をして死亡事故を起こした加害者だけでなく、一緒に飲酒した者(同乗者ではなく)にも賠償責任を認める判決が東京地裁でました。
こちら

 法律上でいうと、加害者というのは、被害者に不法行為を与えたということで賠償責任を負います。
 これまで、同乗者については直接の加害者とともに共同して不法行為を与えたという理屈で(共同不法行為といいます)、賠償責任が認められたケースはあったようですが、一緒に飲酒をした者(同乗者ではなく)に賠償責任を認めたのは初めてのようです。

 被害者側からすれば、賠償責任を問える人間が増えた方が保護に厚くなりますし、このような判決が定着すれば飲酒運転をやめる方向で社会が動くでしょうし、飲酒運転をする人と酒を飲むという方はなくなるでしょう。

 飲酒運転は社会からなくなるべきだと思いますし、道路交通法の改正で罰則が重くなったこともあり、数は減ってきているのかもしれませんが、飲酒運転が起こす悲劇が繰り返されています。

 なお、飲酒運転を撲滅する活動をしている団体としては、
MADD JAPAN
がありますので、ご興味のある方はそちらもどうぞ。

コメント (2)
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弁護士の交通事故事件勉強法 8

2006年07月28日 | 未分類
弁護士の業界では、ボス弁から事件の取り扱い方を一から教えるというような方法はとりません。これはどこの業界においてもそうかもしれませんが、仕事は上の者のやり方を見て、自分で考えて覚えるものであるという考えが強いようです。

同じく法曹業界でも、裁判官や検察官は、1年目は集合研修の機会もあり、それぞれ研修所をもっていて、そこで総合的な研修をするのですが、弁護士の場合は、研修会と名のつくものは色々開催されていますが、それに参加するかどうかは、全く個人の自由に委ねられていますし、参加が義務づけられているものとしては、弁護士登録1年目の2回ほどの研修と、5年おき程度に開催される弁護士倫理の研修会くらいです。

弁護士もスーパーマンではありませんから、全ての分野に通じるということはなかなか出来ません。
しかし、弁護士も事件を選べるわけではなく、次から次へと相談の依頼がきます。
各地の弁護士会は、一般向けに法律相談の窓口をもっていますが、事件数のわりに、弁護士が多くないところは、この弁護士会経由の相談というものが結構あるのです。

例えば、私は千葉県弁護士会に10年ほどいましたが、千葉県は人口600万人以上おり、首都圏にあるため、事件数は多いのですが弁護士は300人強であり、東京の弁護士数(1万人以上)にはるかに及ばないところです。
このように事件数の割に弁護士が相対的に少ないところでは、弁護士会から相談が相当数回ってきますが、その内容は債務問題であったり、家庭関係であったり、不動産関係であったり、遺産の問題であったりするわけで、弁護士が専門化したくてもなかなか難しいところがあります。

弁護士に相談を依頼したいユーザーサイドからすれば、自分の抱えている問題のエキスパートに解決してほしいという願いがあると思いますが、弁護士には医師の専門医のような制度もありませんし、逆に「どんな事件にも対応できるのが良い弁護士だ」との考えも根強いものがありますので、一部の分野を除いては専門化がはかられていない状況にあります。
一部の弁護士会では、「専門相談」ということで特定の分野については、その専門相談に登録している弁護士に相談を任せるという方針のところもありますが、これも弁護士会が、その弁護士を専門と認定しているわけではなく、その分野のやる気のある弁護士に相談を回しているにすぎません。

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